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3F/長期滞在者&more

感覚のゆりかごで夢見る知覚の思いこみと現実の間において私たちは

長期滞在者

日日 
さめてゆめみる

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夢は幻覚であり
白日夢は妄想
蜃気楼は光の屈折現象
物語は空洞で
共有されない記憶域はすべからく錯覚で

あるのだろうか

依怙贔屓された視覚におんぶにだっこ
ないものねだりの聴覚に平行覚はお手上げ
怠慢な体性感覚に直情的な内臓感覚

統合と乖離をくりかえし

過ぎる よぎる
湧き上がる わきあがる
穿つ うがつ
翳る かげる
煌めく きらめく

導きだされる幾つかの世界を行き来して選ぶこと
無感覚な間で身体を休めること
掴みなおして離さないこと

無くなったのではなく見えなくなったのだ

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泳いでいたのか
飛んでいたのか

軌跡を遡ってごらん

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一劫臆劫の時を経て
鳥と魚が交尾する

古林 希望

古林 希望

絵描き

私が作品を制作するあたって 
もっとも意識しているのは「重なり」の作業です。

鉛筆で点を打ったモノクロの世界、意識と無意識の間で滲み 撥ね 広がっていく色彩の世界、破いて捲った和紙の穴が膨らみ交差する世界、上辺を金色の連なりが交差し 漂う それぞれテクスチャの違う世界が表からも裏からも幾重にも重なり、層となり、ひとつの作品を形作っています。

私たちはみんな同じひとつの人間という「もの」であるにすぎず、表面から見えるものはさほどの違いはありません。
「個」の存在に導くのは 私たちひとりひとりが経験してきた数え切れない「こと」を「あいだ」がつなぎ 内包し 重なりあうことで「個」の存在が導かれるのだと思います。

私の作品は一本の木のようなものです。
ただし木の幹の太さや 生い茂る緑 そこに集う鳥たちを見てほしいのではありません。その木の年輪を、木の内側の重なりを感じて欲しいのです。

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