006 刺繍

ギャラリー・カラバコ

今日の満月は雲の向こうに蒼く見えている。
あんなに高いところにある雲は、氷の粒だろう。
うっすら透けた月は甲殻類の背中みたいだ。
月にはうさぎがいるというけれど、そこには何が書いてあるのか。
昔のひとはその模様を読み取って、未来のことを占ったのではなかったか。
いや、それは亀だったかもしれない。

夜気を拭い取るように、ギャラリーの扉を開けた。

〈前回までの展示〉
『縫い目』
『つむじ』
『鏡』
『耳鳴り』
『植物園』


「刺繍」

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絵: 古林希望

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文: カマウチヒデキ

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共通のタイトルだけを手がかりに2人の作家が絵と小説を別々に制作し、掛け合わせていく企画「ギャラリー・カラバコ」。
次の満月の日をお楽しみに。

Exposition Past              :Exposition Upcoming
01 桟橋                  :Getting Ready….
02 物差し
03 帯
04 時化
05 吃り
06 影絵
07 隠者
08 ウミネコ
09 うぶすな
10 蟹
「ギャラリー・カラバコ」あとがき対談 2017