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2F/当番ノート

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当番ノート 第1期

目覚めてからなんだか落ち着かない。
部屋にいても落ち着かないので外に出る。本屋、レコード屋、スーパー、と歩いて昼になり、来たことのない喫茶店を見つけて入る。窓側の席に着くと朝からのそわそわが急に止まった。なんだ。この席に座りたくて落ち着かなかったのか、と自分のお尻を見る。
自分の居場所を求めてさまようお尻。
この小一時間、お尻に街を歩かされていたということだ。

たまたま電話があって落ち合った友人と一緒に昼食をとる。
ホットサンドを食べていた僕を見て、友人も同じものを注文する。

来たことのない喫茶店の窓際のこの席が今日の気分に合うとなぜお尻が思ったのかは知らないが、初めてきた場所なのに十何年間もずっと探し続けていたような気持ちにおそわれる場所がある。
「『デジャブ』っていうやつだね」と友人。間違っていると思うが、流す。
自分の体ひとつ思い通りにならないんだからなぁ、というと友人は「そうだなぁ」と気のない返事をして、また別の話題になり、二時間ほど話し込んで別れた。

明日はどこに腰かけたがるのだか。
なるべく近場ならいいと思う。

中川 雅史

中川 雅史

1978年生。
茨城県土浦市出身。
現在、京都市在住。

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