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3F/長期滞在者&more

家日記 2019年2月

長期滞在者

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一人暮らしをしていた頃、インフルエンザにかかったことがあった。コンビニで大量の食糧を買い込んだので、薬を貰ったあとは特に困ることもなかった。ただ、一人でなんとかしてしまえるということは、それはそれで孤独なのかもしれないとも思った。

もちろん、誰かと暮らしているからといって、全く孤独ではないということではないのだけれど。

温かい雨が降るようになり、少しずつ物事の流れが変わっていくのを感じる。絹江ちゃんが入籍し(これについてはとてもここでは語り尽くせないので、いつかきちんと書くこととする)、純君は自分のキャリアについて色々と考えはじめ、今井君も昴君も大変そうではあるけれど充実した日々を送っているみたい。私といえば、今月は寝込んでいることが多くて、ちょっと情けなかった。

2月1日(金)
具合が悪くて夕方に起床。少し過労のような気もする。この家の住人は今のところ元気そう。今井君は夕方から外出して深夜帰宅。純君は帰宅してからうどんを茹でていた。昴君は近所で髪を切ってきた。この家から駅までおよそ4軒程散髪屋があるのだけれど、供給過多のような気がする。しかしどこも潰れずにきちんと営業している・・・。

2月2日(土)
今井君は最近執筆が佳境らしい。長年一緒に住んでわかっていることなのだけれど、彼はちょっとやそっとのことじゃ腹を立てないのだが、今回の執筆は色々と思うことがあるらしく大変そうだ。とにかく、もし今後本を出すときに困ったことが起きたら今井君を頼りにしていいとのこと。心強い。

2月3日(日)
久しぶりにパウンドケーキを焼く。ケーキは一晩寝かせて食べるのが良いのだけれど、今井君と昴君に味見してもらった。焼き加減はちょうど良い感じ。

2月4日(月)
ガス会社を変えてみようかと提案。今の料金よりも少しだけ安くなるかもしれない。それにしてもやはり1年を通じて最も光熱費が高くなるのは、冬。

2月5日(火)
身体がだるい、と言ったら昴君が「インフルエンザですね」と即断。それを聞いた今井君はすかさず「ヤブ医者ですね・・・」と返していたが、果たして。インフルエンザじゃないといいな・・・。

2月6日(水)
インフルエンザではなさそうだけれど、やはり元気ではない。
家が静かだな、と思っていたら私が起きている間に全員帰宅。「今全員家にいるな」という感覚はなんとも説明し難い。

2月7日(木)
台所から良い匂いがするなと思っていたら、絹江ちゃんが鶏肉とアスパラを炒めていた。春だ。昴君もデパ地下で安売りされていた野菜をたくさん買ってきて楽しそう。

2月8日(金)
髪を切って帰ったら、今井君も髪を切った日だったらしく二人揃ってさっぱり。

2月9日(土)
今日は今井君の友人が遊びに来る日で、居間は随分と長い間賑やかだった。しかしそんな賑やかな声を聞きながらぐっすり昼寝してしまった私・・・。

2月10日(日)
純君に「大統領の調理人」という映画をおすすめしたところ「すごく良かった!」と言ってもらえてよかった。ついでにパウンドケーキについても「お店に売ってるやつみたい!」と褒めてもらい、なんだか今日は嬉しい日。純君はとにかく褒めるのが上手なので私は簡単に有頂天になる。

2月11日(月)
お昼時に純君と台所で遭遇。めずらしくカップ麺を食べていた。普段は食べないけれど久しぶりに食べたらその進化に驚いた!とのこと。そういえば私も随分長い間カップ麺を食べてない・・・。
夜ご飯に作ったトマトとネギとツナの炊き込みご飯を昴君におすそ分けした。

2月12日(火)
めずらしく餃子を作って昴君と食べた。餃子を焼くときに水を入れるのが怖くて億劫がっていたら、昴君がそつなくこなしてくれた。甘えてばかりでは成長できない。次回はちゃんとやらなければ。

2月13日(水)
バレンタインを控えているので色々と準備。最近のシェアハウスでのバレンタインは、女性から男性へ、という形式はなく、みんなに差し入れして美味しく食べようというスタンス。

2月14日(木)
バレンタインデー。私からは老舗洋菓子店のレーズンサンドをプレゼント。絹江ちゃんはラスクを買ってきてくれた。交友関係の広い今井君もばっちりと色々貰っていて、居間のこたつの上が美味しそうなものでいっぱい。

昴君は夕方目覚めたらしく、夜の7時に朝食。さすがにこれは最遅記録かもしれない。

2月15日(金)
ひどい風邪。喉が痛くて熱が出る。
さゆりちゃんが遊びにきたのにほとんど喋れなかった。

2月16日(土)
めずらしく絹江ちゃん、純君、昴君、私が居間に揃う。色々と話していたいのだけれど、風邪を移してはいけないと思い早々に退散。

2月17日(日)
ほとんど誰も家にいない日。一番最初に帰ってきたのは純君。随分静かなのでこたつで寝落ちフラグかな・・・と思いきや、ちゃんと起き上がって部屋に帰っていった。えらい。

2月18日(月)
喉の調子がほとんど戻らず、住人と接触するのも一苦労。なるべくマスクをして小声で喋る。

2月19日(火)
引き続き声が出ない。辛い・・・。今井君が福岡まで旅に出た。いいなあ。

2月20日(水)
寝たきりで過ごす。夜になってようやく動き始める。昴君が白菜と豚肉の煮込み料理を作ってくれたのでありがたくいただいた。疲れた体に染みる。

2月21日(木)
昴君が夜外出し、飲むヨーグルトを私のために買って帰ってきてくれたのだけど、どうやら酷く酔っ払っている様子で顔面蒼白。飲むヨーグルトの1本は昴君にあげた。

2月22日(金)
喋ると咳が出る程度になってきた。これでも回復してきている方だ。昴君は案の定二日酔い。どうして人間は悪酔いするとわかっていながら飲んでしまうのか?

2月23日(土)
深夜に純君が帰宅。しかし部屋のドアは半開きで、物音も聞こえてこない。これは自室寝落ちの模様。静かである。

2月24日(日)
今井君はまだ旅先、他のみんなも外出していて家は静か。私は問題なく動けるのだけれど、喋ると咳き込むので大人しく家事などをする。深夜になった今、めずらしく純君が帰宅していない。日曜の夜は大抵家にいるのだけれど。財布をなくしたりしていないといいな・・・。

2月25日(月)
今井君が帰ってきた!夜、全員が家にいる。お土産はいちご大福。すごく美味しそう。
友人から終電を逃したと聞き、一時泊めるかどうか話し合った。結果、終バスを捕まえられたそうなのでよかった。この家はこんなふうに時々誰かの避難所候補になる。

2月26日(火)
今井君が買ってきてくれたいちご大福があまりにも美味しすぎて絶賛。如水庵という店のいちご大福らしい。季節限定とのこと。今井君はネットで注文できることを知り、再発注を検討しているらしい。

2月27日(水)
めずらしく帰宅した直後そのまま横になってしまう。風邪は治ったのだけれど咳だけ残ってしまった。そして咳をすると体力が消耗する。家に誰がいるのかもわからない。深夜、昴君とすれ違い、仕事中だと言っていた。片手にはこの家で漬けた梅酒が。捗るのだろうか。

2月28日(木)
ちょっとおかしな料理に挑戦。バナナライスという料理なのだけれど、これについては自分のウェブサイトで書くとして、住人の誰かに味見してもらおうと思ったのに誰もいない。みんな勘が鋭いのだろうか・・・。

浅井 真理子

浅井 真理子

もの書き。
エッセイを書いています。

Reviewed by
黒井 岬

色んな人の日々の波を、それぞれ乗りこなしたり潜ったりしているのを近くで見ていると、自分の状況をちゃんと顧みるきっかけにもなる。比べて焦る気持ちになることもあるけれど、たまに減速したり寄り道する時間はきっと誰にも必要なのだ。

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