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3F/長期滞在者&more

家日記 2018年10月

長期滞在者

カレーを作るときに味見をしながらスパイスを足していくのと同じように、暮らしにも刺激を足すことができるはずだと思う。どんな類の刺激であっても良いわけはなく、それはやはりカレーのように意外性があり、思わず微笑むようなものであってほしい。

最近の私は暮らしにより強い刺激を求めるようになっている。そしてそれだけでなく、より安らかな時間も求めている。

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10月1日(月)
絹江ちゃんがカレーを作っていた。良い匂いが台所から漂う。

10月2日(火)
居間に富山でUターン就職を勧めるパンフレットを見つける。今井君に聞いたところ、どうやら純君が富山で働くことを(本格的にではないけれど)考えているとのこと。Penの雑誌が置いてあったのは、なんと純君の勤め先が特集に入っていたからなのだそうだ。すごい。今井君は多拠点で働いたり住んだりができそうだけれど、私はなかなか難しそうだな、と思う。

昴君が珍しくお菓子作りをしていた。貰い物のほうじ茶ラテの素をゼリーにしてみるという。私は断食の回復食中なので食べられない・・・。

10月3日(水)
早めの夕食を居間でとっていたら今井君と遭遇。私は基本的に夕食を自室まで運んで食べるスタイルなのだけれど、居間で食べるようになってから住人と話すことが増えた。当たり前なのだけれど・・・。
今井君は夜だけれど、これから出版する本の打ち合わせに行ってくるという。大変なのだろうけれど、はたから聞く分には面白そうである。

絹江ちゃんから花瓶を借りて、花を活けた。

10月4日(木)
前の住人で、今は近所に夫婦で住んでいるさゆりちゃんがやってきた。私と同じ断食プログラムをやったことがあるらしい。どうだった?辛かった?なんて話していたら今井君が帰宅。今度イベントで売るのだというカードを台紙に収める作業をしながらお喋りしていたら、ふとどうして日本には寄付文化が根付かないのだろう、という話になる。どうしてだろう?と思いつつも、震災のときに集まった寄付金の額は凄かったことを思い出す。

10月5日(金)
肌寒い。私は今日からしばらく仕事を休むことにした。長めの休暇である。

10月6日(土)
涼しくなってきたしそろそろ燻製でもやろうか、と声をかける。しかしみんな見事に予定が合わない。どこかで強行するしかなさそうである・・・。

10月7日(日)
10月なのにこんなに?と思うほど暑い。純君はこの連休中に妹さんの結婚式に参加するため関西へ。疲れた・・・とつぶやく純君。お疲れ様でした。

昴君も明日は友人の結婚式に参列するため今夜から実家に帰るという。

10月8日(月)
祝日。今日は絹江ちゃんが都内のバーで一日店長を勤める日なのだけれど、私は生憎野球観戦・・・。

10月9日(火)
呆れられるかもしれないが2日連続野球観戦。
燻製は10月27日にやるかもしれないと思っていたら、なんと絹江ちゃんもファスティングをやるのだという。しかも燻製の時期に。残念だが何よりも驚いたのは断食期間が2週間もあることである。2週間!!絹江ちゃんも健康意識が高い。

10月10日(水)
断食が終わり、ようやく通常の食事に戻る。最初の食事は今井君を誘って近所のカレー屋へ。今井君が中国、インドの動向など喋ってくれるので全く退屈しない。彼は一体何者なんだろうと思うくらい知識量が多い。
夜に雨が降り、昴君が濡れて帰ってきた。

10月11日(木)
先日絹江ちゃんが教えてくれたベーカリーカフェへ。美味しい。が、美味しくて食べすぎてしまう。食パンを買って帰った。

10月12日(金)
住人チャットに「昨日居間で寝落ちしたときに布団かけてくれた人ありがとう」と純君からメッセージ。おそらく絹江ちゃんがかけてくれたのではないだろうか。それにしてもそろそろ寝落ちすると風邪をひきそうな季節である。

10月13日(土)
実家に一晩だけ帰ろうと家を出ようとしたところ、絹江ちゃんから恋人ができたと知らされた。嬉しくなってうきうきしながら歩いた。悩んでいた時期を知っているのでなおさら嬉しい。恋人をいつか家に連れてきてくれたらいいのだけれど。燻製など一緒にやりながら飲めたら良いな。

10月14日(日)
久しぶりにマヌケ事故を発生させてしまった。昴君と一緒に出かけたあと、私一人で帰宅しようとしたら家の鍵を持っていなかったことが発覚。あわてて住人チャットに連絡するも近くに住人がいないので外を彷徨う。カフェにでも入って時間を潰そうとしたところ純君に遭遇して事なきを得た。やれやれ・・・。

10月15日(月)
旅行直前になってお米、調理油、醤油がきれそうなことに気付く。お米はネットで注文すれば届くけれど、調理油と醤油は帰宅後の購入になりそう。最近こういううっかりが多い。

10月16日(火)
この日から箱根旅行へ。

10月19日(金)
旅行から帰宅。今井君がメティチキンカレーを食べていて日常を感じる。住人のみんなには鈴廣のかまぼこを買って帰った。

10月20日(土)
居間で朝兼昼ごはんを食べていたら、純君が近くの美味しいベーカリーでパンを買ってきて帰宅。うちの住人は全員あそこのパン屋が好きである。近くに良いパン屋があるだけでその暮らしに満足できる。あわよくば本屋もあってほしいところだけれど・・・。

10月21日(日)
19時近くに帰宅したのに誰もいない。

10月22日(月)
さゆりちゃんが来て居間で仕事をしている。夜ご飯は昴君と私が水炊きを、さゆりちゃんと今井君がカレーを食べる。

お風呂上がりに今井君が執筆中の本の原稿を見せてもらった。来年の1月出版予定とのこと。読み応えがあり、色々と解説もしてもらえた。

10月23日(火)
23時になっても誰かが帰宅した気配を感じない。そしてここ数日で一番の寒さを感じる。こたつを出すのはまだ早いだろうか・・・。明日の最高気温は20℃を超えるらしい。寒暖差を感じる。

10月24日(水)
新しいフライパンが届いた。早速昴君が使ったところ、焦げ付きもなく使い心地抜群。

風邪をひいてしまい、ほとんど眠って過ごす。

10月25日(木)
今井君に「体重計貸して!」と言われる。何事かと思いきや、明日から乗るLCCの荷物制限に引っかからないか確かめるとのこと。制限は5キロ。パソコンと本、カメラを合わせたら到達しそうな制限である。

10月26日(金)
大きなダンボールが2つ、昴君宛に届く。実家からの差し入れらしいのだけれど、純米大吟醸、ラ・フランス、お菓子、お茶漬けの素、調味料・・・と内容が豪華。早速お菓子をおすそ分けしてもらった。小鏡せんべいという、クリームのないゴーフレットのようなお菓子である。素朴な甘さが美味しい。

10月27日(土)
純君がマラソンに出かけるという。どこまで走るの?と聞くと、驚くほど遠くまで走るとのこと。来月頭にフルマラソンに参加するので、準備が必要・・・とはいえ、仕事終わりに走りに行けるなんて、さすが純君である。

10月28日(日)
絹江ちゃんが恋人を連れてきた。優しそう。そして真面目そう。そわそわしてしまうのでさっさと部屋に戻った。今度は落ち着いて会いたい。

10月29日(月)
家で仕事する日。フリーランスの昴君は朝まで飲んでたので部屋で寝てるし、今井君は旅行中なので家の中は静か。

10月30日(火)
今井君と純君の友人と純君でおしゃべりしていたら深夜に。純君が旅行の2週間前にチケットをとっていたなんて珍しいね、と話し合う。純君は大抵、驚くほど直前にチケットを取る傾向がある。

10月31日(水)
週末に庭で燻製をやるので、メンバーとメニューについて計画中。今井君はゆで卵、絹江ちゃんはチーズが苦手なので考慮する必要がある。我が家の燻製は、まず燻製用のダンボールを用意し、その中に網を設置して食べ物を燻す。燻すのはだいたい1時間くらい。今回はバナナを燻製してみようかと企んでいる。

浅井 真理子

浅井 真理子

もの書き。
エッセイを書いています。

Reviewed by
黒井 岬

「昨日居間で寝落ちしたときに布団かけてくれた人ありがとう(どなたか分からないけど)」という出来事と言葉がなんだか良いな、と思って微笑ましい。
実は私(レビュアー)も、少し前から友人とルームシェアを始めた。些細なことからのっぴきならない重大なことまで、私もよく同居人に助けられている。一人暮らしに戻る時きっと寂しいだろうな、とふと思う。

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