当番ノート 第10期
アパートに帰ってくると、「ついに来た」と思った。 玄関の前にフクノカミがいた。 まるで七五三みたいな坊っちゃんスタイルで、玄関ドアを見つめたままちょこんと正座していた。母から教えられた通りだ。 「ちょっと待っててね」 私がそう言うと、にこりと笑って頭を小さく縦に振った。玄関ドアを開け放したまま、急いで部屋に入り、細野晴臣さんの『HOSONO HOUSE』とラジカセを抱えて戻る。キッチン脇のコンセン…
当番ノート 第10期
うつくしいひと。 水晶玉のような瞳をもって、 あなた どこへゆくのだろう。 なにを みるのだろう。 あなたはどうしてひとりしかいないのだろう。 どうしておなじ血がながれていないのだろう。 鼓動を共有したかった。 ゆびさきにふれていたかった。 まぶたにふれてみたかった。 すべてすべてを肯定してしまいそうな、 しろいひかりがふりそそいでいる。 まぶしいゆびさきやせなかやひとみばかりを思い出す。 あなた…
当番ノート 第10期
“Go West”という曲がある。 1977年にニューヨークで結成されたディスコグループVillage Peopleのヒット曲。キャッチーな耳に残る曲で、おそらく誰でも一度は聴いたことがあるだろう。1993年にはPet Shop Boysによってカバーされていて、そっちの方が馴染み深いという人も多いのかもしれない。 Go West――西へ行こう、というこの曲のタイトルには幾つかの意味合いがあるとい…
当番ノート 第10期
こんばんは、今回もペンで描いた絵を載せる。今回はうとうとしながらアップしたので、よろしくお願いします! 見て頂きましてありがとうございます。次回も。よろしくお願いします!
当番ノート 第10期
生まれたときから、女は、女の価値をしっている。 あるいは無自覚にそう振る舞える。 あたしもおそらく知っていた。記憶もないむこうがわですらたぶんそうだった。 女であることを こわく思ったのはいつだっただろう。 こゆびひとつみても、おそろしかった。 おなじ形状であるのに、あの人とあたしは全くちがういきものだ。 みんなとおなじにみえるのに、あの人とあたしの遺伝子は全くちがう。 けれど、母親の遺伝子だ…
当番ノート 第10期
このアパートメントで書かせていただくのも早4回目。 はじめて書いた日と比べて陽が落ちるのも気付けばずいぶん早くなってきて、記事が更新される18時の景色にもどこか寂しさが混ざります。 そんな今日はコーヒーについての話。どこか落ち着いた場所でゆっくりと読んでもらえるとうれしい。 好きな飲み物はなにかと聞かれたら、色々あるけど一番はコーヒーと答える。 コーヒーのどこが好きかと問われると、ひとまず味と香り…
当番ノート 第10期
こんばんは、第4回目になりますが、今回も落書きを載せます。 最近は頭が馬鹿になってしまって退化しているような感じなので、簡単な花をよく描いています。では、よろしくお願いします! 見て下さってありがとうございました。また次回も、どうかお願いします。
当番ノート 第10期
手が振り上がったまま、ブルブルする。 胸が高鳴って、笑顔でピースだ! 大声で叫びながら、今にも走り出したい! わー わー わー もう一回! わー わー わー 息切れだって、気持ちがいい。 どんどん、行けるんだ。 どんどん、行ってしまおう。 バランスくずして、転んだって、平気。 友達とハイタッチ! イエーイ! お気に入りのスカート、ひらひらさせて、飛んじゃうよ。 雨が降ったって、まつ毛で…
当番ノート 第10期
いっしょに死にむかおうと、 いっしょに生きていこうと、 そう思っていた。 はじめてちゃんと気がついたのは、9つの、家族でいったスキー場からの帰り道、車の中でだった。 すべてに等しくおとずれる終わりというものが、今こうしている間にも襲いかかっていて、 「今」は本当に「今」、この瞬間瞬間でしかなく、やがてその瞬間も、なにもかもがなくなってしまうということ、 車のなかにいる家族もいずれは離れ、誰かからい…