長期滞在者
今月はこの家始まって以来のことがあった。といっても、大げさなことではない。住人が3人揃って連続ドラマを見ただけだ。 ただ、誰かと一緒に、同じ時間に同じ番組を見るというのは、私にとってかなりレアな出来事だった。10代の頃から熱心にテレビを見ることがなかったし、しかもそのドラマはホラーなのだ!私はホラーものが大の苦手なのだけれど、あまりにも絹江ちゃんと純君が熱心に見ているのでつられてしまった。 ドラマ…
当番ノート 第46期
6回目の投稿です。「トルコで出会った女性たち」シリーズ第6弾です。トルコで出会った印象的な女性たちとそれにまつわる私の記憶を書いています。1回目の投稿「ハティジェ」の冒頭にてこのシリーズの説明を詳しく書いておりますので、一体何について書かれているのか混乱された方はどうぞそちらをご確認ください。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー…
当番ノート 第46期
人生や価値観が変わるほどの何かに出会うって、どんな感じなのだろう。いや、というのもネ、「海外に行くと人生が変わる」なんてだれがいったのか(だれもいってないか)知らんけど、今、私は2度目の海外旅行中であり、「Sri Lankaなう」なのだ。前回、海外に行ったのは12年前に行ったロンドンくらいで、その時はさほど「人生が変わる」ような出来事はなかった(気がする)。そもそも人生が変わる出会いの瞬間って、わ…
当番ノート 第46期
正直なところ就活はちゃんとやった方がいいと思った。 これは別にスーツ着ろとか合同説明会にいけとか エントリーシートを鬼のように書けとか言ってんじゃない。 ただ、自分が何を大事にして生きていきたくて、 どんなものに共感して社会でどんなことがしたくて だからこの会社のこことリンクしたとか こんなところが自分の考えと同じだと思ったとか そういうことは自分の中で納得していた方がいいんだろうなと思う。 私み…
お直しカフェ
今日もまた喫茶店にきた。東京の下町すみだに引っ越した頃から、銀座や浅草が通勤経路の最寄り繁華街になった頃から、会社を辞めて関西にも頻繁に帰るようになった頃から、気づいたらだんだんと喫茶店派になっていた。世の中のレトロ喫茶ブームとリンクするかもしれない。足を踏み入れた瞬間の安心感、つくりがよく手入れされた椅子やテーブル、店と共に生きてきたマスターの無理のない接客、というか応対、おじさんやおじいさんお…
当番ノート 第46期
もう身体中熱いから休ませて。 ねえ聞いてる? なげやりにバックスペース押したり、自信なさげに叩いたりすること多くない?私のこといつからシャットダウンしてないと思う? そう、私も覚えてない。おがげ様で処理速度遅くてさげぽよ。 ねえねえ、1つのメッセージを返すのに100点満点探してて疲れない? あちこちから情報集めて、正しそうなものを並べ、でもどこかしっくりこなくて、エンターキー押すのは億劫で、勇気振…
当番ノート 第46期
こういったエッセイを書くならば、定番のトピックのひとつが異国での経験について書き記すことだろう。今日、海外旅行など何も特別なものではないかもしれないが、おそらく人並み程度には渡航経験はあると思う。 初めての海外旅行は小学校1年生のとき、父の単身赴任先のドイツからスイス、オーストリアへ。6年生のときには、両親がおそらく一生に一度と決めてハネムーンで訪れたはずのフランスへ家族で再訪した。中学校、高校で…
当番ノート 第46期
5回目の投稿です。「トルコで出会った女性たち」シリーズ第5弾です。トルコで出会った印象的な女性たちとそれにまつわる私の記憶を書いています。1回目の投稿「ハティジェ」の冒頭にてこのシリーズの説明を詳しく書いておりますので、一体何について書かれているのか混乱された方はどうぞそちらをご確認ください。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー…
当番ノート 第46期
2011年の東日本大震災で母方の祖父母が眠るお墓は津波で流されてしまった。たしか3・4年くらい前に手を入れてもらえたけれど、周囲には未だに瓦礫となった墓石があちこちに積み上がっている。 まぁ、正直なところその間、“お墓が流されてしまったこと”に関していえば、なんとも思わなかったのだけど。 そもそも祖父母とは、数えられるくらいしか会ったことがない。ふたりと過ごした時間の記憶はほんの少しで、どれもやさ…
当番ノート 第46期
2週間ほど前から、映画館に行きたくて仕方がない。 真っ暗な空間で、目の前の画面に思い切り集中したい。 誰かのストーリーに感動したい。心動かされたい。 もしくは不安にさせられたい、宙ぶらりんな気持ちにしてほしい。 そう思って今日、友人と映画館に行った。 偶然、私が観たかった映画を観ようと誘ってくれたのだった。ラッキー。 行ったのは近くの映画館。私がブラジル留学中にできた。 家から自転車で10分くらい…
当番ノート 第46期
当時のあなたは、この文章を見つける余裕はないかもしれない。それでも人づてに届く可能性を0%にしないためにおくります。 朝、ベッドから起き上がれなくなったとき、ひとりでなんとかしようとせず、職場に連絡を入れ、産業医のもとへ行ったこと、偉いです。でも頭の中は「大したことないと判断してもらって、復帰して、迷惑を掛けたぶんを早急に取り戻さなきゃ」でいっぱいになっていませんか。 仕事にも家庭にも迷惑を掛けて…
当番ノート 第46期
約3年前、猫を飼い始めた。わたし自身、当時は犬派だったが、当時のパートナーの希望で猫の兄妹2匹を迎え入れた。 小さい頃は、柴犬を飼っていた。わたしが生まれるよりも前から飼われていた“雅歌”という犬で、母がとてもとても可愛がっていたのを覚えている。それでも動物とは生活圏を分けるべきだという考えがあって、その犬はいつも屋外の犬小屋にいた。 そう思うと、ずっと家の中にいる猫との暮らしは、自分のなかにある…