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3F/長期滞在者&more

家日記 2021年2月

長期滞在者

部屋にこもって生活していると、それまでは何気なく見ていた出来事が大きく見える。誰かが居間にいる気配。音や匂い。誰かとご飯を食べることの「特別感」。

外に出れば咲いている花や温かさに敏感になる。

近頃、日記を書くことは写真を撮ることに近いように思う。残しておきたい、忘れたくないという気持ちが私のなかで連綿と続く。

家のなかにいても春の訪れを感じることを覚えておきたい。

2月1日(月)
深夜、お弁当の匂いがする。これはきっと純君だな。

2月2日(火)
れいちゃん、はんてんが欲しいとのこと。確かにこの家は廊下が恐ろしく冷えるので、さっと羽織れるはんてんは便利そう。調べてみたらかなりの種類がある。そして、値段もピンキリでびっくり。高級はんてんが存在していたとは。

2月3日(水)
今井くん、20時までに飲食店が閉まってしまうことをうけて最近は早めの夕食をとることにしているらしい。今日は18時に食べ終えたとのこと。

私は週半ばだというのに疲れてしまい、昴君とピザをとる。デリバリーは偉大だ。

2月4日(木)
数日前に「昴君が中国に発注しているスマートフォンのバッテリーはいつ届くか?」という話題でみんなと盛り上がっていたのだが、なんと本日届いた。旧正月で絶対に後ろ倒しになると踏んでいたのに。昴君のスマートフォンは背面が破損して無いので基盤がむき出しの状態なのを、なんとか使いこなしている。物持ちがいいんだか悪いんだか…。

2月5日(金)
夜、ぐったり。わかってはいたのだけれど、最近眼精疲労がひどい。しかし私の趣味といえば読書や物書き、まとまった時間があったら配信を観て…と目を酷使しまくっている。やはりここは家のみんなが頼る整体師に頼るべきなのだろうか。これまでに4人の住人の体を見ている。

2月6日(土)
タルトタタンを作ろうと思い立ち、フライパンにバターと砂糖を入れてキャラメルにしよう…としたところで、煙がもうもうと出始めて火災報知器を鳴らしてしまった。家にいたれいちゃんと昴君、うるさくしてごめんなさい。タルトタタンは苦くなり、人が食べるのは難しい物体になってしまった。無念。

2月7日(日)
温かくて過ごしやすい日だったせいか、外出していた人たちが多い。帰宅しても家は静か。ここぞとばかりに洗濯槽の洗濯をする。5人がそれぞれのタイミングで洗濯をするので、洗濯機の汚れが溜まるのも早い。

2月8日(月)
純君を見ていると、近所のテイクアウトを上手に使っているなと思う。テイクアウトに加えてヨーグルトとバナナを用意したりしていて、健康的。私は自炊かデリバリーの二択になりがちである。

2月9日(火)
金曜に手巻き寿司をみんなでやろうと話す。手巻き寿司!今までにありそうでなかったイベント。さっそくネタをみんなで選ぶ。今井君は釜揚げしらすと生しらすを買うという、しらす大臣ぶりを発揮。

2月10日(水)
純君、今日はずっと在宅勤務だった様子が、23時頃に「お腹すいた」と疲れた様子。どうやらトラブル対応で夕食を食べ逃していたらしい。なんということだ…。ちゃんと食べてくれ。

2月11日(木)
手巻き寿司大会が迫り、ネタとなる海鮮は買い揃えたと思いきや、海苔や酢飯用のお酢を調達し忘れてたことに気づく。昴君がしっかり買い揃えてくれることに。

2月12日(金)
待望の手巻き寿司大会。まぐろのたたきやしらす、青のりのお味噌汁など大量に用意したらお腹いっぱいに。最後に参戦した純君が凄まじい勢いで食べるのを見て、「育ち盛りの高校生だ」とみんなで言い合う。

2月13日(土)
今井君と純君が日帰りでスキーへ。楽しめたそうで何より。

夜に大きな地震がきてどきどきしながら、部屋を出る。真っ先に気になったのは今井君の部屋。彼の部屋は本や資料で溢れていて、埋もれてしまうに違いないと思ったのだけれど無事の様子。福島が震源地だったと聞いて、胸が痛む。被害が少ないとよいのだけれど。

2月14日(日)
バレンタインということで近所のケーキ屋でケーキを買い、みんなで食べた。デパートは混んでそうという理由から近所の名店に行ったのだけれど、10人以上並んでいてびっくり。考えることはみんな同じか。

2月15日(月)
純君の帰宅が週明けから深夜だ……。

2月16日(火)
れいちゃんが家で仕事するようになった。ようこそ在宅勤務の世界へ。

2月17日(水)
夜、居間で食事していたら、れいちゃんから最近電話占いをしたという話を聞いた。電話占いとは、占い師に電話で占ってもらうのだけれど、タロットだとか、姓名判断を使わずにビシバシと物事を言い当てられるらしい。私も過去に絹江ちゃんに紹介されて占いにいったことがあるのだけれど本当にそういうことができる人が世の中にいるのが不思議である。

2月18日(木)
目が痒いという純君。私も痒い。はやく病院に行かなければ……。

2月19日(金)
れいちゃんが新生活を始める恋人のためにトースターや電子レンジを引っ張り出している。恋人にあげるらしい。そうか、そういう季節なんだなと気付かされる。すっかり季節感のない生活に慣れてしまっている。

2月20日(土)
静かな週末。ここぞとばかりに換気して、掃除。春先に換気するのは心地良い。たとえ花粉が飛んでいても……。

2月21日(日)
純君の目が赤い。私も花粉症なので、辛さがわかる。れいちゃんも花粉症らしいので、空気清浄機の導入を検討してもいいかもしれない。

2月22日(月)
れいちゃん、こたつでぐっすり。起こそうか起こすまいか迷っていたら、いつの間にか部屋に戻っていた。偉い。

2月23日(火)
祝日だというのに午後は仕事をしていたという純君。昴君はバンドの配信でお出かけ。私はここぞとばかりに公園で河津桜を満喫。春である。

2月24日(水)
ふと昔のシェアハウスの写真を発掘。畳の色が違う。今井君も髪型が違うし、部屋の家具も異なるのでついつい見入ってしまう。10年の軌跡を感じる。

2月25日(木)
れいちゃん、純君と居間でご飯タイム。職場でのコミュニケーションのあり方について話す。

2月26日(金)
夕方から体調が悪化して、夜寝てしまう。深夜に軽食を食べようとしたら帰宅した純君と遭遇。一週間お疲れ様でした。

2月27日(土)
静かな週末。人の気配がないので窓を開け、浴室を掃除。人がいないときの掃除は、今のうちにやるぞ!と気合が入る。

2月28日(日)
湯島天神へ。今年は梅まつりはしないと聞いていたのに大賑わいで、梅だけ眺めてさっさと帰る。

浅井 真理子

浅井 真理子

もの書き。
エッセイを書いています。

Reviewed by
黒井 岬

今年の花粉は本当に、めちゃくちゃに暴力的な感じがしませんか‥?何故なんだろう。
私はあまりのしんどさに、今まで以上に外出を自粛しまくっている。
家の中で静かに書き物をしたりするのも悪くはないけれど、運動不足になる一方ですね。

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