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do farmers in the dark(25)

Do farmers in the dark

ワニ(クラァカァダァ〜イル)と、ワニ(ェアリィゲェイタァ〜)と共に移動式のダーティーな瞑想をやる

今回も日記になってしまいました。毎月すみません。今まで10回以上は書いたような事をまた書いてます。ではよろしくお願いします!

※グロテスクな描写や汚い表現があります。すみません

(1)下らない事を言わせないで

今日はとっても晴れており、特にやる事もなく、奥さんと娘と買い物に行った。でも僕は欲しいものなんて何も無かった。あまり働かないからだ。

もっと働けば俄然何か欲しくなるに違いない。でも働かなかった。何年も何年も余りにも思考力を使って無かったため、己の思考力を使うのがしんどくて怖かったからだ。だから何も欲しく無いと思うようになってしまった。

と思いきや、奥さんと娘に、

「ちょっとコーヒー買うから、ちょっとお待ちを」

と言って、一目散に自販機を見つけ缶コーヒーを買った。早速缶コーヒーがめちゃくちゃ欲しかった。なぜならタバコを一服する時に飲むから。タバコだけ吸っても良いのだけど、コーヒーを飲みながら吸うとより良い。きっと気のせいだ。周りの喫煙者で、タバコを吸う際に必ずコーヒーも飲むというような薄汚い人間は一人もいなかった。

かつては数人いたかも知れない。今なぜかいなくなった。僕一人だけだ。さらに缶コーヒーは蓋つきのアルミ缶で、その蓋を開け少し飲んでは締めて、1日かけて蓋つきの缶コーヒーを飲んでいた。下劣な人間のする事だ。さらに喜んで缶コーヒーを買っておきながら、アルミ缶から出るアルミを日々摂取し、もしかしたらそのせいで物忘れが酷くなってるかもしれないという気持ちを胸に抱いていた。

要するに自発的に犬小屋に入り、自発的に首輪をつけられ、オイルサーディンの油の入った缶を大事そうに隠し、いつかそれをパンにつける事を楽しみにしているような人間だ。ほとんど裸で。好きな小説でそのようなキャラクターがいて、何となく自分に似ていると思っていた。

とにかくぼんやり歩いた。よく晴れており、今日も駅前に向かう通りはミニチュアみたいに見えた。何故ミニチュアみたいに見えるんだろう?自分が目に見える風景に何にも関わってないからだ。いつも外側を見るだけ。

奥さんが僕に何か話しかけてくれた。僕は、

「そうやねぇ、ほんとそう思うわぁ」

と言ってた。

道端でお年寄りがお年寄りと会話していた。めちゃくちゃ下らない会話だった。勘違いだったら申し訳ないが、何年も何年も前から、ここ1、2年はさらに、人間が人間にあまりにも下らない会話をさせていると思った。誰かがお年寄りに下らない事を言わせている。お年寄りだけではなく全ての人に下らない事を言わせている。そういうのを早くやめて欲しいと思った。でも僕は?

娘が「オペイティー。」と言った。

僕も「オペイティ~」「オッペイティ」と言った。

娘が、「オペイティオペイティー」

と言った。

僕は「オペイティーってなに?」と笑いながら言った。

娘は「オペイティ~はオペイティでしょうよ~」と言った。

気づいたらプランターに吊るされ植物同様になっていた。私はひどく小さく、正体不明の大きな手が種を蒔いていた。

(2)久しぶりに娘とお出かけ

学校みたいな会社に勤めており、何故か私だけ居残ってた。仕事は終わっているのに!とにかくどんくさいだけだよ。なぜか身支度が遅いんだ。僅に残っていた数人も、みんながみんな、おつかれさまあ~と言って教室みたいな執務室を出て行った。黒板、学校机、机にはパソコンが乗っていた。

私はパソコンをシャットダウンさせ、食べ終わっていたコンビニ弁当(いつ何を食べたのか思い出せない!!)のトレーを捨てていなかったため、席を立ちそれを窓際にあるゴミ箱に捨てていた。トレーの中にタレに絡まった10センチほどはある薄切り肉がひとつ、ボロンと入っていた。

豚バラ肉だ。産地不明のヨレたタレつきの豚バラ肉だ。

肉を燃えるゴミに、トレーを燃えないゴミに分けて捨てた。

捨てる前に私は一瞬、今から私はタレの絡まった肉を手掴みするんだろうか?と疑問に思ったが、その一瞬後には肉をしっかり掴んで捨てており、今はもうゴミ箱に捨て終わっていた。肉に絡まっていたタレは私の手にも絡まった。そして都合よく隣に水道があるので手を洗った。ヨレたタレ付きの薄切り肉をなんで食べなかったかは疑問に思わなかった。

しかしなんてひどい人間なんだろう?ゴミの焼却方法を知らないのに表記通りに分別するなんて!

真っ当な人間だったら、勇敢な真実を探究するあの彼みたいに、ゴミの焼却方法を確かめるためゴミ焼却場に働きに行かなくては!彼はそうした。私は楽ばかりしてそうしなかった。何も考えず言われた通りにやるのは、悪魔的な人間のする行いだ…私はひどい人間…ひどい人間…

目が覚めた。ゴミを分別する夢を見ていたんだ。タレに絡まった薄切り肉(産地不明の)の感触が手に残っていた。なんだか面白かったなと思った。

夢はずっと私に大切なメッセージを発信し続けてくれていると思う。つまり私の脳だとかが私に、

「おまえやばいからちゃんとしろ」

と伝え続けてくれているかのよう。

定番の夢はとにかく根こそぎハゲる事、頭に穴が空く事、ナイフを持って襲いかかって来た誰かの頭に穴を空けてしまう事、空いた穴から液状のどす黒いものがありえないほど出ているのでうろたえる事。ただただ歯が一本残らず折れる事だ。

そういえばあの夢、様々な神々が何かに報復するために軍隊になってその何かに向かっていく夢、軍隊の中、キャタピラ付きの意識のあるクリスタルの巨大な仏像が国道を突進していく姿が見える…キャタピラで。ある意味当然だがクリスタルの仏像は紛れもなく人工物で…

奥さんと娘に、おはよ~!と言った。二人ともいつまで寝てるのという顔をしていて、実際に口に出して、いつまで寝てるの?おはよう、おはようと言われた。朝の9時だった。

私は娘に公園に行かない?と言った。娘は行きたいと言った。桜が咲いている公園に桜を見に行きたかった。

久しぶりに娘と公園に行く。最近仲良く出来てなかったから、なかなか娘とお出かけ出来てなかった。自分は何か他ごとばかりして…なんだか仲が悪くなっていた。態度を変えなければならないかもしれない。いつも無意味な事を喋り続けてるからダメなんだ。誰かを楽しませるような事も言ったためしが無い。

着替えて、敷物やボールやをリュックに入れて娘と家を出た。家から30分か40分くらいのくらいの少し遠い公園だ。

桜は満開だった。

見渡す限りの桜、桜、桜。雲一つない良い天気。とても綺麗で、綺麗だね~。と言った。

でもそれ以上何もできなかったのが残念だった。本当は喜びの踊りをしたり、グルグル回ってみたり、やたらとZIMAばっかり飲んで芝生に倒れたり、やたらに脱いだり脱がなかったりしたかった。どうしても、いつも恥ずかしくて…そういうのが出来なかった。いつもいつもだらしなくブルーシートに座って、ちびちびと何か飲み、たまにウンウン言うだけだった。

公園の切り株の上でおままごとをした。私は気持ちがうまく乗らず、上の空で、おままごとは中途半端にしか出来なかった。その他遊具で遊んだりした後に、近くのコンビニに行って昼ごはんを買った。桜を見に来た人でコンビニは店内いっぱいに列になっていた。本当はおにぎり一つで充分お腹がふくれるんだけど、無意味に唐揚げや漬物やポテトや味付け卵も買った。先ほどおままごとをした切り株の近くに敷物を引いて、娘と一緒に食べた。

ただ乱雑に黙々と食べてしまった。食べ終わった後におにぎりの袋や、唐揚げの容器などを見て、なんだか寂しい気持ちになった。私がいつも適当で楽な事ばっかしてるから寂しい気持ちになるんだ。ゴミをまとめて袋に入れた。

その後少し木に登ってみたり、遊具で遊んでみたりした。そろそろ行こうかとなってとりあえず桜を背景に2人で写真を撮った。写真を見ると、2人とも退屈そうな顔をしていた。日差しで顔をしかめていた。私のチェックシャツのボタンが2つ目まで開いていて、胸がはだけているのがすごく気になった。急いでボタンを閉めた。でもボタンが緩んでいるようで、また今日何度かボタンが外れるんだろうなと思った。

その後、来た道とは違う初めて通る道を歩いて帰った。

帰り道ではいたるところに公園が現れた。

合計4つもの公園に行った。それぞれがそれぞれ微妙に違う公園で、ある公園では主に岩場を歩き、ある公園では砂をいじり、ある公園ではやたらとボールでドリブルし、ある公園では光の中とても沢山の子供達が四方八方走り回り交差し、なんか特殊なエフェクトをかけられた画像を見ているかのようだった。

ボールでドリブルしてる時が一番楽しかった。私と娘は、「イィィーー!」「イィィィー!」と声をあげて楽しんだ。

最後に小道にブランコが2つ設置されている場所があった。とても小さな子がブランコをやりたそうだったので娘は譲ってあげた。娘がもう一つのブランコをやろうとした時、私は急にお腹が痛くなった。こんな大事な時にお腹が痛くなるなんて。娘にトイレに行かせてと懇願して、スーパーの近くにある割と狭くて割と暗いトイレに行かせてもらった。娘は狭くて暗いトイレが怖いようだった。臭いし狭いと言って怖がっていた。

私は、ごめんけどトイレは普通は臭いし、暗いんだと言った。でも娘が普段良く行ってるトイレは違ったんだ。なんとか事を済ませて、お腹は回復した。

お腹が痛くてさっきブランコが出来なかったので、最後にまた1つ、商店街の脇道にある、ブランコと砂場と小さなすべり台が設置されてある公園に寄った。

その公園で私は、娘のブランコを漕ぐ姿を見ながら、ハトのフンが頭に落ちてこないかをしきりに気にしていた。

そしてもうどこにも寄らずに家に帰った。

今日は行く先々でいくつも公園が現れたし、だいぶ長い時間歩いていた。桜を見た時は寂しいと思ったけど、歩くのはかなり楽しかった。今日歩いている道中で、娘は4つもおもしろい話をしてくれた。自分の大好きな種類の話、目的の無い空想の話ばかりだった。1つめは、突然立っている人を見て娘が

「あの人、偽物の人だった」

と言った事。ある意味本当に失礼な話で、聞こえてしまったらすごく謝らないといけないのだけど、なんだか奇妙で面白かった。数日後に私も偽物の父ちゃんと言われた。では本当の父ちゃんはどこにいる?と言ったところ、玄関前踊り場の手すりの近くの空中を指して、ソコニイルンダョゥ~と言ってめちゃくちゃ笑っていた。何という意地悪!

2つ目は、便器の話題になった時だったと思うのだけど、例えば広い原っぱに便器が設置されていて、壁は無く階段のみが便器の隣に設置されており、そこから飛び降りて用を足したらやばいよね~という話をしてくれた。

私は

「何それめちゃくちゃ面白い~!そんな階段から飛んだらさあァ…お尻が、お尻が割れちゃうよねえ!…足も強くないといけないし…しかもそんな原っぱで!すごく、すごく恥ずかしいよねェェェェ!」

と言って笑った。

3つ目は道の角で、着物を来た女の子の写真がうつった大きな看板が目の前に現れた際に、あの女の子はただの輪っかをフラフープだと思い込んでしまったから、宇宙がバラバラになってそれで地球もバラバラになって、という話をしてくれた。本当に怖い話で面白かった。

私は

「そうか。着物の子は輪っかをフラフープだと思ってしまったんだな。」

と言った。

4つ目は、突然娘が

「父ちゃん、首を動かさないで」

と言ってきた事。

私は

「まるで首なんて動かして無いんだけど。父ちゃんはいつも上半身は固定して、さらに音が出ないように足を動かして歩いてるんだけど、動いてた?」

と言った。娘はそれでもずっと首が動いてると言うので、どんなふうに動いてるか教えてよと言ったところ、ありえないほど首を左右に振ってきて

「コンナフウニネェェェェェェェェ!!」

と言ってきた事。私は絶対にありえない!そんなに首が動いてたはず無いじゃん!と言って、面白すぎて私も首をあり得ないほど左右に振った。その後はたまにありえないほど首を振って歩いた。その時の時刻は夕方だった。

赤い格子をはめられた窓を見て毎日過ごすのは嫌だあ
夕方に、浮くフルーツを買って帰る
木澤 洋一

木澤 洋一

ふと思いついた事や気持ちいい事や、昼間に倒れてしまいたいような気持ちを絵にしています。

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