お直しカフェ
今も覚えている、幼い頃の一番最初の記憶は何だろうか。3つ下の弟がまだいない頃だから2歳とちょっとか、マンションの4階に住んでいて、夜になるといつも寝室とリビングの境の壁に母と一緒にもたれて本を読んでもらっていた。ある夜その壁の近くで、何だったか、私はとても叱られていて、でも一連のやりとりの最後に、「だけど、物を大事にするのはいいことだから、そこは偉かったよ」というようなことを言われた。何だったか、…
長期滞在者
10月最後の週末、ヨーロッパが冬時間になった。 日本との時差は7時間から8時間に戻った。 毎年のことなのだけど、ついに来たか、と言う感じ。 ここから約半年はどれだけ多く陽の光を浴びられるか、 ビタミンDを摂取し続けられるか、 体調を管理しながら気力を保持し続けられるか、 心楽しくいられるようなことを考え続けられるか。 ここ数年は冬時間に戻る度にそういったことを 工夫し続けるのが恒例になっている。 …
長期滞在者
「1億出資したいから、5分以内に返事くれへんか」 2週間ドバイに出張してきた。 ドバイは自国民(通称:エミラティ)が10%しかおらず、大多数が海外からの労働者。 若い男性が占める割合がとにかく高いいびつな人口構造で、街を歩いていてもそれを感じる。 そして、次々に高層ビルが建てられる環境下で暮らしてきたエミラティにとって、”成長”は当たり前。現状維持なんて、貯金…
長期滞在者
UNHCRを通して難民支援を始めてから、毎年秋のこの時期は、難民をテーマにした映画祭に参加している。 最初は観客の一人として映画を観に行っていたが、ここ数年は会場での司会、上映後トークイベントの司会に加え、 字幕翻訳者のみなさんや、映画祭を応援してくれている著名人のインタビュー記事の執筆など、 映画祭と長い時間を密接に過ごしている。 これまで13年間行われていた「UNHCR 難民映画祭」は、今年は…
長期滞在者
一眼レフというものをはじめて触ったのは高校生の頃である。 僕は演劇部に所属していて、その舞台写真を写真部の友人にお願いした。そのときにその友人のカメラをちょっと触らせてもらったのである。それまでカメラに何の興味もなかったから、一眼レフカメラとは何ぞやということも知らずにファインダーを覗いた。 万華鏡のようだった。 たまたまその友人のカメラのピントがそのとき至近距離になっていて、普通に覗くとファイン…
長期滞在者
少し前に福岡のホテルフェアに参加してきました。ホテルのワンフロアーを貸し切りにして、ひとつひとつの客室に各地から集まってきたギャラリーがそれぞれの部屋の中で自分たちの扱っている作品を展示します。お客様にとっては、一度に沢山のギャラリーを回ることができますので、アートには関心があっても、どこのギャラリーに行けば良いのか全然わからない人でも、このイベントに来れば、一度に沢山のギャラリーと作品に出会うこ…
Mais ou Menos
Pちゃん 気がつけば、もう10月。2019年も、もうあと2ヶ月ちょっとか…。冷静になると、時間のはやさに腰を抜かしそうになる。 10月に入って、Pの心身の体調が乱れてきたのが心配です。冬が苦手だから、仕方ないとは思いつつ、つらそうにしているのを見ていると、心が張り裂けそうになります。でも、つらいなりに、生活リズムを整えるために、いろいろ考えて対策していることを知って、すこし安心した。苦手な季節って…
それをエンジェルと呼んだ、彼女たち。
今まで知らなかった国に友だちができた途端、そこは自分にとって「友だちが暮らす場所」になる。その変化が自分のなかで起こる度に世界中にいろんな国があって、いろんな文化があって、違いがあることや共通点が見つかることは素晴らしいことだと感じる。 同時にニュースで聞き流していた悲惨さが現実であることも、また全くニュースとは異なることも知ることになる。知ることは素敵なことばかりではないけれど、それでも友達が暮…
長期滞在者
絹江ちゃんについて話そう。 絹江ちゃんはいわゆる大手企業で働くバリキャリウーマン。仕事ができるだけではなく、話すと独特の目線で愛のムチを叩いたり、誰も想像できないような鋭い切り返しをしたり。しみじみ、この家に住まなかったら出会わなかったタイプの女性だろうな、と思う。 彼女とは25歳の頃から数えて約7年(!!)も住んでいたわけで、よく恋愛の相談に乗ってもらっていた。25歳からの恋愛といえば、もう10…
Do farmers in the dark
表題:逆さ吊りになった友人と話す居心地の悪さよ。どうにか正位置に戻してあげたいけど、私には無理だ。私も、後ろになんかゴツいものがあって、それが後頭部にいつ叩き込まれるか心配なので。 こんばんは!今回は、前に途中になってた漫画を描こうと思ったのですが、脳が諦めてしまい描くことが出来ず、4コマみたいな漫画だったら描けるかなと思いまして、精一杯やれるだけ描いたのですが酷いありさまでした。そ…
お直しカフェ
上京して大学生活を送っていた2000年代、東京はカフェブームだった。オーナーの趣味がライトに凝縮された空間。壁にかかる額装された海外のポスター、ちょっとこだわりの椅子(イームズチェア)、ふわふわのカフェラテ、ふわふわトロトロのオムライス。三角のサンドイッチを出すのが喫茶店で、バケットに挟んだサラミサンドを出すのがカフェ。私のダイスキなカフェ。そういう会話を友人達と大真面目にした記憶がある。19、2…
長期滞在者
2週間前、実家の神戸に帰省していた時、使い古されたメモ帳が部屋から出てきた。 いつのメモ帳やろうかとページを開くと、10年前に海外に初めて一人旅したときの日記だった。 読み始めてみると意外と面白い。 当時の、浮かれてることを気付かないほど浮かれてた姿が思い浮かぶ。 生意気なこと、お門違いなこと言ってる箇所も多々あるが、あくまで自分の記録用として書いてたのでご了承くださいませ。 誤字脱字、意味不明箇…