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2F/当番ノート

またあした

当番ノート 第8期

僕は夕焼けが大好きです。

小学生の頃、よく公園で遊びました。
野球をしたり、缶ケリをしたり・・・
ゲーム機なんてみんなが持っていなかったから
暑い夏の日も
凍えそうに寒い冬の日も
よく表で遊んだものでした。
そんな僕は毎日のように学校が終わり帰宅すると
ランドセルを放り投げて公園に向かいました。
友達が待つ公園へ。
僕の家はみんなで遊ぶ公園の近くにあったので
みんなより早く公園についてしまい、よく一人で待ったものです。

男子だけで遊ぶ時は野球。
大体太った子がキャッチャーで
クラスの人気者がピッチャー。
僕はと言うと背も大きく左利きだったこともあってファーストを守りました。
ストライクかボールか
アウトかセーフか
必ず一回は言い争いが起きたりして・・

クラス対抗で試合をする時には女子が応援に来てくれて
大体の声援は人気者ピッチャーに向けられるのだけれど
でも、なんか、女子が応援に来てくれると嬉しくてハッスルしたものです。

そして女子も一緒に遊ぶ時は缶ケリ。
最初はジャンケンで鬼を決めてスタートするのだけれど
そのうち、一人を陥れ鬼にして
みんなで見つからないようにしたりして・・・
なかなか、みんなが見つからないものだから、べそをかいて泣始めると
女子たちが、男子ひどい!なんて怒られて
うるさい!なんて男子も意地をはって
男子と女子が全面戦争になり何日も口も聞かないことがありました。

よく遊びました。
本当に毎日・・・

日が落ちて
外灯が点きはじめて・・・
そろそろかな
と思っていると5時を告げる音楽がなりはじめて
ひとり・・
またひとりと・・
家に帰っていく。
「バイバイ」
「じゃーね」
そんなみんなが必ず最後に言う言葉
「またあした」
その頃は当たり前のように言っていた言葉だけれど
今考えて見ると、明日につながる希望の言葉のように感じます。

夕焼け・・・
空をオレンジ色に染めて
形あるものをシルエットに変えてくれる。
変わっていった街並みもシルエットになることであの頃に
タイムスリップさせてくれます。
「またあした」
子供の頃感じたあの気持ちを
夕焼けは思い出させてくれるのです。

大野 仁志

大野 仁志

静岡にある街の写真屋の2代目。写真好きなお客様と日々成長していきたいと願っています。

Reviewed by
大野 仁志

あの頃感じた気持ち。夕焼けはそんな思いを思い出させてくれます。

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