当番ノート 第48期
今日は少し、音楽の細かい話は忘れて、私がインドで体験した不思議な出来事を共有したいと思う。 インドという国は、土と埃と、人びとの汗と熱気と、動物の糞尿と、あちこちで発せられる大小の音と、さまざまな食べ物のにおいと・・こうした生身の、非常に現世的なものがごっちゃになった世界である。 他方で、至極平凡な清掃人やリクシャーの運転手なんかが急にぽろっと、心に沁みる一言を発したり、奇跡としか呼べないような信…
Do farmers in the dark
表題:草を持つ人、食べる人、異次元に隠されたエビ天、オマールエビ こんばんは!今回もあいも変わらず、自分の展示のお知らせをしたいだけのいつもの日記みたいな文章になっています。すみません。 またも休日の事 何の努力もせず毎日、毎秒できるだけ気分良く過ごしたかった。どうしたらいいか。楽しいと感じる事柄のレベルをどんどん下げ続けるんだ。そして苦難には立ち向かわず、やむなき小さ…
お直しカフェ
こんばんは。はじめましての人が大半だろうに、でも身近な人や、遠く離れた友人にも読んでほしいなと思って、それでどちらかというと近況報告のような心持ちではじめた連載も早3年目。遂にやってきた2020。新年なのと、アパートメントのリニューアル間近なのとで、少しだけ改めての自己紹介をします。 お直しをする人の溜り場をつくる試み はじめてアパートメントで書かせてもらったのは、2017年10月から11月の当番…
当番ノート 第48期
『男はつらいよ』が22年ぶりにスクリーンに帰ってくる。シリーズ50作目は『男はつらいよ お帰り寅さん』だそう。 とは言っても、我々若者世代(自分が若者世代なのかわからんが)にとっては「ああ、そうなんだ」くらいだろう。 映画ファンの俺も『男はつらいよ』シリーズはおそらく8作ほど中学校の頃に観て以来。 渥美清が亡くなったから見るか~くらいのテンションだった。 朧げな記憶になるが「面白かった」というシン…
当番ノート 第48期
あけましておめでとうございます。 新しい年のはじまりに、この場でご挨拶ができてとても嬉しいです。 当番ノートも折り返し。後半もどうぞよろしくお願いいたします。 —————————————————&…
長期滞在者
とても大事な人が、命に関わる長い長い手術をした。 幸いなことに手術は無事に終わって、病院で付き添っていた私は夜遅くに帰宅し、 疲れ果てた身体をベッドに投げ出すように眠った。 翌朝、私にとって世界で1番優しい人が、飛び降りて死んだという知らせがきた。 11月末から今日に至るまで、あのときのことをまざまざと思い出す1ヶ月だった。 思えばあの日から、私の「死」と向き合う日々が始まったのだと。 2019年…
当番ノート 第48期
前回は休載してしまいました。申し訳ございません。 足らなかったのはフォースでした……。フォースって……? そうです。スター・ウォーズです。スター・ウォーズの「フォース」でございます。 前回語ったスター・ウォーズへの偏愛。そして今回はその愛を証明するときが来たのです。 お前の愛を見せてみろ。 ああわかった見せてやるぜ。 今回は本物の愛とは、真実の愛とは、愛とはなんなのか、愛することのもどかしさとはな…
当番ノート 第48期
新しいラーグを習うときの歓びは、何にも代えがたいものがある。 一つのラーグについて、その動き方をだいたい習得し、ゆっくりなテンポと速いテンポの曲を一つずつやって、曲のなかでラーグを発展させる試みを何度かレッスンを重ねてブラッシュアップする。 「これまでやってきたラーグはだいぶ良くなったね、じゃあ、新しいラーグをはじめようか。」 先生からのこの言葉を聞くとき、私の気持ちがどれほど高ぶるか。 先生は少…
長期滞在者
今年もあと1週間で終わるが、先日これまでアパートメントで書いてきたこれまでの記事を振り返る機会があった。 TOKYO ZINESTER GATHERING(通称ジンギャザ)というZINEのフリマイベントに遊びに行く当日の朝。 何も持たずに行くと、アウェーな感じになってしまうんかなと、自分も何か持参しようと前々から企んでいた。 持参するZINEには、アパートメントで執筆してきた記事からいくつかピック…
長期滞在者
尼崎から大阪梅田まで十キロ、その梅田に向かう道、もしくは梅田からの帰路。 自転車で行く阪急電車沿いのとある駅間。 高架になった線路の下をくぐる架道橋(トンネル状の通路)ごしに見える小さな古いコンクリの建物があり、自転車で通過する間だから見えるのはほんの数秒のことなのだが、毎回その古い建物を見るたびに、強烈な既視感に襲われる。 毎回毎回その建物の一階部分(架道橋越しなので一階部分しか見えない)を見る…
当番ノート 第48期
前回の「ブラフマ・ムフールタ」のコラムの最後に、定形晟さんの『インド宇宙誌』からの引用を載せた。1日は30ムフールタに区切られ、3ムフールタでひとつのまとまりを成し、結果的に昼と夜がそれぞれ5つの部分に分けられるということであった。 このムフールタとの関係性はちょっと調べられきれなかったのだけれど、3時間ずつ、1日(24時間)を8つの「プラハル(サンスクリット語ではプラハラ)」に区切るという考え方…
長期滞在者
ぼくの家には、子供の頃の家族アルバムというものがありません。今のようにカメラが一家に一台、という時代でもなく、小学校くらいの頃は、だいたい近所にカメラ好きのオジさんがいるとか、勤め先が富士フイルムだとかで、時々遊んでいるところを写真に撮ってもらったりしました。少し経ってお裾分けのように2、3枚自分が写っているのをもらったりするのです。そういう写真をぼくの両親はタンスの引き出しに、プリントをそのまま…