tab el 生命を巡る食の旅 番外編③「地域を食べる」

第18期(2014年12月-2015年1月)

様々なお仕事や、レクチャー、薬草のリサーチで、色んな地方を訪れます。
自分自身が大阪という濃いローカルを持っていて、とても好き…ということもあるかもしれません。
旅をすると新しい関係性が生まれたり、新しい視点を持てるのが、たまらなく楽しい。

行き先では…
  出会う街、人、文化を尊重し、敬う気持ちで接すること。
  そして、異なることに興味をもって積極的に関わり、楽しむこと。
  ご縁あってその場に来れていることへの感謝をすること。

そうしていると、必ず旅はぐんと素敵なものになります。
通うほど、”行く”から”帰る”になるのも嬉しい。

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東京中心の政策•経済•価値観からローカルに関心が移る過渡期の今…
地方には可能性が満ちている…と、同時に、
地方は既にかなり瀕死の状態である場合も多い。
(特に、先週末の選挙の結果が出てから、悲鳴が強く聞こえるようになった所も見受けられます。)

危機の理由は様々で、高校や大学がないとか、やりたい仕事ができないとか、
習慣や人間関係で自由にできないとかで若い人が出て行ってしまう。
地場産業が時代や状況、ライフスタイルの変化についていけずに苦戦しているとか…。

おじいちゃん、おばあちゃんたちが都会や若者に対する強い劣等感を持っているのも、
結構深刻な気がしています。
”都会への憧れ”が転じ、”自分たちの村には何もない”と、
仕事も知恵も、自分たちの後を継がせたがらない人がいる反面、
後継者不足で困っているところも多くあります。
(前者の場合は”余所者に褒められる”、”好奇心いっぱいの目で若者が教えを請う”が有効。)

それに伴って文化や技術•知恵も消えようとしているので、色んな意味で危機。
日本の宝であるので、それは大切に受け継ぎたいと思い、
私は薬草を祖父母世代から学び、仕事を作ることにしました。

私たち世代と、祖父母世代はコミュニケーションの方法が違うのと、
話や行動、仲間に入るまでのテンポが違ったりするので、
丁寧に、根気よく信頼を築く必要があります。
意外な人間関係の問題が噴出したり、思った以上に時間がかかったりもしますが…笑
ローカルでのお仕事は、こちらも学びが多くて魅力的です。

地域で商品を作ろうとするとき、
まずは地域に既にあるものを知ることから始まります。

土地や気候•環境•歴史によって採れるものも生活も変わるから、
食はとても地域の特色を出しやすい。
多くのひとが興味もあるし、作りやすいし。

農水省が六次産業化を推進するようになり、どの地域でも新商品開発が盛んです。
地域のものの商品は競うように次々出て、売れるものに習って作り…
たくさんの場所がコピーを繰り返すことによって似通い、埋もれていってしまいます。
成功事例を学ぶ事も、寄り添う事も良いとは思うけれど、
少し進化させなければ先に出たもの以下のものになる可能性は高い。

商品が生まれる理由であったはずの、目的と手段が入れ替わっている時もあるように感じます。
商品を生み出すのは簡単だけど、売れ続けるのには別の感性が必要です。

六次産業化は一次+二次+三次=六次産業という語源ですが、
うまくいくには三次産業の専門能力がとても重要だとしみじみ思います。
経営も、リサーチも、ブランディングも、PRも、デザインも…
複数の領域が複雑に絡んで来る。

一次•二次産業の人からすると未知の世界だという三次産業。
だから、新しいつながりが必要になるんです。
それゆえ、多くの人が関わりたくなる、強い必然性がある方がうまくいくのだと思います。
(チーム構成の時点で、結果がほぼ決まる気がします)

ある人がローカルの地域活性のための対話の場を設ける時に、
”答えが出なくても良い”としていました。
行政も企業も、”報告”があるためにすぐ答えを求めがちだけれど、
対話することが大切なのだし、その種がいつか花開くことがある。

ローカルでは特に、急がば回れ。
ゆっくりお茶を一緒に飲みながらお話しする事が、
大切な始まりと進展になっていくんだと思います。

そして”通える田舎”をつくり、たくさんの関係地をつくることが、
日本全体をもっと豊かに、健康にしていくことにつながると信じて、
これからも関係し続けたいと思います。

末端まで芯部と同じく暖かい血液が巡ることが健全なのは、
生命体も一緒。