さびしさばかりたべていきる

第26期(2016年4月-5月)

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どうやってここへ来て なぜここに居て どうやって生きていくんだろう

からっぽで何もなくて何も見えない

人との繋がりや社会の中では 自分が居てはいけないような息苦しさと不安を感じ
正しく健やかな人をみては 自分の愚かさが露になる
ニュースは世界の理不尽さや悪意や混乱を伝え それが自分の中に育とうとする
失う恐怖と悲しみは私を飲み込み怪物になって 自分を守るために 言葉をナイフに変えて振りかざす

静謐な湖のような穏やかで静かな日々を求めるのに
荒れ狂う嵐の波に溺れている

自分が生きることの不自然さと違和感が苦しく
それは自分の愚かさや怠惰や甘えや努力不足だと責められ
自分を閉ざして遠くへ行くことで耐えるような日々だった
自分の事も他人の事も信じず受け入れていなかった
触れられたくなかったし触れるのは怖かった

ひとりきり自然の中にいるときだけ 私は呼吸ができた
植物や動物に触れるときだけ 慈しみを感じられた

ある日 この生き辛さは幼少期の経験によってもたらされた呪いであり
病名が付くことを知り こみあがる後悔で胸が苦しくなり
申し訳なさと不安と混乱で 泣き崩れた
病気であることをずっと許されていなかった

だけど私は病名があったことに安堵した
なぜ苦しかったのか これからどうすればいいのか 知ることができると思ったから
気づくまで 長かったなあ そう思うとまた泣きたくなった

ほんとうはね

だれもいない ずっと ずっとずっと遠くへ行きたかったけど
安心できる あたたかな 布団へ 帰りたかったのかもしれない

ひとりきりになって 透明なおばけになりたかったけど
手をつないで ここに いてもいいと 思いたかった

きっと誰にも届かないし 誰にもわからないと思っていたけれど
誰かに届いて 訊いてほしかったのかもしれない

面白いことや 楽しいこと きれいなものを教えて欲しかった

生きていてもいいんだよと 許されたかったね
大丈夫だよと 言われたかったね

いのちが踊りだす 自由なこどもで いたかったね

ねえ 大切だから ここに 居るんじゃなかったの
愛おしいから それでも ここに 居るんじゃなかったの
自分を 誰かを 影を 光を 植物を 風を 動物を 鳥を 心を 体を

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——

全9回読んでいただきありがとうございました。
最初にお声をかけていただいたときは、私にできるだろうか、
何をどう書けばいいのだろう、という思いで悩みましたが
結局は自分のことしか書けないのだと考え、自分の中にずっと浮かんでいる
出来事について書くことにしました。自分の”生き辛さ”にまつわる事柄です。
こういった苦しみやネガティブな考えは多くの人にとって馴染めなかったり
あまり気持ちよいものではないだろうと思いながらも、誤魔化したりすることなく
だけどストレートになりすぎず、”読めるもの”として書こうと思いました。
誰のために、かといえば書くことも撮ることも基本的に自分のためなんだろうと思います。
自分のことを探り、形にするという作業は簡単ではありませんでしたが、
自分を客観的に見ることで発見などもあり、また他の人の目に触れたり
そこから考えが発展していく様子はとても興味深く面白いものでした。

自分のことを見せるということの恥ずかしさや、拒否や批判をされないかという怖さでいつも緊張していましたが、
毎回レビューのふきさんの本当にやさしく柔らかい文章にいつもあたたかく嬉しくなり励みとなりました。
折に触れやさしく声をかけていただき安心して連載を続けることができたのはかおりさんのおかげです。
また、管理人の森山さん、鈴木さんにもお世話になりました。
そして記事を読んでくださったり、感想をくださった皆様にもいろいろと考えるきっかけとなり感謝しております。
このような機会を設けてくださり本当にありがとうございました。

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