長期滞在者
焦がれるほどに待ち望んだものなのに 手にいれたとたん「こんなはずはない」と疑ってしまうのはなぜだろう ただ、素直に受け容れればよいことを「こわい」と感じてしまう こんなはずじゃあない もっと何か試練がやってくるのに気づいていないのではないか 乗り越えるべき壁が見えていないのではないか また中途半端に見失ってしまうのではないか 心のずっと深いところに湧き出して満ち満ちてくる気持ちにいつも無理矢理穴を…
当番ノート 第20期
1-1 来なければよかった。何か思いもかけないことがあるかもなんて思わないで、いつも通りに日曜日を過ごせばよかった。 知らない部屋で、知らない人と、また別のよく知らない人を待っている。そっと時計に目をやると二時二十分を過ぎていて、待つこと早十五分。これ、まだ続くのかな。もし今日ここに来ないで、小暮のところに行ってたら。 と考えかけて、それはもうないんだったと思った。あの部屋には、もう…
当番ノート 第20期
富山県氷見市は、能登半島の富山湾側の付け根にある人口5万人くらいの半農半漁の町、海と山の循環が残る自然豊かな土地です。 そして、ヒミングとは、場所の魅力を考えるアートプロジェクト。そのアートプロジェクトを実行する非営利活動法人がアートNPOヒミングです。 「氷見(ヒミ)」の響きを大切に、「ハミング」持つ爽やかさ、調和、和音、リズム、幸、平和を大切に。それをめざして付けられました。また、語尾にING…
はてなを浮かべる
あらゆることを強調すべきなのか? 頭の中の霧で迷子になっている? こんな風に見えていたの? さっぱりと笑うその地盤は 必死でかき集めたものだったりする? 建設的なことを言わないから馬鹿にされる? 内側には入れてくれない予感がするよね? 芽吹いてくる小さきも…
長期滞在者
本屋を開いたんだ。本は新聞みたいなもんだ。読んだらその時のことを思い出せる。そして骨董屋も始めた。何年もの間大切にされた古いものには、お話があふれている。持っていた人みんなの日記だ。わしにとっても大切なものだ。 『マッチ箱日記』より 私はものをため込むタイプの人間だ。保育園の時の絵、5歳の誕生日に友達からもらった小さな箱、小学生の時友達と公園で集めた桜の花びらを瓶に詰めたと思われるもの、通信表はも…
当番ノート 第20期
毎週木曜日の担当になりました、usaginingen(ウサギニンゲン)です。 今回は、初めての投稿なので自己紹介させてもらいます。 私たちusaginingenは、自作の映像機と楽器を使った、映像と音楽のライブパフォーマンスを夫婦でやっています。 住んでいるのはドイツのベルリンです。ベルリン生活は6年目です。 先週まで春陽気だったベルリン。今朝は突然、雪が降って寒いです。それもベルリンらしいです。…
当番ノート 第19期
【第9話 花とヤバい女の子】 ◼︎このはなのさくやひめ 「木の花、とりわけ桜の花のように美しい」という名前の女の子がいる。 日本神話に登場するこのはなのさくやひめは、夫 瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)と契り、たった一夜で身ごもる。「たった一夜で身ごもるのはおかしい」と不貞を疑う夫に対し、彼女は身の潔白を証明するために家に火をつけた。「あなたとの子供であれば縁起が良いのだから、絶体絶命の状況でも無事に生…
長期滞在者
わたしはとても単純だから、春の気配がし始めるとなぜがそわそわする。大した理由なんてないけれど、春がくる、たったそれだけで気持ちが色めき立つ。恋し始めの少年みたいな、照れくさくて、思わず小石を蹴りたくなるような、洋服の裾をもじもじと直すような。 春は何かと変化が多い。聴く音楽も変わるし、食べたいもの、出かけたい場所、やりたいこともどんどん変わる。親元を離れたのも春だし、パートナーとの出会いも春、…
当番ノート 第19期
連載最終回です。 連載全9回で追うテーマをきちんと決めて連載を始めれば良かったと今は思っています。 私は一年前に、大学に出す卒業論文として『ジェイ・ギリガンについて語るときに僕の語ること』と題した、エッセイのような論文を書きました。ジェイ・ギリガンというのはアメリカのジャグラーで、アヴァンギャルドな、「考えるジャグラー」です。既存のジャグリングの型を疑い、壊し、新しいジャグリングを実際にやってのけ…
当番ノート 第19期
hunatabiという名前の理由について。 手間をかけてつくる。 好奇心で日常を見つめる。 もうひとつ。 途中経過が好き。 完成(目的地)前の作品達の様子が、とてもとても好きなのです。 m.hunatabiの布は”ろうけつ染め”という技法で染めています。そこに、時々シルクスクリーンを併用したり、しなかったりします。 ろうけつ染めは1度では染め上がらず、色を置いて、ロウを置い…
当番ノート 第19期
一年間のはじまりを感じるきっかけはいろいろあります。 元旦、節分、春一番、4月、、、 この時期、お茶畑はにわか忙しく騒ぎ立て、 日に日にお茶の芽はふくらんできます。 秋に根っこから栄養を枝にたっぷりたくわえて 春には葉にエネルギー送り、萌木色の新芽を一斉に伸ばすのです。 ぼくにはこの時期が一年間のはじまり。 農家になってこの時期を経験したのはまだ6回。 そして、これからも1年に1回ずつの新茶シーズ…
当番ノート 第19期
色々ある日々。 色々ある絵。 色と色。 色とりどり。 最近、ワークショップなどで普段絵の具をあまり使わない人々が楽しそうに描くのを見ていると すごく意外な色あいのものを合わせていくのに目を見張る。 私が使わない、使えない色達。 それはまた美しく、発見したような気分になるのです。 色は本当に自由。 色んな色につたない思いを馳せてみましたが書いて、暫くはその色のことを考えていたり、 次に広げる絵の色を…