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2F/当番ノート

私が日本人に知って欲しい「ネウボラ」

当番ノート 第34期

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    私が日本人に知って欲しい「ネウボラ」

 えっ!??ネウボラってなに?って思いますよね、私もこの単語がサラッと言えるようになるまで時間がかかりました(笑)ネウボラはフィンランドにある出産妊娠子育て支援センターです。簡単に説明すると、妊婦と幼児への知識豊富な保健師さん(ネウボラおばさん)が妊娠が解った段階から就学前児とその家族の相談や定期検査をする施設です。
 
 フィンランドの女性は妊娠したら、まず近くのネウボラに連絡をとり面接のアポイントを取ります。ネウボラでは妊婦一人ひとりに専属のネウボラおばさんが付き、妊婦の経過チェック・両親の子育て意識構築援助・妊娠期の不安改善・両親学級の告知・両親の栄養生活指導などを行います。また、ネウボラに行くと国からの支援物資として、妊婦はマタニティーボックス(ベイビーボックス)か現金を選んで受け取ることができます。このボックスは三ヶ月くらいまで赤ちゃんが寝られるベットの機能を持ち合わせ、中には初産に必要な肌着やロンパース、タオル、衛生キット、外着ジャケットなどが入っていて、どんなにお金が無くてもこれさえあれば、なんとか乳幼児を育てて行ける量が入っています(双子だとBOXは3個貰える権利が出ます、洗い物とかお母さんの負担を軽減させるため多めに支給)。お金持ちにも低所得者にも同じ物が配られます。
 出産後初回は家庭訪問がおこなわれ、それ以外は基本ネウボラに出向いて検診を受けます。出産から1年の間に基本10回のネウボラ検診が行われ、子供と親・ネウボラおばさんは、子供の発育状態・親の悩み・兄弟との関係性はどうかといったチェックを行います。何か問題や悩みがあった場合は、適した対応ができる医療機関やケアワークショップの参加等を促し、状態の悪化を防ぐようフォローして動いていきます。1歳以降は就学前までに6回ほど通い、成長に合わせた検査をおこなって、言語聴覚療法士や理学療法士のケアが必要かどうか等を見ます。これがネウボラの簡単な実態です。
 フィンランドでは現在、男性の育休取得が普通になってきています(でも、実際取る人が増えたのはここ20年くらいらしいですが)。出産後3ヶ月程度、育休をとり新生児と妻のケアを男性がする。奥さんの職場復帰に合わせて次は自分が育休を取る。最近はこう言う形の夫婦の考えが浸透してきているようです。だからもちろんネウボラにも男性が通ったりすることは珍しく無いです。
 “ネウボラに通う”これって回数も多いし、億劫な気がすると思う方もいるかもしれません。でも日本でも産婦人科に通いますよね?そこをネウボラに変えるんです。フィンランドでは医者の問診等は通常なら出産までに1.2回、出産後は問題が無い限りあまり会いません。
  
 フィンランドのベイビーボックス、気になりませんか?コレ日本でも買えます、フィンランド国が渡している物ではないですが、フィンランドの人達が国外向けに販売しています。私はどうしても本物が見てみたく、タイミング良く妊娠した妹の妊娠祝いに買いました、私には本当に良いお値段でした。
 でも、届いた時・箱を開けた瞬間・中の品を皆で出す作業は最高にワクワクしました。そして、心の底からお腹の中の姪に向かって「早く出ておいで!!私達は貴方がこの服に袖を通す日を楽しみにまってるよ!!!!!」と思ったのです。親じゃない私ですらまだ見ぬ姪っ子を大切にすると誓ってしまうくらいテンションが上がったのです。
 以前書いた、私の家に泊まっていたフィンランド女子にボックスについて私が訪ねたとき、彼女はものすごく素敵な笑顔で「母親になったら絶対ベイビーボックスを選ぶ!母子手帳とBOXは女性の階段をまた一つ登れた証しだもん!だから、妊娠はいつかしたいものなの♪」と私に説明してくれました。私は彼女の顔を見ながら話しを聞き、ネウボラの意味をさらに深く感じることができました。そして、妹の元に届いたベビーボックスがもしも日本の国からの贈り物だったとしたらと想像して「国からこれだけ“赤ちゃんを楽しみに待ってるよ!!”と言うムードを出して貰えるなら、私も妊娠出産に憧れるだろうなぁ~~」と素直に思いました。

 さて、ネウボラを取り入れたら、きっとこんな良いことが起こるんじゃないか?と思う点を少し挙げたいと思います。
☆生まれる前から就学までの全ての子供が把握される仕組みなので所在不明児童はいない。
☆全ての妊婦さんが通うので、ママグループとかに参加苦手な人へも、支援情報が伝わりやすい。
☆望まない妊娠をしてしまった人への対応も、妊娠期から心のケア等細かく目を配れる。
☆ママやパパのストレス具合を、早めに気づけるので虐待やDV等への悪化を未然に防ぎやすい。
☆発達障害や疾患も早い段階から専門の機関へ相談できるので、親がひたすらに不安を抱える状況が少なくなる。
☆親の子育て不安が出てきたときに、すぐ相談できる人がいるので親のストレスが軽減される。
☆親のストレス・不安の減少で、児童保護施設に入れられるケースまで親子関係が悪化する事が減少する。→その辺に投入されている税金も必要なくなっていくので、他に回せるようになるはず。

私がざっくり想像する良い点です。
これを取り入れる為に、私達が頑張らないといけないことは“きっと”こんな感じ。
★知識範囲の広いネウボラおばさんが大勢必要なので、まず人材確保。働き手の人達の、見合った給料の安定化
★ソーシャルワーカーや医療従事者・地域の連携のスムーズ化
★これらの資金調達の為の(きっと)増税等

でも、国や地域が新しい日本を担う子ども達の為に、増税したものを本当にしっかり使って、私達の子や孫がそれらを実感できるならば、私はその為の増税を受け入れたいとは思います。北欧の人が高額な税金を納められる理由は、国がしっかり国民に体制として返している事が実感できるからだと思います。

とにかく!!このシステムが日本にあったら、この国の子育て環境はかなり変わっていくと思うんです。だから今は多くの人にネウボラを知ってもらいたいと思っています。ほら、口コミの力は偉大なので♪
なんか、今回はひたすらにネウボラPRになってますが、このシステム入ったら、子育ての不安や悩みは結構改善されると思うのです。
次回はいよいよ最終回です。
なに書こうか決めてません!!!

*ネウボラに興味を持った方、ヘルシンキ市が作ったネウボラ紹介動画はこちらです*
https://www.youtube.com/embed/z5mkMlwqMiE

*百花園イベント情報*こごが本業です!!
9月17日から“萩まつり”が始まります、百花園の萩のトンネルは可愛く幻想的ですので、お時間有りましたら是非おいで下さい。終末は来園者の方が増えますので、平日動ける方は平日がお勧めです。終末は萩を見るより人を見る事になるかもしれません・・・
http://www.metro.tokyo.jp/INET/EVENT/2016/06/21q6r100.htm

10月3・4・5日は“月見の会”夜20時30分まで開園して、中秋の名月を味わえます。茶亭さはら ではビール・焼き鳥等の軽食も販売いたします。お時間有りましたこちらもぜひお勧めです。
http://teien.tokyo-park.or.jp/contents/info032.html

まどか

まどか

東東京にある、よく言う下町在住です。生まれも育ちも墨田区東向島。二十歳から実家を出て
大田区→スイス→白金
と移動して二八歳くらいから墨田に戻ってきました。今は家業のお土産物屋をしながら、墨田の飲み仲間とゆるゆるとでも濃密に地域の事やら、子育ての事やら(私は子無し)数ある土地で墨田区を選んでくれた人達が少しでも楽しく生活できれば良いかなぁ~と思いながら動いています。

Reviewed by
猫田 耳子

わたし自身、出産や子育てには未だピンと来ていないけれど、それでもなんとなく付けたい名前だけは静かに温めている。
なぜなら名前というものは、生まれてからその生を閉じるまで、ずっと抱え続けるお守りのようなものだと考えているから。
親から子へいちばん初めに、そしてなによりも長く持ち続ける贈りもの。
「あなたがこの先の人生でどんなにくじけることがあったとしても、わたしたちはこの世界にあなたが来たことを歓迎しているよ」
という気持ち。

そんな想いが親からだけではなく、世の中の様々なところから溢れればいい。

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