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Do farmers in the dark(1)

Do farmers in the dark

cover

以前までここアパートメントでボールペンの絵を載せていたのですが、今月から絵を少なめにしました。ひどく退屈な文章などを載せていく予定です。今回の第一回目は主には食べ物と女性の事について書いています。

Do farmers in the darkの意味は「暗いところで農家をやる」という意味です。なんとなく最近そういう気分です。

ではよろしくお願いします!

虫を可愛がっている。僕の耳は大きくなっている。僕に耳なんてあったか。

 

第一回 海辺の町で猿になりそうな事について

 

海辺町の地図編集中

↑海辺町の地図

 

海に面した町の質素な旅館に僕はずっと住んでいる。自分の家が無いんだ。別に貧乏じゃないけど、面倒だから自分の家は無いんだ。

仕事はしていない。でもお金はまあまあ持っているよ。今日もなにもする事は無いなあ。

この町にはポツポツと建物があるけど、僕が入れるような建物は無いんだ。みんな知らない人の建物だよぉ。今は早朝だ。部屋の中が青い。

海辺の旅館

↑朝起きたところのスケッチ・パソコンで加工し青くした

 

本当につまらない町だが晴れている。散歩して時間を潰すんだ。

僕はこの町にずっといるけど、どうしてかこの町の事を知らない。今日初めて引っ越してきたみたいに知らない。僕の気持ちについてもっと詳しく言うと、何度も同じ町に生まれ変わって今日までの記憶を失って何度も今日を過ごしているかのよう。それで明日から死ぬまでの記憶を失ってまた生まれ変わって今日までの記憶を失って今日を過ごしているかのよう。なんでこんな回りくどい言い方をするのか?かっこいいと思ったからだよ。とにかくずっと簡素な旅館に住んでいるはずなのに、この町の記憶は1日分くらいしかないんだ。いったい今まで毎日僕は何をしていたんだろう。

 

何故かもう昼だ。薄暗い朝に起きたのに。僕はどこを散歩してた?朝の事をもう忘れた。

僕は国道に面した工場の敷地内にいた。道を歩いてたら自然に工場の敷地内に入ってしまうような構造なんだ。とても広い駐車場のコンクリートに日差しが反射してる。晴天とコンクリートの組み合わせは正常な人間を気絶しそうにさせる。血の気が引いた時の吐き気さえ感じなければ気絶してもいいなあ。ぼーっとしていると親切な女性従業員が話しかけてきた。看護婦みたいな服を着ている。なんか、なんだか、すごく短いスカートを履いている!網タイツも履いている。さらには割とガタイが良くそして、すごく化粧が濃い。外見から判断するに絶対にいい人だろう。この工場は注射器を作る工場だと教えてくれた。なんでなのか見学までさせてくれた。

工場の中はとても綺麗だった。注射器が沢山あった。透明のビニールの管みたいなのも沢山あった。事務室みたいなのもあった。網タイツをしたスカートの短い看護婦の格好をしている人はあの人一人だけだった。工場の中には平面のような人しか居なかった。みんな働いていた。看護婦のスカートの短い網タイツの人はだいぶん前から居なかった。私は工場を出た。

そして海沿いに出た。非常に小さな海沿いで、僕はこの町は海沿いの町だと思っているけどここしか海が見える場所が無い。

波止場の上で、向こう側にとてもいいレストランが見えた。ランチを食べている人がいる。お腹が減っていた。きっと大きなエビや大きなカニの綺麗な料理が食べれるレストランだ。エビ、カニ、おいしいソース、食べたいなあ。おいしい料理を、食べたいなあ。

でも向こうのレストランに行く方法は分からなかった。波止場には船や橋は無かった。

あのレストランはきっと別の町だが、そこに行く方法が分からない。すごくお腹が減っている。

僕は猿に変容しそうだった。

海のレストラン

↑猿に変容しそうな頃のイメージ(海がうまく描けない)

 

辺りは夜になっていた。夕方はどこに行ったのか。夕方の事は覚えてなかった。

しかし昼から今までずっとお腹が減っていて自分が食べ物屋さんを探している事は把握していた。ずっと歩いているんだ。

ずっと住んでいるのに数軒しか無いと思われる食べ物屋さんもなぜか把握していない。暗い農道にあるそば屋は閉まっていた。民家がポツポツとある。

国道沿いに出て歩いていると、チェーン店ふうのピザ屋があった。お腹が減っていた。他に飲食店は見当たらなかったので入った。なんかハンバーガー屋みたいな感じで、カウンターにメニューがあって注文する感じだった。レジに2人の特に綺麗ではない若い女の店員がいる。2人とも茶色い髪をしていた。お客さんも割といる。ピザ一切れとサラダとドリンクのセットが目に付いた。

お腹が減っていたので、ピザ1切れとサラダとドリンクのセットと、パスタを頼んだら、セットを頼んだらパスタは頼めないと言われた。とてもお腹が減ってるのに。サラダとドリンクはセットでしか注文出来なかった。セットメニューはピザ1切れとサラダとドリンクの一種類しかなかった。飲み物とサラダは諦めて、単品でピザ1切れとパスタを頼んだ。そしたらピザを注文した場合はパスタは注文出来ないと言われた。

僕は猿に変容していた。猿に変容してピザ1切れとサラダとドリンクのセットを注文した。

猿デッサン

↑猿に変容する様子のデッサン。目が長く伸びて垂れている

おかしいなあ!猿になってたはずなのに、大人しく注文するなんて。やっぱり猿にはなれてなかったんだ。だからきっと明日もまたピザ屋でセットを頼んでしまうだろう。僕は早く猿になりたかった。

 

見て頂いてありがとうございました!挿絵をもっとたくさん載せなければならないと思っていたのですがうまくはいきませんでした。女性の挿絵を描こうとしたら全然可愛く描けなかったのでやめました。宣伝になってしまうのですが、今月吉祥寺で絵の展示をするので、興味がある方は是非お越し下さい!

詳細はこちら→http://kizawa.boy.jp/syousai.html

ではまた来月第二水曜日に更新します!よろしくお願いします。

木澤 洋一

木澤 洋一

ふと思いついた事や気持ちいい事や、昼間に倒れてしまいたいような気持ちを絵にしています。

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