長期滞在者
この二週間で立て続けに3度渋谷に行きました。 今のぼくは殆ど渋谷の街に用事も関心もなく、滅多に訪れることのない場所になってしまいましたが、かつてはよく渋谷の街を歩いていました。銀座線のホームから東急百貨店のエスカレーターで地上に降り、そのままセンター街を雑踏を避けるようにアミダクジ状に移動しながら、スペイン坂を登り、パルコギャラリーで展覧会を観る、あるいは東急ハンズでちょっとした展示のための細かな…
Mais ou Menos
_______________ 2015.4.6(月) まちゃんへ 今、ここ数年なかったものすごく晴れやかな気持ちでいます。まるで憑き物が落ちたかのような感じです。私の肌が綺麗になり、垂れ下がった頬の皮膚は張りを取り戻し、笑顔になり、生きる血が通っています。今まで自分がしがみついていたものから手を離し、自分が楽になれるような生き方がしたいです。今、この歳になってみて、子どもの頃からの苦しみや呪縛か…
長期滞在者
今月は、量子力学のお話です。 量子力学は、知れば知るほど理不尽で、つかみどころがありません。 その、もやもやとした納得のいかなさを、少しだけでも共有できたら、という試みです。 しばらくお付き合いくださいませ。 義務教育で習う「力学」は、すべて「古典力学」です。 ニュートンの発見した単純明快な法則、慣性の法則、作用反作用の法則、万有引力などによって、様々なものの動きを説明できます。どの方向に、どのく…
Slow times
前回の続きです。 建物に近づいて行って、窓の中を覗いたところ。 さて、次回は誰かに会えるのでしょうか。 どうでしょうか。
the power sink
こんばんは。今回も、意味のない絵を載せると言いたいところだけど、今回は無意味な感じのする絵は1枚も描けませんでした。本当に残念な気持ちです。最近描いた絵(丸みを帯びた人間の顔と体)を載せます。 ではよろしくお願いします! 顔と体達、丸みを帯びた形↓ 今回は1枚ごとにタイトルも無く、何度か見てくださっている方がどう感じるのか少し心配ですが、見て頂いてありがとうございました!次回また第二水曜に更新しま…
幻覚にカーテンコール
ii 永久糖度 これが夢ではないことは、制服の袖から出た腕が知っている。 摂氏零度をはるかに下回る空気に晒され、細かな霜が降りてレースのが縫い付けられたようになっているプリーツスカートの裾を見て、寝ている間に汗をかいていた事を知った。 見回すと辺りは真っ暗で、街灯なども見当たらず、オーロラと月明かりを一面の雪が反射して仄かに足下が白く光っているだけだった。 私が思う通り、ここは本当に南極な…
長期滞在者
月に10日(80時間)作陶する契約で通っている仕事場が、 電車とバスで行くと2時間以上かかるので、 道具やら何やら担いで行くのも億劫過ぎという理由で、 やっと車をゲットした。自動4輪初所有。 通勤のこともあるが、陶芸をやっていると、 土を買ったりできた作品を運んだりするのに どうしたって車があったほうが便利だ。 というか、陶芸家で車を持っていないなんていうのは、 ほぼありえないことのような気がする…
長期滞在者
焦がれるほどに待ち望んだものなのに 手にいれたとたん「こんなはずはない」と疑ってしまうのはなぜだろう ただ、素直に受け容れればよいことを「こわい」と感じてしまう こんなはずじゃあない もっと何か試練がやってくるのに気づいていないのではないか 乗り越えるべき壁が見えていないのではないか また中途半端に見失ってしまうのではないか 心のずっと深いところに湧き出して満ち満ちてくる気持ちにいつも無理矢理穴を…
はてなを浮かべる
あらゆることを強調すべきなのか? 頭の中の霧で迷子になっている? こんな風に見えていたの? さっぱりと笑うその地盤は 必死でかき集めたものだったりする? 建設的なことを言わないから馬鹿にされる? 内側には入れてくれない予感がするよね? 芽吹いてくる小さきも…
長期滞在者
本屋を開いたんだ。本は新聞みたいなもんだ。読んだらその時のことを思い出せる。そして骨董屋も始めた。何年もの間大切にされた古いものには、お話があふれている。持っていた人みんなの日記だ。わしにとっても大切なものだ。 『マッチ箱日記』より 私はものをため込むタイプの人間だ。保育園の時の絵、5歳の誕生日に友達からもらった小さな箱、小学生の時友達と公園で集めた桜の花びらを瓶に詰めたと思われるもの、通信表はも…
長期滞在者
わたしはとても単純だから、春の気配がし始めるとなぜがそわそわする。大した理由なんてないけれど、春がくる、たったそれだけで気持ちが色めき立つ。恋し始めの少年みたいな、照れくさくて、思わず小石を蹴りたくなるような、洋服の裾をもじもじと直すような。 春は何かと変化が多い。聴く音楽も変わるし、食べたいもの、出かけたい場所、やりたいこともどんどん変わる。親元を離れたのも春だし、パートナーとの出会いも春、…
長期滞在者
暖かくなって、男の子達が、久しぶりに神社の裏手で話し込んでいる。小さな神社の裏に、小さな茶色いベンチが置いてあって、彼らはそこで尽きない話をしている。大体三人ときどき二人、親には聴かれたくない本音の話しのようである。きょうは、おれら二人とも酔っ払ってしまうと、どちらも止めることができないやろなどと、お酒を飲んだ時の危機について話し合っている。ここ二年ぐらい、夕ぐれまでの時間にやって来て、だらだらと…