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《画家と7人の肖像》SUGIZO

画家と7人の肖像

宇宙の湖畔に根を張って咲いている。
深い、底知れぬ闇の湖だ。

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蓮は、泥水の中で根を張りながら水面に透明感を放つ。
「泥中の蓮」とは、どんなに汚れた環境に根を張ろうとも染まらず、清く生きる様のことをいう。
美しい人はどんな苦境に立とうとも、腐らず咲き誇っている。

IMGL3613IMGL3606Photo by Kazuki Hiro

どんなイメージでSUGIZOさんの肖像画を描くかということについて、私はこの企画を始める以前に彼からキーワードを得ていた。不死鳥、地球、自然体、大きな翼。衣装は大きな白い布と、偶然調達した孔雀の羽のレースが施された生地だ。一枚布を体に巻きつけ、ピンや帯を使って着付ける。古代ギリシャの格好を想起させる姿。布の躍動感をカズキヒロさんが捉える。

年末、帰国した翌々日の撮影だった。

その数日前に見たアムステルダム王宮(Koninklijk Paleis)のアトラス像が印象的だった為か、低姿勢で、地球を後ろに背負う構図をイメージしていた。しかし、天空を支える「罰」というイメージはやはり当て嵌らなかった。彼は地球を、宇宙を、大きな心で抱くイメージだ。イザナギの方が合う。天上の高天原(たかまがはら)から国土を見下ろし、形の定まらなかった地球を形作る過程で愛するイザナミを失い、黄泉の国まで追求する物語。準えて、もう一つの肖像画を描いた。

IMGL2936Photo by Kazuki Hiro

足に鉛がついたような日々が訪れた時、私はここではないどこかへ浮遊することを覚えた。

この2年でわかったことは、私はどこへでも行けるし、どうにかしようと思えばどうにでもなるということだった。昨年、満を持してロンドンやアムステルダムで個展をしたわけではない。2010年にだって突発的にNYで個展をしている。それらは結局、「個人的な儀式」をしただけで、社会や世界に影響するようなことではない。結論を言うと、海外に出るのは資金さえあれば誰にでも出来るということ。場所を借りて開催するのは、この時代ではやろうと思えば出来ることだ。では「誰にも出来ないこと」とは一体何か。私は自らの深淵と向き合うこととなった。自分が根を張る湖。

すると、日本から逃げるように海を渡ったのだということに、湖畔に映る私は応えた。

この企画を始めた頃と今とでは状況も大きく変わった。2020年に向け、国際交流というテーマのもと一人の画家として様々な方面から声を掛けていただき、人生で最も大きな動きの中にいる。私がなぜ日本に生まれたのか。私の人間関係は「どこ」にあるのか。「画家と7人の肖像」という企画は、私にとって大掛かりなマインドマップだ。自らのルーツを体感する制作で、私はこの人達との出会いからインスピレーションを得ている。

「人生とは気の合う人間と出会う旅」 なるほど、これが私の人生かと。

「ああ、この時の為か」と事象と事象を点を結んでいき、美しい輪が出来た時、宇宙の輪郭に触れた心地になる。出会ったことにも離れたことにも、楽しいことにも辛いことにも意味がある。実感するのはいつだって未来だ。たった今苦しい状況も、未来の私が意味のあるものにしてくれる。それが「自分を信じる」ということなんだろう。

地球
『画家と7人の肖像』展が始まる頃、更に新しい企画が発信されているだろう。今水面下で毎日目紛しく動いている。今回は私から「絵画」というフィールドでみなさんにお声掛けさせていただいた。そして今度は、彼らの咲くルーツに呼び掛ける。これからも一緒に創ることになるだろう。大きな根を張り、大輪の蓮を咲かせていく。

その宣言として今回もまた、この時代に出会った祝福の肖像画を贈ろう。

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Painter: Maika Kobayashi
Material: Acrylic color

Model: SUGIZO
Photographer: Kazuki Hiro
Corporation: PAKUTASO
Flyer design:Tsubasa Motohashi

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『画家と7人の肖像』 展覧会

【会期】 2018年4月14日(土) – 4月29日(日)
【クロージングパーティー】 4月28日(土) Open 19:00
※完全予約制。予約に関するお知らせは追って発信します。

【会場】 BASEMENT GINZA http://basementginza.jp/

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小林 舞香

小林 舞香

画家・イラストレーター。アクリル絵の具を使用し、手描きによる精密な写実画を特徴とした絵画を中心に作品を展開している。2009年よりフリーでの活動をスタートし、翌年に初のNY個展を開催。木製パネルに貼られたケント紙に絵の具で描く以外にも、壁画や舞台美術、ファッションデザイン、グラフィックデザインなど手法・表現は多岐に渡る。個展やイベントをベースにオリジナル作品を発表しながら、企業とのコラボレーションでイラストレーターとしての活動の幅も広げている。2017年11月ロンドン個展、12月にアムステルダム個展を控えているが、今回のコラムでは2018年4月に開催される銀座での個展に向けた制作を綴っていく。

Reviewed by
黒井 岬

喜びも悲しさも、絵に対する情熱も、緊張したであろうことも、舞香さんは冷静な言葉で淡々と振り返る。
自分が歩んだその背後に、旅の道筋が後から出来てくる。見えてくる。歩まなければ始まらないのだということ。

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