ちゃらんぽらんな夜を過ごして

第11期(2013年10月-11月)

 
 
 
ちゃらんぽらんな夜を過ごして
 
 
 
その次の夜はひとり落ち込んだりしてさ
 
じゃあやめとけばいいのに
 
 
夜と
 
また夜と、夜と夜とがさ
 
床が回転して つぎつぎ場面がかわるお芝居みたいだよ
 
 
夜のコンビニで
 
無数のチュッパチャップスが刺さった、くるくる回る販促台を見ながら
 
そんなことを考えていた
 
なにかを買いに来たつもりだったけど、
 
忘れてしまった
 
家からそんなに近くもないのになあ
 
 
LEDライトのこと、わたし、すこしも好きになれない
 
まぶしいし
 
ちっともお洒落じゃないし。
 
 
次にコンビニくるときは、
 
オノヨーコみたいなサングラスしてこよう
 
けげんな顔で
 
これあたためて と、
 
そういう態度でいよう
 
やっぱり迷惑だからやめとこう
 
 
くだらない気持ちになってきたし
 
今日はなにも買わないで帰ろう
 
せっかく寒いなか出てきたのにな
 
 
自動ドアがひらくと、
 
冷たい風がうわっと私をはたいた
 
ぐっと顔をこわばらせて、
 
冬の気配にむかっていくように
 
負けじとむかっていくみたいにして
 
私は歩き出したんだけど、
 
冷たい強い風のせいで
 
涙が出てきてしまった
 
 
ちっちと涙を流しながら歩くと思うと
 
 
なんだかやるせなくなって
 
本当に泣いているみたいな気さえしてきた
 
 
涙がかなしみを先導して、わたしに夜のあの人を思い出させた
 
 
また会えるだろうか
 
帰り道は、風ばかりがつよく吹いていて
 
それなのに夜空の雲は、
 
少しも動かない
 
どんよりとただそこに停滞していて
 
まるで私から星や月を遠ざけているみたいだ
 
 
いぢわる
 
 
まっくらな夜に
 
 
もうこんなまっくらな気分の夜に負けないように
 
 
いっそ私から真っ暗にしてやるよ
 
 
次にくるときは、
 
 
オノヨーコみたいなサングラスしてこよう
 
 
けげんな顔で
 
 
これあたためて と、
 
 
わたしは
 
 
私を指差して
 
 
みじめなことを言うかもしれない
 
 
 
月も星も、
 
もちろん太陽もない夜に
 
 
 
 
PB145804