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2F/当番ノート

「いつまで音楽続けるの?」て聞かれると

当番ノート 第32期

「いつまで音楽続けるの?」「どうなりたいの?」

要は将来のビジョンとか目標とかを問いたいのだろう。それでも、どう答える事を求めているのか迷う事が多い。ちょっと長く深くなりすぎない程度に、答えになるかどうか分からないけど気持ちを紐解いてみる。

ある時、知り合いがライブを見に来てくれた時に私に言った。「ちょっとひどい言い方かもしれないけど、自分はミズハちゃんの歌を聞きに行ってるんじゃない。音楽に対する姿勢や活動に対して取り組む姿を見に行っている。」と。何だかとても嬉しかった。もちろん自分の歌や楽曲を褒めてもらえるのは嬉しい事だしそれが目標なのだけれど、ある意味それらの評価は「自分が納得するか」という観点の方が大事であって。だからこそ自分ではない周りの皆様に感じて欲しいのは「アワウダミズハがそこにいる意味」なのだと気付いた。私にとっての意味、そしてその空間を共有してくださった皆様にとっての意味。ここに意味が残る限り、そこに意味を残す様に自分は歌を歌い続けたいと思っているんだと気付いた時だった。それは私の歌いたいっていう欲望だけではないものがそこに共存しているからこそ、私の一存だけで線を引くことは出来ない気がしたのだった。

「表現」は個人でするものじゃないと私は思っている。発信する側と受信する側とがいて初めて成立する。少なくとも自分がしたい「表現」は、その二者が対等な位置関係にいてこそ成り立つと思っている。二者が共に「自分」という事だってあるだろう。自分で歌を書いて、後に時間が経って改めて自分自身言い聞かされる時も少なくない。そんな時だけは「いい事歌ってんじゃん」てちょっと褒めてやる。たまにはそういうのも大事。
今回このアパートメントでの連載のお話頂いた時に「よし、やってみよう」と思ったのは、文字で表現する事への挑戦だった。歌の中でいう文字は歌詞にあたるけど、それとはまた違う。メロディはない。スマートフォンやPCの画面に並ぶ文字たちは、電車やカフェ、お家や布団の中?様々な場所で読まれるんだろう。どこまで自分の考えを伝えられることが出来るのかと。どきどき8割、わくわく2割でスタートしたのが少し懐かしいくらいだ。

そしてその連載と同時に始めたものがある。初めてのクラウドファンディングである。クラウドファンディングとは、て説明し始めちゃうとちょっとあれなので、概要などなど詳しくはこちらを一度読んで欲しい。すっごーく簡単に言うと「アワウダの発信しているモノたちに賛同出来たらぜひご支援ください!お願いっ!」という事なのです。お金が欲しいっていうより(そりゃお金は欲しいけど)”伝わった”という成果を数字で見てみたいという気持ちから始めたワケで、苦戦しながらも沢山の学びと後押しがあって充実している。挑戦期間は5/25まで。成功出来るかは分からないしまだ終わってもないんだけど、挑戦して良かったと感じている。

どこまで伝わっただろう。どこまで読んで下さる皆様の中に意味を残せただろう。連載も次が最終回。クラウドファンディングの挑戦期間まであと3日。自身にとっての意味を残すために、最後の最後まで突っ走ります。

粟生田水葉

粟生田水葉

粟生田水葉(アワウダミズハ)

1987年生まれ。東京都出身。

うたを作って歌っています。
たまにちょっと踊ります。
美味しいものと人が大好きです。

Reviewed by
猫田 耳子

わたしの創り出す絵や言葉、その他諸々の物質すべて、わたしとは切り離して語られてほしいし歩きだして欲しい、なんなら生まれ直して欲しいとすら思う。
けれど、どうやったってそれらはわたし個人とは残念ながら切り離されないものなのだ。
たとえわたしが死んだあとですら、表現はいつまでも私の元を去らない。

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