当番ノート 第2期
去年から突然、花ばかり撮っている。 それも普遍的な、みちばたに咲いている花ばかり撮っている。 さくらが咲いた時期。 見かけると、もう取り憑かれたかのように車を停めてまで撮った。 今でこそ「きれいだな」なんてじいっと見つめ愛で、それから撮るようになったけれど、どうして、あのときあんなに必死だったのだろう。 花は、ぐるりと一周してまた咲くのに。 小さい頃、庭にうっそうと生えるしろつめ草を編んでよく王冠…
当番ノート 第2期
けむりねこがなきました もうあさだよとなきました めざましどけいよりはやく ふきさんそろそろおきなさい けむりねこがなきました あそんでほしいとなきました そしらぬふりをしていたら かりかりかりとつめたてた けむりねこがなきました すとーぶつけろとなきました あったかいとまんぞくそうに くるりとまるくなりました なんだかにおうぞおかしいぞ ふりかえるとけむりねこ なにやらひっしにけづくろい けむり…
当番ノート 第2期
所詮、カスタードクリーム入りのたい焼きは邪道であって、どんだけ頑張っても餡の代用品でしかない。(中にはクリーム入りの方が好きな御方もいるだろうし、もちろんそれはこの限りではない)例えばあなたがつぶ餡にしろこし餡にしろ餡が本命であると判りながら、ときに浮気心が首をもたげ、ついついクリーム入りを買ってしまったとする。ひと口食べてあなたは後悔するのだ。「嗚呼、もう二度とほろほろと温かく香ばしいあの愛しき…
当番ノート 第2期
正月11日。 タツ樹くんとふたりでINA-beの北欧から はるばる塩浜までドライブ。 かつておじいちゃんの写真屋のあった駅前の小さな町は 背景に巨大なコンビナートを背負っている。 幼い自分にとって 何か得体のしれない伽藍であり、 夜の光をまとうと荘厳なカテドラルにもみえた その異形の建造物。 海ぎわの漁師町、磯津まで行くと 鈴鹿川の河口の対岸に それは記憶そのままの質量で 鈍い通奏低音を響かせて …
当番ノート 第2期
「就活」が真っ盛りです。 12月と言えば、世間では師走で忙しい時ですが、 2011年の12月は学生さんにとって本当に忙しい月になりました。 例年10月より始まっていた採用活動が、 12月からの開始となったからです。 「就活」が長期化すると学生さんが 勉強する時間が無くなっちゃうので、 経団連さんが紳士協定を結んだのが事の発端のようです。 まあ、ボクらも ”Gentleman” と書いているトイレに…
当番ノート 第2期
すずめが鳴いている。 すずめの数が減っていると、なにかのニュースで読んだことがあるけれど、しかし今まさに早朝、私の部屋の窓の外では、たしかにすずめが鳴いている。 それもけっこうな数がいる。 普段はその鳴き声で起きることができる。目覚ましがなる前に。 もう少し眠っていたいのに、と思うときもあるけれど、薄明かりからくっきりと明るくなっていく部屋のなかにいることは始まる感じがして悪くないと思う。 甥が先…
当番ノート 第2期
何を書こうかと悩みながら、定位置である二段積みの箱の上に座っている煙を眺めているうちに三十分過ぎ一時間過ぎいつの間にか二時間が過ぎて、その間に頭に浮かんだことといえば、四足を揃えて尾をその足にくるりと巻き静かに座っている姿が猫の体勢の中で最も美しく感じるなあというくらいなもので、じっと見られるのが居心地悪いのかそのうち煙は寝てしまいました。煙が谷底にやって来てそろそろ3ヶ月、ためつすがめつ眺めて…
当番ノート 第2期
正月七日、京都の方へ新春舞初会というものに出掛けた。 縁あって日本舞踊家の西川千麗氏が主宰する「千麗の会」にご招待いただいたのだ。 これは消えゆきつつある日本のお正月の趣を味わってもらいたいという催し。 上演場所はいつも稽古をされている稽古所で。出演もするお弟子さんたちが、自ら着物姿でお屠蘇や和菓子をふるまっていた。 当日の番組は、白粉を塗って艶やかに舞うお弟子さんたちの演目が先に二つ。 ひとつ目…
当番ノート 第2期
私の名前はあろうことか母がかつての同級生男子の名前を そのまんまつけたものだ、とごく最近知った。 母は勝手にその人リスペクトだったらしいが、 それにしてもアバウト過ぎる。 その上おとめチック女学生の母、しばらくキリスト教にハマってたらしく 新生児の私に洗礼受けさせようとした、というトンでも話も判明。 信仰らしい痕跡皆無のその後を思うと まったくシャレになってない。 香港で働く商社マンだったという鬼…
当番ノート 第2期
お正月からサッカーの天皇杯、本日は高校サッカーと バスケのAll Japanなど年始はスポーツが目白押し、 というわけで2012年の最初のコラムは 「スポーツと関わる時の顔」を書いてみます。 ご存知かもしれませんが、 元日本代表の監督のオシムさんは ユーゴスラビアとしての最後の監督として、 W杯のイタリア大会でアルゼンチンに挑みました。 しかし、結果は敗退。 しばらくして、ユーゴスラビアという国は…
当番ノート 第2期
朝 起きたら居間のテーブルの上に小宇宙が広がっていた。 その日、お餅をつくのは知っていたし、手伝おうと気持ちはあったのだけれど、まちがえて前日にしっかりと飲んでしまい 宿酔いでなかなか起きることができず、部屋で苦しんでいる頃 家族は早朝からゴゴゴとなる機械でお餅を作っていた。 甥がいたずらしたお餅は、ぐにゃぐにゃにいじられたままのかたち。 ごめん、と思いつつ特にすることも(もはや)ないようだったの…
当番ノート 第2期
煙はしっとり重たいのです。体重は5キロを超えます。店で売っている小さめの米袋が5キロ入りですからやはりとても重たいのです。そんな大きな猫がワンルームの中をうろうろ歩き走り跳ね、かがんでいるとすかさず背中に乗ってくるのだからこちらはたまったものではありません。それでもあのうろついている物体が米袋だと思って観察しているとだんだん可笑しくなっています。動く米袋。 さて、煙ではなくコメという名前でもよかっ…