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2F/当番ノート

わからないままにさせてよ

当番ノート 第55期

眠っていた間の夢の内容が現実のものだったのか、寝起きにぼーっとしながら反芻する時間が好きだ。ふわふわして心地いい。なのに、だんだんと頭が冴えてくると寂しくなってくる。

怖い夢でも、嬉しい夢でも、ありえない設定の夢でも、わからないままにしていたい。世界がわかることばっかりになったらつまらないから、ひっそりと自分だけの謎が欲しいんだ、わからないままのものが好きなんだ。

マスブチ ミナコ

マスブチ ミナコ

現代アーティスト。生きづらい自分が死を選ばないような工夫をや思考を重ねて、過去も含めた人生を作り直しています。自分の欲しいものは世界のどこにもないので自分で作ると決めました。

幼い頃から好奇心が強く、やりたいことが次から次へと増えていました。覚えている限り最初に抱いた夢は「ピアニストと獣医師(兼業)」。蓋を開けてみると、Webデザイナー、イラストレーターなど興味を持てばとにかくやってみるようになり、見たことのない景色を見るために「深める」「広げる」にこだわらず波乗りできるアーティストに転向しました。

Reviewed by
かみはら えみ

美しい夕焼けを見た。西日の混じった赤色。光を乱反射させた知らない街並みが、愛おしく見えた。
目を潤ませて眺めていたら、隣のあの子が「そんなことで泣くなんて大げさだなあ」って、呆れたように笑った。
いつものことながら、なんの理由もなくだらだらと、散歩がてら歩いたらしい。ちょっと遅れて登ってきたアイツの声や文句や、皆のしょうもない会話が聞こえた、はず。
確かにそこにあったはずなのだけれど、もう思い出せない。憶えておきたかった。覚えて起きたかった。写真も撮りたかった。
ねえ、わたしが泣いたのはあの”夕焼けのせい”だけじゃないんだ。

存在しない丘の上の話。

次の日くらいに「こんな夢を見たんだ」って部室で話したら、「ははは、めっちゃ言いそう!」だの「そんなこと言わないよお…」だのって、やんや言って笑い合った。確かその話をして笑ったのは、部室だった。確かね。
それで良い。

種明かしせずにはいられない、わたしに言い聞かせる。

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