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2F/当番ノート

言葉と旅する

当番ノート 第38期

今回は不思議な感じの旅だ。

ここにいるようで いろんな場所に気持ちが飛んでいく。

さっきブカレストの空港で 久しぶりに言葉の単語帳を開いた。

この単語帳は数年前から私が出会った人に
 
その人の好きな言葉

今思いついた言葉を自由に書いてもらっている。

そしてその裏に名前を書いてもらう。

単語帳は1冊100ページで、2冊目になった。

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言葉を読み

その時のことが思い出される。

それを書いてくれた人とその時の時間。その時間にタイムスリップした気持ちになる。

その時をもう一度味わう気持ちになる。いろんな場所に気持ちが飛んでいく。

そしてこれに今度書いてもらいたい人を思い浮かべる。

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いま白ワインを飲みながら 

ある人を待っている。

その人に書いてもらおうと思う。

遠く離れている友にも書いてもらおうと思う。

時間は直線的ではなくて 丸く膨らんでいるもの。

直線的ではないと思った瞬間から 

未来に焦点を当てなくなった。

色んな時が 膨らんで 

今ここに繋がっている。

合田 紗希

合田 紗希

倉敷市出身  
ルーマニア黒海近くの劇場でバレエを踊っています。
ビールとcafeと海が好きです。

Reviewed by
高野 裕子

「時間は直線的ではなくて 丸く膨らんでいるもの。」

紗希さんの言葉を読んで、20歳くらいの時に作った「frame」という作品を思い出した。
映写機の音と音楽を編集し、止めどなく流れ続ける時間について考察した短いソロ作品。

その時の「時間」の方向性は、長く長く続いていく直線だった。
おそらく映像学科の友人がその当時撮っていたフィルムに影響された部分も大きかったかもしれない。
瞬間の連続、流れ続けることが永遠のようにも感じられた。

そこに「ポン」と言葉が置かれた時、その地点に帰る・返ることができるのかもしれない。
言葉だけでなく、音楽や匂いも、その切符になる。
「あ、この匂い、懐かしい」
「この音楽、あの時よく聞いていたな」
まさにTime trip。

線だった時間がやがて丸く膨らんでいく感覚。
私も自分の過去に旅をしてみよう。

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