長期滞在者
4月です。まずは前回の記事の訂正から。 ダミアン・ジャレの経歴をさらっと紹介したときに、 彼がP.A.R.T.S.と言うコンテンポラリーダンスの学校出身、 と書きましたが、違いました。 ぼくがローザスというカンパニーで仕事していたちょうどその頃、 ダミアンはP.A.R.T.S.の学生と交流があったり、 その周辺での企画に関わったりしていた頃に顔を合わせていたので、 ぼくが勘違いしていたようです。 …
当番ノート 第26期
指先から光がはいってきて もう冷たくなかったとき 手のひらで背中をあたためるような太陽だったとき 冬が終わり春が近づくのを感じた 予感や期待を孕んで膨らむ 木の芽や花のつぼみたち まだ開かないでもう少し と思う間に 一斉にはじける おはようたくさんの歌 おはようたくさんの色 おはようたくさんの光 おはようたくさんの香り さわがしくあふれ出す 美しく柔らかで愛おしい 尊いもの 私はかがやきの前で立…
はてなを浮かべる
あこがればかり自覚しすぎてる? いつまで揺さぶられ続けるのか? ぴったりのかたちでなくとも 収まることを覚えていくの? 通す芯は一本じゃなきゃいけない? ともかく今は鉛筆を握るべきだろうか? こんなに大きい面積でも映らないときってあるの? 足の裏を確認してみる…
当番ノート 第26期
いつもの通勤電車に乗る。 異国の言葉が聞こえる。 観光中の外国人だった。 私にとっては日常の当たり前のこの景色を 彼らはどう捉えているのだろうか。 今何を感じているのだろうか。 たからさがし。の私たちが 異国の地に行ったときは その憧れの世界にワクワクが止まらなくて。 何を見てもキラキラ輝いてみえた。 心も満たされた気がした。 けどね、気づいたことがあった。 まあ良く言われることではあるのだけど、…
日本のヤバい女の子
■新生活とヤバい女の子 ――――― ■絵姿女房 一枚の絵があった。女の絵だ。少しはにかんで、目とくちびるの端に微笑をたたえた女。この絵は彼女の夫のために描かれた。うつくしい妻の姿に目を奪われたきり仕事が手につかない男のために、妻が描かせたのである。 結婚してからというもの24時間妻に見とれていた男は、絵を懐にしまい込みようやく畑仕事に出た。少し耕しては絵を眺め、少し耕しては眺めするものだからいっこ…
当番ノート 第26期
高校1年の夏、私はサッカー部を辞めた。 そしてそれを数週間、親に隠していた。 今から思えばちっぽけな問題だが、当時の私にとっては何よりも大きな問題だった。 部活に行ったフリをするというむなしい日々が続いた。 平日は学校帰りに本屋に寄って時間を潰し、休日は試合で遠出をしているフリをしなければならなかった。 試合がある日にはスパイク、ユニフォーム、レガースを部活用のエナメルバッグに詰め、朝早く家を出て…
長期滞在者
数年ぶりの引越しがもう数日後に控えているのに、わたしは心の準備がろくにできないままでいる。引越しはたくさんしてきた方だと思うし、わりと慣れっこのはずなんだけれど、今回はあまりにも実感が湧かなすぎて、変な感じがしている。数日後には、数年ぶりの東京。目が覚めたら、もう比叡山が視界に見えないのかとか、電車の車窓から琵琶湖が見えないのかとか、感傷的にはなりたくないのに少し気持ちがしゅんとしてしまう。後ろ…
当番ノート 第25期
始まりがあれば、いつか終わりがやってくる。 3月31日。たくさんの人の何かが終わり、明日から何かしらの新しいが始まる。 出会いと別れ。始まりと終わり。 ニューヨークに来てから、驚くほどこの質問を投げかけられる。 「いつまでここにいるの?」 自分の中に決まった答えを持ち合わせてはいるものの、この質問をされる度に考える。私はいつまでここにいるのだろう。いつまでここにいれるのだろう。外国人として国籍とは…
当番ノート 第25期
新宿駅の東口を抜けて、電光掲示板の大きな画面を横目に見ながら交差点を渡れば、紀伊国屋や三越の古いビルディングが視えてくる。周りは様々な言語を話す人々が行き交い、人いきれと車の排気、舞い上がる塵や埃で喉が噎せた。 私の住んでいた街とは全く違う、現実を生きる街。 私は今年二十歳になった。義理の父と母親が住んでいる街から引越し、今は一人暮らしをしながら美術大学へ通っている。もう誰に気遣う必要もない…
長期滞在者
「帰る」というのは不思議な言葉だな、と思います。例えば宇宙空間から地球上を観察していれば、私たちはただ時に移動し、時に同じところに留まっているだけのように見えるでしょう。そうした無数のストップ&ゴーを、しかし私たちは「どこかに行き、どこかに帰ってくる」と認識します。言葉は多分あまり関係ないですね(「帰る」はおそらく人間に限定されない、動物としての「私たち」が共有する概念と思われます)。長年住み慣れ…
当番ノート 第25期
三重から離れ故郷静岡へ戻り1年あまり。その間ずっと中部地区にある藤枝周辺の瀬戸川流域を軸に撮影をしてきた。高根山の源流から志太平野、駿河湾にそそぐ川は全長約30キロに対して標高差が900メートル近くあるので表情豊かだ。上流には古くて硬い地層があり、むき出しになった岩肌が目立つ。中流域からは堆積した砂岩が多く角がとれ玉砂利状になっていく。石の質がよく水石雑誌で瀬戸川が紹介されるほど。川沿いの集落に1…
ギャラリー・カラバコ
ここはとあるアパートの一角にある、小さなギャラリー「カラバコ」。 白い壁に空っぽの額縁が無造作にならび、その下には題字だけが添えられています。 タイトルだけを頼りに、二人の作家が別々に文と絵を寄せ、2つが合わさった時に初めて作品が完成するのです。 先日オープンしたばかりで、まだ1枠しか埋まっていないのですが、これから段々と増えていくでしょう。 01 桟橋 おや、そうこうしているうちに、今月の絵と文…