当番ノート 第64期
◯18〜19歳のころのわたし センター試験に失敗しました。 『スピンアトップ・スピンアトップ』『フェーヤー?フェーヤー・・・・・・チョッ!』が悪かったと、出題された牧野信一の『地球儀』を恨んだ。今までやってきたことは何なんだったのか。実際には、高校入学当初から続き、特にこの1年間は拍車をかけてじりじりと感じ続けていた「勉強して、結果を出していかなければならない」という空気感に押しつぶされていた。気…
当番ノート 第64期
18歳のわたしへ 一人暮らしはしんどいです。産まれた地からわざわざ離れて、すぐには帰れないくらいまで遠くへ来てしまった。そこで朝から晩まで働いて、疲れきって一人暮らしのアパートへ戻る。休日は平日のたまった家事をして、その延長で、以前から気になっていた部屋の一角を片付け出したらあっという間に日が暮れています。地元を出ることや、一人暮らしをすることは当たり前であるという認識だったのは、なんでなのでしょ…
長期滞在者
贅沢な想いかもしれないが、年に一度は、空気の薄さを感じる標高の山に登りたい。 昨年は北岳に登ったが、運良く今年も仲間に誘われて、そんな山に行けることになった。 今年目指す立山は、20年近く前に中学生の頃の登山合宿で一度登ったことがあった。 その時は神戸から富山までどうやって移動したのだろう。バスだったのか。 まだ恐怖心もあまり芽生えてなかったからか、当時は標高が高いところでも怖さを感じずに登った。…
長期滞在者
自宅から60km離れた山間の市(丹波篠山)で出張仕事があった。同じ兵庫県内なのに公共交通機関では連絡が悪く時間のかかる場所で、どうせ時間がかかるのならば自転車で行くのが良いのではないか?電車とバスを乗り継ぐ2時間半より、自転車の4時間の方が楽しいに決まってる。そうです、私は自転車バカ。片道60kmはちょうどよい距離に思える。撮影仕事ではないので重い機材も要らないし。 初めての場所なので下調べをする…
当番ノート 第64期
18歳のわたしへ 一人暮らしはしんどいです。最初は「わたしは自由だ」と誰にも止められずに、一人で思うように時間を使える生活に喜びをかみしめていましたが、その感覚が通り過ぎてしまってから一向にそれが戻ってくる気配はありません。わたしが望んでいたものは、こんなにも消費的で、軽々しい行為だったのでしょうか?言葉にできない、言葉にしたら身近な誰かでさえも傷つけてしまうであろうドス黒い感情が増幅し続け、それ…
Do farmers in the dark
今回もまた展示のお知らせすみません。9/5から10/1まで、新中野のgallery café NICCOにて絵を展示しています。 おおよそ8月に展示した絵を展示していて、8月にタイミングが合わなかった方はもし良かったら。前回から少し枚数は少なくなりますが、ボールペンの絵を30枚ほどとカラーの絵を15枚ほど展示しています。日ごとにお店が変わるシェアキッチンで、毎日営業時間が違うのでスケジュールを確認…
長期滞在者
色々と書きたいなと思うことはあるのだけれど、いざキーボードを前にすると、書きたいと思っていたことが手からこぼれ落ちていくような気持ちになる。たくさん書きたいことがあったはずなのだが、頭がまとまらない。 以前に書いていた時期は、二十代後半になってようやく働き始めたばかりの頃で、長く過ごした横浜や東京都内の空気から離れてまた千葉に戻った頃だった。それまでの環境と職場の環境とのギャップに戸惑いながら過ご…
当番ノート 第64期
18歳のわたしへ 借りたトムウェイツを聴きながら2号線のバイパスを走るのもこの2週間だけだろう。その後、わたしは仕事を辞めました。 永遠と思うほどに眠気と身体の怠さが続いていて、毎日指を折って数えて待ち続けた休みはただ寝るだけになっていました。行きたいところも浮かばず、今日あった仕事でのやりとりを脳内で繰り返し再生させてしまうので、力ずくでかき消すように貸してもらった映画を再生します。ベッドに横に…
当番ノート 第64期
18歳のわたしへ もうかれこれずっと眠いです。 起きているけれども、ふわふわ宙に浮いているようです。椅子にじっと座っているのであれば、目はただ開いているだけで、身体は静かに眠っているような、ちぐはぐな感覚がずっとあります。ただそこにいる、目を開いたまま眠っているわたしは、周りの人の声が急に迫ってきて、ふいにびっくりするのです。目を開いたまま、はっとする瞬間が何度もありました。 「あなたには合わない…
当番ノート 第64期
18歳のわたしへ ここのところ、毎日毎日どこかへ行っています。 様々なNPO法人の講演会、福祉分野のトークショー、はたまたまちづくりのお話などを聞きに行ったりしました。海の方へ向かえば、そこから個々に特徴のある島へお邪魔したり、山の方へ向かえばそこから田んぼを手伝わせてもらったりしました。 これは一人旅として、自分の生活圏外へ行って、手放しで楽しんでリラックスするというよりも、将来わたしはどうした…
長期滞在者
日々の生活で自分に課しているルールは特に何もない。 日々決まった時間に起きるわけでもなく、朝食に決まったものを食べるわけでもなく、同じ時間に排便をするわけでもなく、煙草は1日3本までというわけでもない。 ただ、唯一自分の中で決めていることとしては、夜にコーヒーを飲まないということだろうか。 コーヒーを夜に飲むと、眠れなくなってしまう。(若さのせいか、鈍感だったからか、中学や高校の頃は、母親が夜コー…
長期滞在者
「写真」は伝達手段としては非常に効率の悪い代物で、むしろ「伝わらなさ」そのものの比喩としての機能の方が上かもしれない。もちろん悲観的に言ってるのではなくて、「伝わる」という言葉の安売りに辟易しているからで、伝わらなさを考える契機として写真があって良いのでは、と思ったのだった。 写真というのはもともと言葉とは伝達される情報の種類や方法違うものだから、言葉では掬いきれないものも放り出す。それは言葉なん…