入居者名・記事名・タグで
検索できます。

3F/長期滞在者&more

ともすれば、みな、とりどりにこそありしかども

長期滞在者

焦がれるほどに待ち望んだものなのに
手にいれたとたん「こんなはずはない」と疑ってしまうのはなぜだろう

1-horz

ただ、素直に受け容れればよいことを「こわい」と感じてしまう

こんなはずじゃあない
もっと何か試練がやってくるのに気づいていないのではないか
乗り越えるべき壁が見えていないのではないか
また中途半端に見失ってしまうのではないか

2-horz

心のずっと深いところに湧き出して満ち満ちてくる気持ちにいつも無理矢理穴を穿った

14

きっとあれはわたしが手にいれるべきことではないのだ、と思いこみ言い聞かせてきた(うそだ)
やっぱりねこれはしかたがないことだからと笑いに変えて言い訳も繰り返してきた(らくになりたい)

6-horz

でも違ったのかもしれない

6

ふさわしいとかふさわしくないとかばかばかしい
何がしたかったのだろうか
何で見られまいとしていたのか
何を気負っていたのだろうか
とんだ裸の王様

自意識で固めた橋なんて叩き壊して泳いでしまえばいい

4-horz

なんだ私、ちゃんと泳ぎ方を知っているじゃあないか
はだかんぼってらっくちんだ

それに飛べるかもしれない

12

自分の中に境界を作っているのは自分だってこと
守ることだって破ることだって自由だってこと

3-horz

そのひとのはっしたそのことばをしんじる
そのことばをはっしたそのひとをしんじる
そのひとはしんじるがそのことばはしんじられない
そのことばはしんじるがそのひとはしんじられない
そのひとのはっしたそのことばがしんじられない
そのことばをはっしたそのひとがしんじられない

9

偶然は存在しないのか
幸運は降ってくるものではなく手に入れるものなのか
当たり前ってどういう権利なのか
祈るという行為を心地悪く思うことは歪んでいるのか
愛おしむことと愛でることの違いはなにか
ありもしないこととないことはおなじ意味なのか
我思えど故に我在らざることにはならないのか

太陽質量程度のブラックホールが蒸発するまでの時間はおよそ千不可思議年

ともすれば、みな、とりどりにこそありしかども
とっぷりまるっと、すべからくわたくしの奔放な欠片なりけり

あゝ いとをかし。

古林 希望

古林 希望

絵描き

私が作品を制作するあたって 
もっとも意識しているのは「重なり」の作業です。

鉛筆で点を打ったモノクロの世界、意識と無意識の間で滲み 撥ね 広がっていく色彩の世界、破いて捲った和紙の穴が膨らみ交差する世界、上辺を金色の連なりが交差し 漂う それぞれテクスチャの違う世界が表からも裏からも幾重にも重なり、層となり、ひとつの作品を形作っています。

私たちはみんな同じひとつの人間という「もの」であるにすぎず、表面から見えるものはさほどの違いはありません。
「個」の存在に導くのは 私たちひとりひとりが経験してきた数え切れない「こと」を「あいだ」がつなぎ 内包し 重なりあうことで「個」の存在が導かれるのだと思います。

私の作品は一本の木のようなものです。
ただし木の幹の太さや 生い茂る緑 そこに集う鳥たちを見てほしいのではありません。その木の年輪を、木の内側の重なりを感じて欲しいのです。

トップへ戻る トップへ戻る トップへ戻る