当番ノート 第61期
今回はフィクションだと思ってお読み下さい。自分でも信じられないことも多く、まとめた事がない話をしてみます。 きっかけは、数年前の夏でした。 我が家での変な現象もスパートをかけるように日に五回六回と回数を増やしており、それを毎日のように配信で「今日はこんなことがあって〜」としゃべくり倒していた頃。とある人から連絡を頂きました。 お世話になっている酒場の先輩からの連絡で、その先輩が「オオタケさんに伝え…
当番ノート 第61期
チルな姿をマッチングアプリで設定してるやつはろくでもない。これは経験から形成された偏見だが、映えを狙ってSNSに投稿こそしないもののシーシャに行くのはめちゃくちゃ好きだ。いわゆる水タバコというもので、コロナ前は友人が働く専門店に結構な頻度で通っていた。 コロナ禍に突入してからは、感染者数を見ながらペースを減らし、おそるおそる行ったり諦めたりしていた。シーシャ屋ではマスクをしている人はいない。当たり…
長期滞在者
まずは修行僧2月分から何枚か。 ・・・・・・ 四六時中カメラを持って写真を撮る人間であるから、僕はそういう部分ではマメな性格であるといえる。写真というのは撮るばかりではなく、選び、編むことに膨大な時間を要する。マメでないとできない。けれども、それと相殺するように、僕は不精な部分はかなり不精で済ますことが多い。 僕と同じ職場の人は僕が年がら年中同じスタンドカラーの黒シャツを着ていることを知っている。…
当番ノート 第61期
わたしが電話で友人に怪談を話していると必ず言われるのが「あなたが怖い話し始めてから、バン、と壁を叩く音がする」という事です。のめり込んで話し続けてしまう事もしばしば、話を聞き終えた友人は口を揃えて 「話も怖いけど、それより壁を叩く音がバンバンバンバンと激しくなってる今が一番怖い」 と言います。今、バンバンって音、聞こえてないですよね? こんばんは、オオタケです。今日は聞かせていただいた「アパートメ…
当番ノート 第61期
元来、怠惰な性質を持った人間だということに気付きつつある。病前性格を考えても、勤勉さからは程遠いようなサボり魔だったのに、私は自分のことをできるやつだと思っていたらしい。実際、躁状態にはキマってしまうのでなんでも軽くこなせる。サボった分を爆上がりの一時的なエネルギーによって補ってきた人生だった。 しかし、躁状態をコントロールすることを覚え、高揚感に身を任せることがなくなった今、一夜漬けによって定期…
当番ノート 第61期
我が家の同居人、妖怪カワウソの話の続きです。カワウソちゃん二回目の登場は、「怖いな」と思う体験でした。 とある夜。まだ22時前に、夫がリビングでうとうと寝始めました。平日ど真ん中だし、23時ごろになったら起こして寝室に移動させよう、そう思ってそのままスヤスヤ寝ている夫を眺めながら家事をしていました。 22時半、夫が自分から目を覚ましました。「ん〜…ごめん俺、話してる途中で寝てもうたな、ごめんな〜」…
Do farmers in the dark
今回は小説が書きたくて、平和な世界でピッケル型固形コニャックが当面のあいだずっと手に入り続けている世にも幸運な男のファンタジーを書きました。読む人に徒労と退屈をすごく与える文章になっています。ではよろしくお願いします! セルジィ、ある一日 おい、セルジィをとってくれ。セルジィを!(セルジィ=ピッケル型固形コニャックの事) 今日もまたバッポスの旦那は妻のベルンパスに言った。 バッポスは禿げて太った、…
当番ノート 第61期
ボディポジティブやルッキズムに関心が高い人と関わっていることが多い。一方、昨今の私はそんな美徳をかなぐり捨てていて、太っていておしゃれではない自分を否定も肯定もできないという曖昧な立場にいる。 本当は、ボディラインを強調したり鎖骨とかカリっとした膝小僧とか出したりしたい。しかし今の私は贅肉が多すぎる体型で、チープでカジュアルな服ばかり着ている反動と、まだ若い女枠で居続けたいというあがきがもたらした…
当番ノート 第61期
わたしが初めてこの新居での「ふしぎな現象」として思い当たったのは、本当に微かな、微かな違和感だった。 部屋を掃除したり、食器を洗ったり、洗濯物を干したり、携帯を触ったり、漫画を読んだり。そんな作業をしている最中、自分の意識とは全く関係なく「五十音」が口から溢れる。掃除をしてる途中に「ぱ」とか、携帯を触っているときに「む」とか。そんな一音だけが無意識に口から出ている。なんて変な癖が付いてしまったんだ…
当番ノート 第61期
晴耕雨読な日常を欲している。今の興味は数学と英語の勉強と、農業に注がれている。新鮮さと驚きを持ってこの変化を楽しんでいる。 ゴリゴリの私立文系脳だったので、理数系から逃げられるだけ逃げて生きてきた。因数分解、二次関数からしてきつかった。高校数学の範囲になると言わずもがな、授業は黒板を見つめてノートに書き写す作業となった。数学を取らなくてよくなった時には教室のゴミ箱に教科書を捨てるという奇行に出るほ…
長期滞在者
「なんでそんな危ない国に行くの?」「そんなことをして何になるというの?」 私がUNHCRを通して難民支援活動を始めてから、何度も言われてきた言葉だ。「難民? なんだか難しそうでよくわからない。」「遠い国のことを心配するより、自分の国のことでしょう?」そのたびに、丁寧に今世界で何が起きているかということを伝えてきた。 もっと関心を持って欲しい、知って欲しいとずっと思って、私は今日まで15年近く活動を…
長期滞在者
かま・ける【▽感ける】 の解説[動カ下一][文]かま・く[カ下二] あることに気を取られて、他のことをなおざりにする。「遊びに―・けて勉強がおろそかになる」 休みにかまけて、小田原に遊びに来た。 車が運転できないので、駅から諸々徒歩で回れる小田原は何不自由無く過ごせる観光地だ。 駅を降りたって小田原城の方に歩いていく。前回来た時にはまだオープンしていなかった小田原市観光交流センターの中に入っている…