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2014年6月の相席(記/小鳩ケンタ)

イルボンと小鳩ケンタの空席商会

◇出てくるひと(順不同・敬称略)
イルボン(gallery yolcha車掌/詩演家):以下、車掌
小鳩ケンタ(詩人):以下、鳩
小澄源太 (アーティスト、プロダクト:yes!yes!非非 企画監修):以下、源太
福永奈津(プロダクト:yes!yes!非非 デザイナー):以下、奈津

◇◆◇◆◇
【2014年6月の相席】

2014年6月5~15日、小澄源太×イルボン「被んぶりあ紀」
yolcha内にて

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「被んぶりあ紀」展DM

源太:二人とも詩人さんって聞いて、いつから会ったんかな思て?

車掌:あー、割と…。

源太:ずっと前?

車掌:最近。

鳩:1年くらい前?

車掌:そんな事ないやんかあ、2、3年前から来てるでしょ、ここには。

鳩:あ、そう。すいません。

源太:「詩人を目指す」とか、やって来たんかな? なんか(俺が)絵をやり始めた頃は、25(才)までになんかやって動かんとヤバいって思ってて、何が出来るか探したあげく、絵しか無いと思って個展して…。

車掌:ほー。

源太:20代前半で何かやりたかって、それまでバイト一本で。でもすごい尊敬してる人は何か20代前半で行動起こしてるって事に気づいてん。で、20代前半で何か行動起こして失敗してても、それが元でこれが出来ましたとか…。何か、やってるなー思て。

鳩:そんな計画的な考えかたをするタイプの方なん?です?

源太:いやー、ちゃうちゃうちゃう。

車掌:割とね、話聞いてたら。

鳩:バランスがいいですよね。

車掌:割とね、話聞いてたら、30でこうで、40でこうで、みたいな話されるから(笑)

源太:25て、でもだいぶ遅くない?

車掌:25で描き始め?

源太:25で、何かアクションをしたい、自分から。

車掌:初個展が25ですか?

源太:うん、25 本当は24にやりたかったんやけど、誕生日終わってから2週間目ぐらいにやった。

(中略)

鳩:詩人ていうのは目指すとか目指さないとか(無い気がする)

源太:うんうんうん。

鳩;まあ何でしょう、植物で言うとマリモみたいなもんだから。

車掌:分からん(笑)

鳩;何というか、どうしょうもないというか。色々やった中で、19才ぐらいの時に僕が使える武器で、唯一ちょっとだけまともなのは言葉なんかなと思ったんだけど、役に立たない武器だから、詩ていうのはもう止めたんですよ完全に、大学卒業すると同時に。

(ここで福永奈津さん登場)

車掌:今(小鳩さんに)ご夫婦でyes!yes!非非(※注)されてるっていうのは説明しました。

奈津:あー、はいはいはい。

車掌:今回僕以外は全員(1974年生まれ)同い年。

鳩;お、いいですねー、珍しく(イルボンさん)下なんですねー。

車掌:何か、うれしいです(笑)

奈津:イルボンさんいくつですか?

車掌:僕78年。

鳩;だいぶ若いですねー。

(中略)

源太:んでね、さっき何で(詩人を)目指す、とか聞いたんは、俺も目指してなかったから。「絵ってどやって目指すんですか?」とか聞かれて、詩人さんとかやったら余計に「詩人てどやってなれるんですか?」って子がおったら、何て答えんのやろうと思て。

鳩;残ったものがそれしか無かった。

源太:うんうんうん。

車掌:僕もそうですよ。

源太:それを19とかの時に認識出来るってスゴない? 俺には武器が詩しか残ってないなって認識出来る?

奈津:そやな、他があかんていうのが既にその時点で分かってるていうのんが。

鳩;(笑)うっすら分かりかける年なんで、もう繊細な、痛みを伴う作業。

車掌:(笑)遠回りしましたね、小鳩さん(笑)

鳩:何が?(笑)

源太:でも、マイノリティちゃう?そういうのが分かる子なんて。

鳩:分かったんだけど、こんな詩みたいな(報われないものに)かまってるのは嫌だと思って、他にもあるんじゃないかと色々探したんです。

源太:あー、そかそかそか、ちょと分かる気がする。

鳩:んで、全部止めたんですよ(詩も何もかも10年間)、でも35才ぐらいの時にまず、清志郎さんが亡くなって、こりゃダメだと思って。そん時ブッダが悟りを開いてみんなに伝え出したのが35才だと読んで(笑)何か知らんけど、来たと思って(笑)

全員:(失笑)

車掌:(僕、今)ちょうど35ですよ。

鳩:あ、今? 腹立たしいな(笑)そういうね、余裕を持った若人の発言が最近腹立って仕方ない(笑)どいつもこいつも若いうちから成功しやがって。

奈津:(笑)

車掌:成功したいと思ったら、詩なんてほんと目指さんかった…。

源太:そやな。

車掌:ほんとに、そこくらいしか残されてない。

鳩:追いやられた感が半端じゃないんですよ、詩人は。

源太:絵もそういうとこあるけど、絵どころの騒ぎちゃうね。だって(お客さんを)集めにくいぞ、アピールしにくいぞ、なかなか。

鳩:でしょ…マイナスイメージの固まりですからね。

車掌:あと、常に他のジャンルに対する羨望のまなざしが!

源太:でも何か、言うたら劣等感抱えてるっ時って、クソー思いながら何か、飛び道具が出て来るやん。

鳩:それはもちろん分かるんですけど、恵まれたジャンルの人の発言だよね(笑)詩人っていうのは、苦しんで飛び道具出すじゃん、でも結局詩人の中で出す訳だからさ。

車掌:だから要は、詩書いてる人しかさ、詩なんて、例えば朗読会しても聴きに来ないし、そういうのが僕は面白くなかったから、ちょっとそっちのコミュニティからは外れちゃった。

源太:うんうん、でも偉いと思うけど。

車掌:絵を選んだっていうのは、どういうきっかけ?

源太:ちっちゃい頃から描くのは多分好きやったけど、それで何かを世の中に訴えるっていう認識は無かったんですよ。描いて来たものを友達に自慢するとかもほとんど無くて、延々と、結果気がつきゃ部屋に溜まってただけで。でもさっき言ってた、20代前半にアクション起こす時に、俺には何が出来るんやろうと探した結果、でもその探すのも、バンドやってみようかとか、何々してみようか、とか…。絵は気づかへんねん、絵が武器になるって気づけへんくて、ほんで悩んで、あともう2週間で期限切れるーみたいな、何か分からんけど俺の中で決めてて。

鳩:(笑)ギリギリまで選択の可能性があったの?二週間前。

源太:言い過ぎかもしれんけど、実際には一ヶ月前とか。

鳩:でも、パッション的にはね!パッション的には。

源太:そんなレベルやった。

車掌:それを、奈津さんはどういう感じで見守ってたん?

奈津:その時ちょうど一緒じゃなかってんな?

源太:ちょっと別れてたっけ。

車掌:別れてた時期に悶々とし始めた(笑)うまいこと出来てんね。

全員:(笑)

鳩:小耳に挟んだんですけど、17(才)で会って。

奈津:そうですそうです、高校の同級生で。

鳩:んで、一回別れたん?

奈津:そうそう、5年つき合ってて、3年別れてる間に絵描きになってた、みたいな(笑)

車掌:後から再会した時に「あ、やっぱ(アーティストになったんや)な」とか思いました?

奈津:どういう感情やったんやろ。

源太:いや、こっちは(と奈津さんを見て)未だに同級に見てるから、絵描きとか特別なアレでは見てない。

鳩:出会った頃の感じ(のまま)で。

奈津:そうなんですよ。絵描きの小澄さんと結婚してる人って見られるけど(笑)

源太:無茶苦茶ですよ、ホンマに無茶苦茶。奈っちゃんの友達が俺の絵すごく好いてくれてて、ちょっと家買ったから絵欲しいねんけどって言うてくれて「お、俺うれしい!」思て、でも作家やからなんぼですよ、これくらいですよって言いにくいから奈っちゃんに任しててん。そういう仕事。ほな、奈っちゃん結局その子に、その友達に失礼やから売らなかった…。

奈津:(笑)

源太:俺の絵を渡すのが失礼やから。

奈津:そこまで言うてないけど(笑)…何か自分の、こっちの人が描いてても(と源太さんを見る)一緒におるから自分の…自分のものとかじゃ全然ないけど。

鳩:たいした事無いと思ってるっていうのは、色濃く嫁さんには現れるっつうね。

奈津:(笑)

車掌:お二人(源太、奈津)は一緒に作業してるじゃないですか、それがどういう感覚なんか?(聞きたい)

鳩:ね、それがすごいよね。揉めないですか?

源太:血みどろ地獄みたいな(笑)

全員:(爆笑)

車掌:どこで折り合い付けてるんですか?

奈津:いや、まだその途中段階(笑)

鳩:でも(奈津さん)朗らかですよね。

奈津:いやいや(苦笑い)

源太:家の映像が出て来た(笑)

奈津:(笑)

源太:朗らか? う〜む? 

奈津:アハハハ!(手を叩く)

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「被んぶりあ紀」展より。小澄源太、福永奈津

鳩:この空席商会ね(今日やる前ちょっとイルボンさんと話してて)展示されてる二人の関係から生まれる魅力、みたいなもんをあぶり出したいって言っててね。

車掌:そんな事言ってたかなー(笑)要は、ヨルチャが去年末ぐらいから二人展を軸にしてて。二人展って言っても、初めて引き合わせる二人もあれば、ずっと活動してる二人もあれば、姉妹っていうのも先月やったしー。

鳩:そう、先月急がしすぎて録れなかったんだけどね。

車掌:色んなパターンがある中で、今回初めて夫婦という事で。

奈津:へ〜。

源太:二人展に興味を持ったきっかけって言うのは?

車掌:元々ね、こんな変な、特殊なスペースじゃないですか。いわゆるホワイトキューブギャラリーで出来るような事を、他でも活躍されてる事を「じゃ、うちでもやって下さい」って、同じ流れでやって欲しくないっていうのもあって。で、それこそ一人でもいいんですけど、集客的な面もあるし。

奈津:ふんふん。

車掌:で、やっぱり僕は、最近気づいた話なんですけど、作品より人のほうが面白いってなって来て。

源太:そかもしれん。

車掌:なので、ここの場所を軸にして、はじめて二人の共同作業を始めてもらって、見れるものを紹介したいって、去年くらいから。

源太:お見合いみたいな。

(中略)

車掌:今まで、奈津さんは小澄の嫁みたいに言われて来たんですか?

奈津:ん〜、どなんやろ?

鳩:デザイン担当って書いてましたよね。

奈津:表向きはね(笑)あんま、デザイン出来へん事に気がついて(笑)

源太:(笑)頭ん中にイメージはあんねん、あんねんけどそれを形にする技をまだ知らないってとこがあって…。

車掌:ほー、そう思う訳ですか彼女に(笑)

源太:思う、思う(笑)

鳩:ちょと待って、今日ケンカで終わらないで下さいね(笑)

奈津:(笑)

鳩:今、火薬の匂いがしましたけど。

奈津:だいじょうぶ、だいじょうぶ(笑)

源太:全然たいじょうぶ(笑)いや、でも、何で頼むかって言ったら、、もうそれやったら出来上がってる人に頼むほうが早いやん。もう40(才)やったらそこそこ知り合いとかでもおるわ。

鳩:そうですね。

源太:そこじゃなくて、奈っちゃんに頼む理由つったら、たぶんその、元は持ってる。元っちゅうか、デザイン。デザイン出来る要素とか、こんなんカッコいいとか、気がつく要素とか。クリエイターの生み出す元、みたいな。そこは、めっちゃあると思うし。周り(の人)も、いや、何か持ってんちゃう?みたいな。持ってんちゃう(言われる)時点で、絶対あるよ、みたいな。それはもう一貫して言うてる。

鳩:(奈津さん)ある感じ、しかしないもんね。

源太:そそそ、ある感じしかしない(笑)

鳩:これで無かったらビックリしちゃう。

源太:そやねん。

奈津:それが実はやってみたら、あんまり(笑)

鳩:(それはただの)テクニックの問題なんじゃないん?

源太:そう、テクニックの問題。

鳩:職人の問題っていうのは時間が解決するから。

源太:そう、やから(デザインを)拾い上げる方法とかを、こうしたほうがいいよとか教えてる。そうして力を発揮してもらおうと。

車掌:監修や。

全員:監修や〜(笑)

鳩:(笑)それを旦那から言われるちゅうのは、なかなか〜。

車掌:作品の監修じゃなくて〜、本人の監修(笑)

奈津:アハハハ!

源太:今んとこは(笑)

車掌、鳩:すごい!

鳩:仲良し〜。

源太:気がついたら俺なんかルーティーンでやってきた事やから、どうやって拾って出すかなんて整理して考えた事が無い。思った事はもう、バババッて出来てるっていう。あの〜、イキってるみたいやけど(笑)

全員:(爆笑)

鳩:いやいやいや、イキって無い。

源太:当たり前にやり過ぎて、気がついたら出来てんじゃん、みたいな。でもそこが(奈津は)出し方が分からへん。俺も整理して言葉で伝えやんと、伝わらへんから(教える事を)やってるうちに「あ、俺ってこうなんや」って、逆に認識するというか。

鳩:なるほど〜。

源太:言葉は使うと整理しやすくなる、頭ん中。人に説明してるうちに俺がやって来た事の、癖とか。こういう順序で自分は動いてんねんな、とか。

車掌:逆に言ったら、それは奈津さんでしか成立しない。

源太:うんうん、うん?どいう事?

車掌:彼女を通して自分を知るって言う事は、奈津さんでしか成り立たないんですよね、きっと。

奈津:どうなんかな。

車掌:違う?(笑)

奈津:基本よう(源太さんは)喋るというか。

源太:そう、昔、基本は喋らへんかってん。多分何考えて描いてんのか(周りに)伝わってなかったと思う。

鳩:出されてた本(小澄源太作品集「ハロー自閉症とミラーニューロンvol.1」)に書いてありましたね「喋らない時期があったぜ」って。

源太:う、うんうん(笑)(そんな言葉遣いじゃなかったけど)(笑)

車掌:ちゃんとチェックしてる(笑)

鳩:もちろん(笑)

源太:(喋らんくても)絵で見てくれ、作品で見てくれしか無かったけど、もう知らん間に年取ってるし、同じように困った人たち?…自分と同じようにクリエイトやって「こんなつまずきで考えてます」とか「こんなとこ重たく感じてます」みたいな人たちが、何か喋らんでもその人の詰まってるところが見えるから「そこは俺、こんな感じで解消したぜ」とか、そんなん言える立場になったんちゃうかな?って思って。言うようにしてるというか。

鳩:ほー、僕もこういう大人になりたかったな。

車掌、奈津:笑

鳩:カッコいい、やんな。

源太:うそやんうそやん。

鳩:なんか、アメリカの番組とかで、こういう人おりそう。

奈津:アハハハ。

車掌:見た目も含めてね(笑)

鳩:何か、マイクミルズとか近辺でこういう人おりそう。

源太:あかん。あかん空気やで、上げられる空気や。

全員:(笑)

源太:上げて、上げて、後半落とすんやろ(笑)

鳩:こういう展示を見た後にそういう事言われちゃうとさ、何か、泣いちゃうっちゅうかさー。

源太、奈津:(笑)

鳩:僕、この録音を録る時に、あんまり始まる前に喋ると、あとで喋る事無くなると嫌だからあんまり喋んないようにしてるんですよ。喋ってないでしょ。

奈津:はいはい。

鳩:いいなと思っても(録音前だから)言っちゃダメだと思って…でも今言っちゃう。いいな。

車掌:ややこしい人ですね〜。

鳩:いやとにかくカッコいいなと思って。

車掌:カッコいいですよ(源太さん)

源太:俺、カッコいい事言い始めてんのかな? 過剰反応して、カッコいいは怖い、と思ってんねん。ツイッターとかフェイスブックとかあるやん、あれで出してしまうやん。何か取り殺されそうになる気がすんねん。

車掌:取り殺される。

鳩:ほめ殺しでしょ。

源太:気がついたら、何か言う事はいい事になってる、なるやん。それを言うてくうちに「俺って、こんな綺麗か?」とか思うのに。綺麗な言葉を並べて「はいどうぞ、僕はこんな事を考えてます」って売っていくうちに、俺の綺麗なとこだけ残した文章がどんどん出て行きそうで「これはヤバい」って「絶対抜けられへんようになるわ」って思うから。

車掌:むちゃ誠実ですね〜。

奈津:(笑)

源太:「クソ、あいつまた腹立ったわー」って打てるんやったら健全な気がする。だって、人間の心って一瞬そういう事考えるやん。

奈津:嘘つくな、嘘つくなって、よう言うてるもんな(笑)

源太:「他人に対して誠実であれ」って言う前に、自分が自分でなくなるぞっていう怖さがある。だんだん嘘で取り殺されていく自分が、後で20年困んの、俺やぞって(笑)思うから。

奈津:ふ〜む。

源太:も、アカン!全部本音言うとかな怖い!みたいな…(笑)そんな気せえへん?(笑)

鳩:ちょっと、これ、アレだな。一流のカッコ良さっていうか(笑)

全員:(爆笑)

源太:いやいやいやいや。

鳩:そうですか〜。

車掌:それ聞いちゃったら僕ね〜、何かすっごい生きづらくなる(笑)

鳩:僕もね〜「ハ〜、もう僕ダメなのかもしんないな〜」って(笑)

源太:え、でも、ちゃう?

鳩:言ってる事は分かりますよ。

源太:結局、誰も綺麗な人はおらへんやん、でもめっさ悪い人もおらへん思う。結局、起こってる事はみんなの心で起こってるだけで、どっちを上げるか(選択するか)やっぱり人間てこうせなアカンなと思う事を少しづつ上げていくか、クッソ!あいつめーと力を振りかざすか、どっちを選ぶかで、だいぶ人生変わって来るやん。アーティストなんか特に、濃いやん。ぐわーっと生み出す力が。だからエネルギーの塊やから、間違っても力は振り下ろしたらアカンていう怖さがある…。

鳩:どっちのほう?

源太:怖いほう。

鳩:怖いほうね、うん。

源太:スターウォーズのフォースとダークフォースってあるやん。心のエネルギーじゃないけど…あっち側のダークフォースを振り下ろすと、多分人とか殺してしまうんちゃうか?とか思うやん。

鳩:はいはい。

源太:だから、ええほうを使えよ、と。

車掌:何しか、バランスが素晴らしいですよね。

源太:え、何で何で。

奈津:アハハハ

鳩:喋るごとに、素晴らしい事がバレる人だね(笑)

全員:(笑)

源太:逆に言うと、アレやで、善悪の判断も、分からんまま育った。(と、悪い話、カット)

源太:絶対、今やったら、ツイッターとかでアホな事する奴やったからな(ニュースになると)あれ、俺やーってめっちゃ思うもん。

車掌:僕それやりたくて、出来んかったタイプやから詩を書き始めてるんですよ(笑)

鳩:あー、イエスイエス。

鳩:あ、言っちゃった。僕さ、口癖がイエスイエスなんだよね。最近ね。

車掌:何やそれ。

鳩:さっきから言おうと思ったけどブランド名とかぶると思って控えてた。

車掌:それで、私が非非と言う役なんで(笑)

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「yes!yes!非非」ウェブページより

鳩:ほんでね、元に戻すと、二人の関係から生まれるセクシーさを書きたいな、と。

源太:(急に)奈っちゃん、むっちゃセクシーやな。

鳩:出た(笑)

奈津:うっとおしい。

車掌:こういう所でしか言えないですもんねー。言っとかないと。てか、お互いに何か、まあ無理ですけどー、他人やと思って、どこにセクシーさを感じますか?

全員:(笑)

鳩:そんな事聞くの? 何かアレだなー、無茶苦茶だなーヨルチャ(笑)

車掌:僕やんちゃ出来なかったから、今やんちゃするしか無いんですよ(笑)

源太:奈っちゃんのセクシーさ、どこやろな(笑)

奈津:考えんでええで。

源太:奈津は真面目やろ、ええかげんやけど真面目やろ。

奈津:ええかげんやけど、真面目。

車掌:そこすごいセクシーやよね。

源太:え、でもな、ええかげんやけど真面目やから、物事に対して真っ当に向かおうとする時は真っ当に向かうから、それが真っ当にしてくれへんかったら(俺は)ちょっと凶暴になる、って事に今気がついた。そこはちゃんとせー!みたいな。◯◯◯◯(某熱血テニスコーチ)みたいな。

鳩:バンドとかでそれになるのは分かるけど、夫婦でそれやってるって言うのは…セクシーだよね…。

源太:ま、ガチでぶつかるよな…ほんでうっとおしいやろ?たぶん。

奈津:うん。

源太:暑苦しいうっとおしさを感じると思う。

奈津:言われすぎて、余計聞かれへんみたいなね(笑)

源太:ほんで、ものすごい怒ったあとにセックスすると。

全員:(爆笑)

奈津:そこまでは言わんでいい。

源太:でも大事な事やで(笑)

奈津:はしょって下さい。

(中略)

車掌:明日からもしね、一緒に作らなくていいとなったとしても、夫婦としてのバランスは取れるんですか?

源太:プライベートは全く今まで仲良く過ごせて来たというか。

車掌:ここまで作り上げて来て、それを無くしても普通に行けると。

源太:うん、プライベートやったら、ほとんど文句無かったんちゃうかな。クリエイター同士になった時点で何か、違うスイッチが入んねんな。でも、それは始めて良かったと思うねんけど。

奈津:うちは流れに身をまかせた感じで、そう成らざるを得なかったみたいな感じ(笑)

源太:逃がさへんし、本音しか言わへんし。

奈津:どっちか選べ、みたいな(笑)濃いと思うで、めっちゃ濃いと思うで。

鳩:それは濃いよ…。そんで、作品を出してるっちゅう事は、ちゃんとフィニッシュまで行かないと、ちゃんとならないじゃないですか。

源太:でもまあ、定食屋さんで夫婦でやってるとか。それはまあ、ご飯を目の前に来たお客さんに「食べたいんですけど」ちゅう人に、まあ、カレーとうどんをフィニッシュさせるのと一緒ぐらいやとまずは、考えてます。

鳩:あー。

源太:そんなもんでしょ、だって。

鳩:カッコいい! 僕もうあかんわ。

全員:(笑)

源太:それくらい特別な事でも無いんちゃうか、っていう。

車掌:でも、まあ、あれですよね。二人でやってる訳ですけど、こだわりわね、凄い感じるんですけど、逆に妥協出来る点も多いんでしょ?

源太:俺、でも、妥協しまくってるんやと思う。

鳩:また、男はすぐそういう事言うから…。「私は一個も妥協してない!」って女子に泣かれる。

源太:妥協はあきらめじゃない気がする。

鳩:ていうか、インタビューしてる気は無くて、普通に座談してるんだけど、カッコいいと思いすぎちゃって。

源太:いやいやいや。

鳩:やっぱ40才ぐらいになるとそういう事になってないとダメなんだろうな。

源太:いやいや、そんな事は無い、カッコ悪いのはカッコ悪い。

鳩:自分の中のさ、子供っぽくてダメだなという所はいっぱいありますか?

源太:めっちゃあるけど…。一番コアな部分で言うたら、お金的にはボロボロやったよ。だから大っきいセリフ格好良く言うてるけど、年収なんぼあるんですか?っていうのはズタボロで来たから。そこはカッコ悪いてめっちゃ思えて来て、クリアせんとアカンなと思てる。

車掌:これからね、50(才)の自分て見えてる?

源太:全く見えてない。先の自分てそんなに見えてないんちゃうかな。今やらなあかん事、使命感みたいなんで動く事が多いんかもしれん。(今)40ていう認識があまり無いかもな、昔に比べて精神的年齢は子供になってもうたんと違うかな。子供っぽい服来て楽しめる反面、社会的にやらなあかんかった役割、40才ではやっぱり、これくらいの地域の、言うたらちょっとした問題解決する男にならなあかんかったような。

鳩:地域の問題解決!

車掌:誠実ですねー!

奈津:アハハハ

源太:ここ何年かで言ったら、こいつ何言ってんねんみたいになるけど、もっとさかのぼって室町時代に戻ってまうねん、頭ん中が。

奈津:自分らが子供やった時に40ぐらいのおっちゃんらてどんなんやったかなー?って思ったら、って言う事やんな。

源太:それもあるけど、もっとさかのぼると、室町時代とか。そん時は、村やろ。村ん時は、村が家族っていうのに近かったやん。ほな40以降はもう、おじいやん。一番こう、やっとかなあかん年頃で、今と比べもんにならんくらいの事件を、多分、おさめていった訳やん。そしたら精神年齢俺らよりガンガン上やんけ、みたいな。「自分がこれからどうしたらええんか?」みたいなのを全部クリアした後の、言うたら、村の長やから。そのおっさんたちが(村の)ほとんどの人の頼りやん。「どうしましょか?』って来た時に、「任せとけ!こうするわ!」言うて解決せなあかん年齢に来てる思た。

鳩:なんか、アレですね、ウェブで発言したらいっぱい拍手とかなっちゃう。危ない(笑)

源太:ヤバいなー、ヤバいなー。

鳩:今んとこ、全部カッコいい(笑)

源太:いや、そんな事ないで、、。んじゃ、パンツ履いてない。これで行こか。小5ぐらいからパンツ履かんようになった、3才、4才の頃までオカンのパンツ履いてて、そのパンツを小学5年ぐらいまで履き続けて穴だらけになって「もう履かん方がマシや!」思って、そっから履かない人生になった。

小鳩:(笑)

源太:色々あるで、家庭環境がもう凄かったから。うちのオカンが付き合う男の肩書きによって(貧富の)上下が凄くて。小学1年生で親が離婚して、そっから色んな男性とうちのオカンがお付き合いして、相手によって生活が上がったり下がったり。宝石店の社長さんと付き合った時は、連日連夜、高級寿司かステーキみたいな。ほんで別れたら、冷蔵庫に腐った肉か牛乳しか無くなるみたいな。もうそれを腹壊してでもいいから飲んで、救急車呼んで、震えて、倒れて。

奈津:(笑)それ小学生やろ(笑)

源太:ほんで病院着いてレントゲン撮られんのやけど、全部脱がされて、普通パンツ履いてる所を履いてないと(笑)

全員:(爆笑)

車掌:凄いすね…。その振り幅があるから、何かバランス取ろー!思うんすかね。

源太:振り幅、めっちゃあった。

車掌:だからこその、コミュニティ感覚というか(笑)所属感ちゅうか、何ちゅうか(笑)

奈津:(笑)

源太:うちのオカンに、高校時代の俺はちょっと異常で、描いたやつ(絵)全部壁に貼って、天井も描いて、床も描いて、何か、メモも全部(壁に)貼って、気持ち悪いのもいっぱい貼ってたから(オカンに)「お前は将来、犯罪者になる」みたいな事を言われ続けて来たっていう。

奈津:アハハハ

源太:「何でそんな事言うん!オカン」みたいな…。俺はショックやったんやけど、オカンからしたら親戚中に相談せなあかんぐらい、心配な子供やったみたいな。

奈津:確かに、団地の四畳半の部屋に、絵とか字とか貼ってあって。四天王寺の朝市で日本人形とか買ってくるし、何か昔の日本の軍隊の何か、身につけるものみたいなんもいっぱい買って。

車掌:で、何になりたかったんですか?

全員:(笑)

源太:何になりたいとかじゃないねん。で、テレビで西成の暴動とかやってた時に、俺行かなあかん思て「うりゃーーー!って」行ってるのを夢見て、ソワソワしてた。

奈津:アハハハハー

源太:それで、全部(行く)準備して待ってて、その姿を(奈津に)写真で撮ってくれー言うて。

鳩:おお、もう付き合ってる頃だもんね(笑)結講な時に付き合い出してる訳ですね(笑)

源太:だいぶ痛いよな、だからな。

奈津:そやな。

鳩:どっちかから告白したとかですかね?

奈津:こっちやな(と源太さんを見る)

車掌:そりゃ、こっちでしょう(笑)どう考えても。

鳩:いやー、男と女の事は何が起こってるか分かんないよ。

車掌:彼は周りに仲間はいました?

奈津:いました、いました。

鳩:あー、いいね。

奈津:単に好きな世界感がそういうのやってんな。

源太:右も左もよく分からんまま、うおーって突っ走る子やった。政治的意図は無かった。

鳩:でも今は、狂気的なもの無いですよね。作品の中に全部込めてるからかなー?

源太:でも、ライブペイントとかなるとそれを発散しようとする。そこのステージで、用意された所で、やろうとする。

車掌:ライブは昔からやってたんですか?

源太:いや、でも、そんなに好きじゃなかった。

奈津:でも、ある時からやり方が変わって来たというか…。ただ単に制作風景みたいに描いてる時もあったよな、最初の頃は。

源太:普通の制作風景じゃつまらんよ、っていう事に気づき始めて。絵は副産物でええと、何かもの生み出す時の爆発であったりとか、その感じが伝わればいいなと。「あ、何か生み出す人って、こんな発散をしてるんや」っていうのをまんま、さらけ出して、グワーッていうのが伝われば一番ええかなって思て。

車掌:普段制作してる所の、拡大解釈して。

源太:うん、そうそうそう。

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「yes!yes!非非」ウェブページより

源太:奈っちゃんは奈っちゃんで大変やったと思うよね、ブレるから、個展前が近づいてくるとこのブレが凄い事になって来るんよね、一日前、二日前とかになって来ると、もう訳分からへんくなって来るんよね。二時間前は天才や思ってたけど、二時間後には俺なんか生きててもしょうがないってなるっていうか。

鳩:(奈津さんは)それを見守ってる感じでも、無いですよね。

源太:自然やと思う、そこに何かを感じてる訳でも無いぐらい、自然に。17からおるからかな。

奈津:だから、サポートは全然出来てない。

車掌:っていう意識なんですね(笑)

源太:(絵を)描かれへん時期がめっちゃあって、でも(頑張って)グワーッて描き始めて、めっちゃ集中してても「持って!持って!」って頼んで来るんですよ。あのー荷物を(笑)「絵描いてる奴がそんなに偉いんかー」みたいな感じで(笑)「ハアーー??」ってなるねんけど、そこも分かってないくらい、自然におる。

奈津:アハハハ。

鳩:もしサポートしてる意識があったら、一緒に(創作は)やれないと思うもんね。

源太:背中でものすごいエネルギーで集中してるのが分かるやろ?って感じやのに「持って!」って頼める神経が凄い。

車掌:それがいいんでしょうね!

源太:それがええんやろうなー、多分。

奈津:凄い(調子の)ええ時も知ってるし、全然あかん時も知ってるから、それに振り回されんように、おる。みたいな。

奈津:でも個展前になったら、こっちがどう構えてようと絶対巻き込まれる、エヘへへ。

車掌:〇〇ちゃん(お子さんの名前)はどうしてるんですか?

奈津:〇〇はねー、「お父さんとお母さん、またやってるわ」みたいな(笑)

車掌:特に、うれしいとも、悲しいとも。

源太:基本的に俺、優しいやろ。でも(個展前は)ガチモードの狂ったオトンになってるから、怖いとは思ってるやろな。

車掌:あ、そいうとこは見せてるんですね。

源太:子供に直接見せてるかどうかは分からへんけど、見られてるというか。あいつ(源太)が本気になって「行く」いうたら何があっても「行く」いうのは〇〇、知ってるから。

車掌:いいすね…。何かこう〇〇ちゃん、どうして(育てて)いきたい、とかどういう感じですか?

奈津:う〜ん。

車掌:今、何才でしたっけ。

奈津:もう9才、もうすぐ10才。

車掌:もうそろそろ、面倒な時期に。

鳩:女の子?

奈津:女の子です。

鳩:へー。

奈津:まあ、よそのお父さん、お母さんとは何か違うなっていうのは。

車掌:分かってるんですよね(笑)

奈津:うん(笑)

車掌:授業参観とかも?

奈津:行きます、行きます。

源太:でも、あれやな、お父さんとお母さんの役目があるなー、と思うけどな。俺はやっぱり○○に、こういう時代が来るからこういう風になって欲しいなーと、願いを託すけど、お母さんはやっぱり、子供が安全で安心に暮らせるように、病気とか怪我とか、そういう所に気を使えて、、、俺とか全く気づかへんけど「この子こんなとこに何かできてるわー」とかを発見出来る能力が(子供が)ちっちゃい時から、凄いと思ったけどね。

全員:(笑)

奈津:何の話や。

源太:ホンマ?よう出来とるで、と俺は思ったけど(笑)

車掌:出来てます。

源太:オトンは、どやって遊んだろか?とか、こんな知恵を教えたろか?とかを考えがち。

車掌:もう、すっごい分かりますわー(笑)

源太:そやろ。

源太:お母さんは、この子熱があるんじゃないか?とか、体の気遣いは常に100パーセント波長が合うように子供と一緒におれるから、凄いと思ったけどな。

車掌:すばらしい(と小声で)

源太:俺の家庭も人生も、ちょっとおかしいけど、普通っちゃー普通っていうか。

車掌:それですわー(感慨深げ)

源太:そう、ホンマにそれを言わんとあかんなと思う。アーティストがカッコ付けたらあかんなーって思う。

車掌:それ凄い感じますもん、源太さんに。

奈津:当たり前を望むなー、みたいな事を(よく言う)

車掌:当たり前を望むな(笑)

奈津:源ちゃんとおったら「普通はこうやろー」みたいなんにこだわってたら、一緒におられへん。

車掌:なんか(二人)見てたらー、ストライクゾーンがすごい広い気がして。

奈津:何のストライクゾーン。

鳩:オッケーゾーン?

車掌:そうそう。

奈津、源太:あー、はいはい。

車掌:それが素晴らしいな、思て。

源太:もともと狭かったんちゃう?こういう奴らって(笑)

奈津:狭かった(笑)

源太:そや!濃いだけに、狭かったはずや。

車掌:方向性がよく、分かんなかったんでしょうね。

奈津、源太:うんうんうん。

奈津:私のほうがまだ少し狭くて、それを(源太さんに)外されていくみたいな。

車掌:いいじゃないですか。

鳩:喋っても、喋ってもいい事が出て来るぞ(笑)

奈津:(笑)

奈津:何かブランドやって、自分も出来る人に見られるけど、めちゃ途中段階で。

源太:でもお客さんからしたら「yesyes非非のデザイナーさん!」みたいな。極端な事言うたら、起こらへんけど、ギャルソンとかあっちもデザイナーさんで、奈っちゃんもデザイナーさんで「ギャルソンの服よりあなたのデザインが好きです」っていう人が一人でもおったら、その可能性もあるっていう事を、認識しときやって言う。

鳩:今の言葉で(この空席商会の)最後の言葉にするかもしれん(笑)

奈津:アハハハ

源太:人によっちゃそんな事言うてくれる人もおるやん、そんな人もおる中で生きてるっていう事を忘れやんと。しょうもない事でブーブー言うたらアカンな、みたいな。もう出来へんわーって、腐れたらアカンなて思う。

(中略)

車掌:(源太さん)何かめっちゃいい事言ってたんすよ、この前。

鳩:また!(笑)

車掌:何か、常に全力なんすけど、でも全力っていう所を高くしといて、40%ぐらいを目指してやって行くらしい。

源太:目指すていうか、40%ぐらいしかならへん、多分。口でカッコいい事言うて「俺はやるでー」言うたって、当日なってフタ開けたら、何や言うてた事の40%くらいしかやってへんやんけ、て事にしかならんから。そうなんやったら、100%をでかい事にしとこうと…。(そもそもの)設定を「そこまでやるんすか!」っていう事じゃないと、やるでー言うてても「ごめん出来へんかったー」ってなるに決まってるから、40%ぐらいで収まんのが今までの流れやから、100%の意識自体を上げていかんと、ヤバいってめっちゃ思ってる。

車掌:40%って、分かってるからこそ。

源太:そそそそ、期間こんだけしか無いし、予算こんだけしか無いから、こんだけしましたー言うて、それの40%の出来で、人来て。誰も感動も何もせえへんやん。やから!そこは上げとこう!みたいな。

車掌:そんで、何か言われたんですよね?

源太:そう、デビューしかけの時にイベントの話やけど、10万予算あるからイベントしようやって話来た時に「じゃあ、10万あったらこういう人呼んで、こういう人呼んで、こういうイベントどうですか?」って(いうのはダメで)。10万の予算組んだ時点で、もう人は感動せえへんよって。10万来たら取り敢えず10倍にして、100万の予算でやるイベントをみんなで「これ!しようぜーっ!!」っていうのを組んで「でも結局10万しか無いよねっ」て話をして。その後「これはいい話出たから残したい」って残すと、10万のくせに凄い予算でやったイベントのような「芯」が残るから、そう考えやーって言われて「うわー、絶対そやわー」って!

鳩:はあ〜〜〜〜〜〜、(感銘受けすぎて)しんどいよ〜。

源太:ほんま、25才ぐらいの時。

鳩:僕今回、大鳩ケンタっていう名前で話聞こうかな、ちょっと小鳩には無理だなー。

車掌:(笑)

源太:いい人に、いい事言われたん。(俺)アホアホやったけど、アホアホマンやったけど、そういう人に救われたんあるんちゃうかな…。あ、でもその人も言うてた、俺からしたらカッコ良かったんやけど「誤解せんといてや、俺無茶苦茶やで」って、無茶苦茶やねんから、お前「はあ〜〜」みたいな目で見んなよ!って。「そんなん言われても、尊敬しますよー」って思ったけど。

車掌:そこに(そんな目で見てる人(小鳩))居ますよ(笑)

鳩:(そんな生き方してたら)年齢を重ねるごとに、どんどん(カッコ良く)なってっちゃいますよ!

源太:オチがあんねん、その人ちゃんと付き合ってみたら「お前、無茶苦茶やな」って言いたい所もやっぱ、一杯あった。そのおじさん、傍目でこやって聞いてるぶんには良かったけど、、ボロボロあったから。(でも)それでいい気はする。美化して上げられたら困るな、拡声器で言わなあかん「ちゃうんですよー」って。

車掌:言えば、言う程ですよ。

源太:だから、ホンマ、作品や。最後、作品とか活動の規模で評価せんと危ない。クリエイターはちゃんと口だけじゃなくて、やりよった、ってならんと、口だけお化けになるから俺は怖いなと。

鳩:いいもんね(小声で)

車掌:しゅんとしてしもた(笑)

奈津:アハハハ。

源太:ホンマ過去の集積やな、何年か前に描いた絵を並べてるから。

鳩:こっから、最後まではイルボンさんが綺麗に最後まで(トークを)導いて行ってくれるからね。

源太:出来過ぎた〜? 俺、どないなってんのやろな? いい事言い過ぎなん?

鳩:何の問題も無いすよ、普通の話がしたかっただけで、普通に僕が凹んでいるだけで。

車掌:勝手に話聞いて勝手に凹んで、メンドクサクないですかー(笑)

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「被んぶりあ紀」展より

車掌:(今回の展示を通して源太さんは)無茶苦茶やのに、真面目っていうのが、、痛い程分かる。

源太:分かる?

車掌:(この人に)いついつまでに、こうしてくださいねって言ってもしょうがないなっていう気持ちになっちゃう。全然もう、期限がどうとかより、源太さんがどう料理してくるかが楽しみになっちゃう。最初っから言ってましたよね、これから(一緒に展覧会)やっていくの絶対勉強になりますわーって。実際めっちゃ勉強になった。

奈津:うれしいな。

源太:滅茶苦茶や思うけどな。

車掌:だから、無茶苦茶でも、こんな感じでやって行けるんやなって。

車掌:小澄(源太)さんて、一人の意志で動いてないんですよ。何か凄い、もっと大っきなー、それこそコミュニティとか、人間全体として動いてる気がする。

鳩:そんな感じがするするー、作品からもそれを感じるし。

車掌:社会として動いてる個人っていう感じが凄いするからー、すっごい面白いす。

鳩:何かお面とかも、人との関わりの中で使うというか、、何かあったかいですよね。

奈津:被って楽しんでもらう人の姿とか。

車掌:マスクを被って楽しんでる人間を作ってる気がするんですよ。

鳩:人間が被って、何が生まれるかっていう、空気も作ってる気がする。

源太:そこまで大きく計算は出来てへんけど。

車掌:ナチュラル。

鳩:ナチュラル。

(文責:小鳩ケンタ)

※注
yes!yes!非非:2013年4月よりオープンのプロダクトメーカー。
アーティスト 小澄源太(監修)と福永奈津(デザイン)によるブランド。
http://yesyeshihi.net

小鳩 ケンタ

小鳩 ケンタ

詩人/コバトレーベル主宰

イルボン

イルボン

詩人/詩演家。またはgallery yolchaの車掌。
ジンジャーエールと短編映画と文化的探検が好物。

2006年、第一詩集「迷子放送」を上梓。
2007年、自らの詩の語りとパフォーマンスに半即興的に音を乗せる、活劇詩楽団「セボンゐレボン」を結成。
2010年、大阪で多目的ギャラリー「gallery yolcha」を運行開始。

※gallery yolchaは、大阪・梅田近くの豊崎長屋(登録有形文化財)に位置する特殊な木造建築です。この屋根裏部屋とバーカウンターがあるギャラリースペースを使って、共に真剣に遊んでくれる作家を常時募集しております。詳細は上記リンク先をご覧下さい。

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