黄色の増殖に最近気づいた。
去年の春は、レモンイエローのネイルばかりしていたし、秋にはターメリックのネイルを買った。どちらももうだいぶ減っている。そしてこの間、からし色のセーターも手に入れた。
レモン、ターメリック、からし。黄色は食べ物の名前で構成されているらしい、と思ってはたと気づいた。
名前がある。
当たり前だけど、意識していなかった。名前が違うのは、「黄色」という枠でくくられていても、それぞれ独立した色だからだ。レモンイエローの割れるような爽やかさにはきゅんとするし、やや黄緑を感じさせるターメリックは奥深いし、からし色はセーターだからそりゃ暖かいけど、ぽかぽかがくっつく。それぞれの色にそれぞれの個性があって、それぞれに好きなポイントがある。
まさに「装うこと」だなと思った。装うことは、砂漠で砂金を探すように、なにがどう好きなのかを漠然とした意識から掘り上げていく、その作業の積み重ねなんだなと、改めて思った。