当番ノート 第11期
部屋の壁にさわって 左手の指で部屋の壁にさわって、ふれて, そしたら壁が、揺れた けどそれは揺れているんじゃなくて 私の心臓が、 とにかく活発に動いて 大きく膨らむその度に 小さくしぼむそのたびに 壁が揺れてるんだと思ってしまうほどです このままベッドに倒れこみたかった 自分でもよく立っていられるなと思う けどいま 倒れこんでしま…
当番ノート 第11期
例をあげればもう意味がない。 そんな世界の自覚が不可欠で、仮説の復唱と発作の再認識により眼に見えないものが完全だと必然にとどまった。 昭和45年→ ぎこちない珈琲。不器用な終末。爪を噛む原風景。リンチ。 干渉のエレヴェータは日常的かつ秩序的で、主題が明確である。 煩わしい指針は指から指へ前提としてウンザリするくらい明白に生じる。 そして、対話のふりはランダムを評価し、実景化する。 暗合と必須の切れ…
当番ノート 第11期
人生はとにかく複雑だ。 社会もズンズン複雑になっている。 いつから子どもは大人になるのだろう。 こういうことを考える時点で既に複雑に考え過ぎているのだけれど、いつからか何を考えるにもバイアスがかかることが多くなってしまったように思います。 子どもはある意味、痛快なほど単純で柔軟です。そして、脳も若く発達段階で、恐るべきポテンシャルを秘めています。 それに引き換え大人は、単純というには程遠く脳の動き…
当番ノート 第11期
昔のことを思えば思うほど 今の自分が、 今の自分の嫌なところが見えてしまう。 ずいぶんと幸せになってしまった。 それはもう、女の子に嘘をつかれたり騙されたり突然音信不通になったりされてるけれど 特に死にたいと思うこともなく むしろ生きたくて仕方がない。 僕という人間はどうしようもなく最低なことをしてきたけれど 良い意味でも悪い意味でも誰かの人生を変えるきっかけになってしまえた。 いま 写真が撮りた…
当番ノート 第11期
「俺の生き様を見てくれっ!」で、他人に共感を得てもらうより、生き「てる」様「子」。すなわち、その人が粛々と生きている様子、またはその人のなんでもない日々の営みが共感される方が、素敵だと思う。 誰もが見ていない所で何ができるか。相手あってこその自分基準をどう磨くか。この先の課題です。
当番ノート 第11期
もうすぐ、クリスマスです。 神社へ行き、お寺へ行き、ハロウィンで仮装し、クリスマスを祝い、 というか、クリスマスに託つけてお祭りをたのしみ、2月14日にチョコレートを贈る、 このちゃんぽんな感じは、わたしが好きな日本のチャームポイントの一つです。 その姿はときに軽薄に見えるかもしれないけれど、 どちらの神様が正しいかとか唯一かとか争うわけではないから、平和でいいなと思うのです。 電車の中で寝ていた…
当番ノート 第11期
あらゆる種類の緑をしみ込ませたような森があった 豊かな地表を覆う和毛のような苔は 幾星霜も年輪を重ねてきた木々の幹を優しく包み込んでいた 常に霧がたれ込めていたため その色彩の深さと豊かさとをつぶさに知ることは容易ではなかったが 1年の中で限られた時にだけ 緑の天井のわずかな隙間から漏れ出した日の光が森を照らした 幾度も濾過された柔らかな光と森自身が育んできた柔らかさとが 出会い膨らみを増し 地表…
当番ノート 第11期
ちゃらんぽらんな夜を過ごして その次の夜はひとり落ち込んだりしてさ じゃあやめとけばいいのに 夜と また夜と、夜と夜とがさ 床が回転して つぎつぎ場面がかわるお芝居みたいだよ 夜のコンビニで 無数のチュッパチャップスが刺さった、くるくる回る販促台を見ながら そんなことを考えていた なにかを買いに来たつもりだったけど、 忘れてしまっ…
当番ノート 第11期
1992 眇眇たる世界。豊富な言動。無用の尽力。十分な口述。過去は忘れ、未来は推測にすぎない。 今しか見ないあの人。ただ。目覚まし時計のように鳴き、騒音のように吠える。 ぎりぎりのところで理性は復す。 1997 二番目に暗くて静穏で無愛想なあの人は誰よりも沈黙の主張と独自性を有していた。 私はもっぱら、視野を限りなく狭め、誰にも気付かれないように、観察した。それはただの予想に過ぎなかった。 妄想が…
当番ノート 第11期
初めて泊りがけで登った山は、赤石山脈の光岳だった。 小学校1年、楽しみにしていた初めての終業式を欠席させられ、両親と山仲間に半ば無理やり連れて行かれた格好だ。 夏休み初日は山の中、という思い出深い数日がスタートしたのである。 当時は寸又峡からの林道は崩落しておらず、車でガタゴト揺られながら登山口まで到着した。 そこから、寝袋とおにぎり・水筒を小さなリュックに入れて、長く続く登りを大人たちに混ざって…
当番ノート 第11期
先日、横浜美術館に横山大観展を見にいった。 描かれた葉の紅葉する緑と黄色の間がとても切なく美しかった。 その腐ってしまいそうな刹那がなんだか懐かしかった。 同館のコレクションにダリの絵があった。 ———————————— 初めて持った画集はサルバドール・ダ…
当番ノート 第11期
ボールペン シャープペン 鉛筆 「書ける」という事は同じでも、伝わる印象に大きな違い。 ちょっと動かす 少し動かす 微妙に動かす 「動かし方」一つにしても人それぞれ捉え方のニュアンスや表現は違う。 僕は最後の微妙というのが、その人が持っている「その人自身の集約された感覚」だと思っています。 宿で一番に気を使うものは何か。一番緊張する事は何か? それは、お客さんがお部屋にいる際にドアを「トントン」と…