当番ノート 第22期
「何をやってもうまくいかない時は、神様がくれた長いお休みだと思う。」 昔ヒットした「ロングバケーション」というドラマに、こんなセリフがありました。 早稲田を中退し、フリーターをしながら漫画家を目指していたころの僕は、まさにロングバケーション真っ只中で、何をやってもうまくいかず、どうしようもない日々を過ごしていました。 エロビデオ屋のバイトをしながら、妖怪がでてくる漫画を描いていました。 講談社のち…
当番ノート 第22期
こんばんは。 杉田廣貴です。 今回は、前回の続きではなく、今出張先である東北にて出会った1人の職人との学びを紹介します。 今、私が主宰する言葉ギフト.comの個人的な宣伝やトークセミナーのため東北にいます。将来的に、こちらでも言葉ギフト展をおこなうつもりでもあります。 震災があったから、東北の方を元気づけようとか、そういった気持ちではなくて。 ただただご縁があって、そのご縁を大切にしていたいから、…
長期滞在者
すこし前、ブルーム・ギャラリー(大阪)で林直さんの写真展を見た。 いろいろ重層的な意味合いで素晴らしい展示だったんだけれども、とりあえず今はあえて画質のことだけに限って書く。 まさに銀塩感材の精華ここに極まる素晴らしいモノクロプリントだった。今さらながらフィルムと印画紙というものの底知れなさを知る。 写真・映像というのは他のアート分野に比べて道具や材料への依存度が高いので、道具の事情で大きく趨勢が…
当番ノート 第22期
Vin:ワイン。男性名詞。 バッカスに祝福された飲み物。 フランスのワインは、多くの銘柄および畑が男性名詞。ぶどうの品種も、また然り。女性名詞のロマネ・コンティやラ・ターシュなどは珍しい部類です。 それでも、人々は、ワインを女性に例えることが多い。ロマネ・コンティの初代醸造長、ノブレ氏は、ワインは女性そのものだと言っていた。 「愛情の注ぎ方、愛情の量によって育ち方に違いが出る。非常に繊細で多彩な性…
当番ノート 第22期
トーキョーにはミンミンゼミがふつうにいるので最初の夏はわりと驚いた。それまで住んだことのある土地はアブラゼミとクマゼミばっかりで、ミンミンゼミがいるとすれば山奥の涼しいところ、そうでなければミンミンゼミの声なんてテレビのなかの「夏の演出」にきくばかりだったから。だからトーキョーに夏が来ると、ミンミンゼミをきくと、フィクションにいるような気持ちになります。 都会の夏についてのフィクションなら前に…
長期滞在者
高校野球 夏の甲子園大会は今年が100回目だとか。 近年の戦いですと、4~5年前の千葉県は習志野高校の戦いぶり。超一流のエースもパワーヒッターもいない小さな市立高校が緻密なチームプレイで次々と強豪校を破っていったのが印象に残っています。とりわけ初戦の対静岡高校のときに見せた、満塁からのトリプルスチール。つまり三塁ランナーが、ホームベースめがけ飛び込んできて1点をもぎ取ったあのプレーは格別です。 ト…
当番ノート 第22期
500点以上作品が展示されていたはずなのに、1200万円の値札がついた三角形のことしか覚えていない。 LondonにあるRoyal Academy of Artsで開催されているSummer Exhibitionでは、12000作品の応募の中から選ばれた500作品が展示されている。そういう展覧会には、日本にいる時から久しく足を運んでいなかった。 知り尽くした現実と永久に未知の真実、理解不能な評価と…
当番ノート 第22期
#3 不滅のイメージ(後) 不滅のイメージは聖と俗のせめぎ合いだ。 死のもたらす距離は故人を誰彼構わず尊い存在にしてしまい、美化を押し進めていく。遠く遠く、向こう側からもこちら側からも力が届かない土地へ行ってしまい、そうしてあらゆる力が無効になって初めてこちら側が一方的に結ぶことができる協定がある。もはやペンも剣も持たず、脅威を失った存在は無条件に理想化されていく。 ところで一方では俗へと引き込も…
Mais ou Menos
_______________ まちゃんへ 私は幽霊が好きです。 幽霊のただ怖いということや驚かすということが好きなのではなく、幽霊がその幽霊になり得たる理由や、そこに渦巻く物語が好きなのです。 だから、今日、京都の伊勢丹でやっていた“奇々怪々お化け浮世絵展”を見に行って本当に大満足でした。私は、昔から幽霊やお化けにとても興味があって、それが浮世絵になって表現されていることに興味津々で、この浮世絵…
当番ノート 第22期
一週間って24時間しかないんじゃないかと錯覚するぐらい、時間が経つのが年々早く感じてきた今日この頃です。 3回目の本日は、僕の作品にはかかせない印刷について。 仕事で絵を描く場合、大抵は大量生産が前提にあります。デジタルの場合、スキャニングの手間が省けたり、修正も比較的しやすいので、仕事とするにはアナログに比べて有利な面があるかなと思うのですが、1点ものの「芸術作品」という観点からすると、やはり一…
当番ノート 第22期
1999年の春、 三浪二仮面浪人して、23歳で早稲田大学に入った目的は二つありました。 面白い人にあうことと、 夢を見つけることです。 僕は昔から漫画家になりたいと漠然と思っていたので、 漫画サークルに入ることにしました。 早稲田はとにかくサークル数が多く、1000以上あると言われているのですが、漫画サークルだけでも6つありました。 その中でも弘兼憲史や、やくみつるが出身で、有名な漫画研究会の新歓…
当番ノート 第22期
2回目のコラムです。 杉田は、元気です(^^) 先週、用事があって、宮崎県の高千穂に行ってました。 日本の心や文化を学びたく、 長崎の神社に居候していた経緯があります。 それで神社・仏閣は私の大切な場所なんですが、 今月末、高千穂のとある神社の神域で、1晩だけお篭もりすることになりました。 8年ぶりではありますが、1人だけは初めて。 1人、無言で書を書き続けるか、何をするか、今は検討中。 そこで味…