おまえたちは異質なのだから黙っていろ。
と、
拳銃を突きつけられる
銃声はしない みんな黙ったから
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知らぬ間にわたしたちは世間へ買い叩かれる
飲み会なんか嫌いでした
酔った香りも おとこも嫌いでした。
べろりと触られることも
値踏みされるのも
軽々しく守ってやると言われるのも
嫌いでした
わたしたちは買い叩かれるために
嘘をたくさんつきました
買い叩かれなければ正月が迎えられないので
嘘つきのまま(そしてそれを嘘としないよう柔かな顔をして、)買い叩かれました
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聞こえる
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本当のことを話したがために
あなたが死んでいきました
水死でした あるいは 絶望でした
恋というものが安息の地を求めることだとしたら受け入れられること自体がわたしの存在意義でした
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胸元のボタン弾けて、
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女として生きていかねばならないと
産声と同時に値札をひとつ貰いました
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音がして
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わたしは破裂しました
胸元の膨らみから全身が膨張して
腿、尻、胸、顔、その全てが
膨らみ 脳味噌のかけらが
青空あかく飛散して
匿名の背後から伸ばされます
どこにも届かない声が
届かなくても叫び続ける声が、
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インターネットの海に殺されろ
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飛散したあかが意志を持ちます。
拭っても擦っても斬り付けても消えない痣になり
一呼吸、大きく吸い込み 声をあげます。
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あまり堂々と言えるものではありませんが、友人が少ないです。知り合いみたいな人は、おそらく、多分ですが、少し多いほうです。
小中は普通だったはずなのに、高校時代、いきなりうまく息ができないことが増えて、それでも校内に少ないながらも友人はいたはず(記憶が改ざんされていなければ、)だけれど、今も連絡を取り合ってお酒を飲みあうような人はいません。大学生になり、環境が変わって、やっとまともに人と話せるようになれた!と、大都会東京という街に感謝と感動さえしました。当時のわたしにとって東京とはわたしを否定も肯定もせず、ただ存在を受け入れてくれる街。レースたくさんの服を着てぬいぐるみを持ち歩いていても、刈上げに前髪ぱっつんのおかっぱにリボンをつけていても、ひとりで小説を読んでいても、短いスカートが嫌いでも、だれを好きでも或いは誰も好きでなくとも、暑い中長袖で過ごしても、「気持ち悪い。」なんて言われない街。
年齢を重ねると、ただ数字が増えたそれだけなのに、選択肢が増える。
わたしは学生生活を終えた後も東京を選択することが出来たし、部屋だって何かしら働いて収入があれば借りることが出来る。なんでもない日に好きなケーキを買って帰ることが出来るし、明け方までアニメをみて現実逃避だって出来る。
もし、あのとき、あの息ができないような、学校と家との二つでしかなかった世界で、あのとき決めていた通りに、おしまいを実行していたら、、と考えてしまう。
毎日をずっと一緒に過ごす友人がいなくても世間から許されるなんて思ってもいなかった。笑われたり否定されることのない関係性があるなんて想像もしなかった。
わたしのことを話しして、それが誰かのためになれるとも思えないけれど。
『相手の立場になって考えましょう。』『何かあったら周りに甘えましょう。頼りましょう。』
と、簡単に言われるけれど、それのとても難しいこと。
そしてそれを口から軽々と放つ人々はもう『それ』を持っている側の人であることの強さと余裕、その当たり前さえ持っていない自分への更なる自己否定と嫌悪。
それでも、いまのわたしは気づける範囲の生活の中で、口からその言葉を言わなければいけないし、行動と言動の背景に言葉にならない何があったのか想像しなければならない。でなければ、何もかもが、誰も知らない、無かったことになってしまうかもしれないから。そして自分が出来ること、出来ないことの境目をはっきりと知らなければならないし、出来ないことはできる人やものになるべく任せなければならない。ひとは、わたしは、万能な神ではないし、正しさもちからも持たない人間なのだから。
少しでも、世界の選択肢が増えますように。
若さというものや性別というもののなかで、大切なものが奪われたり否定されたりすることがありませんように。