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2F/当番ノート

tab el 生命を巡る食の旅 番外編⑥「温度を食べる」

当番ノート 第18期

まだまだ寒さが極まる1月。
我が家は築90年の古民家なので、自然や環境の接戦が繰り広げられています。
断熱材や湯たんぽ、蚊帳など、祖父母の知恵を全力投球して、快適さをなんとか実現したい。笑

寒がりの私は、朝の起動したての冷たい身体に、
暖かいお茶、もしくは汁物やお粥を流し込むのが大好きな習慣。
ぽかぽかと身体の奥底から温まり、細胞や器官が動き出す。
「生きてる」って、しみじみ感じます。

「温度を食べている」
知らず知らずの内に、私たちが食べる時に温度に期待している所はとても大きい。
みそ汁も、カレーも、やっぱり熱々でないとちょっと物足りないですよね。
果物は冷やすと更に甘さを感じるようになるし、味わいまで変わってしまう。

なので、お料理を作る時は出来立てすぐ食べられるよう、時間の逆算を怠らない。
それは食べてくれる人への愛情表現の一つでもあるんです。

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温度は、結構侮れない。
医学大辞典によると、日本人の平均体温は、36.8±0.34℃ですが、
冷え性の人は1度ほど体温が低い状態になっています。

体温が1℃下がることで、なんと免疫力は30~35%ほど低下してしまう。
これは健康にとってかなり大きな痛手です。

ガンになると高熱が出るようになります。
一般的には高熱が続くと危険なので下げるように薬を出しますが、
自然治療派の医師の監修のもと、あえて身体の気が済むまで高熱を出し続けると、末期ガンが自然消滅した!という実例が増えています。
ガン細胞は35℃前後で増殖しやすく、39℃前後で死滅するので、身体を温める治療法も研究が進んでいるのです。

身体も、治し方をちゃんと知っているんですね。

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基本的に薬膳やアーユルヴェーダでは、身体を温めることを健康増進の要になっていると感じます。
胃腸の調子を整えるとか、適度な運動と睡眠とか、季節に合わせた養生も大切ですが。

私も挑戦して、2年前に比べると随分冷え性が改善しました。
実践した事はとてもシンプルで…

 ①身体をあたためるものを積極的に食べる。
  (生姜や紅茶をはじめ、生薬では当帰がすごく効きました)
 ②身体を冷やすものを控える。
  (レストランのお冷ややコールドジュースの注文時に氷を抜いてもらうか暖かいものにする。
   台湾やシンガポールでは、冬のお冷やは「cold or warm water?」とちゃんと聞いてくれます。)

あとはぬくぬくの服を着て、ちょっとストレッチして。それだけ。

実は身体を冷やす物をとらないことはとても重要。
アイスよりも飲み物の方が早く胃に到着するし、量が多いので要注意です◎
冬に冷水をかぶったら風邪をひくのは多くの人が知っているのに、
表皮よりもデリケートな消化器官に冷水を入れたらもっと大変だ!と知る人は意外と少ないのです。

寒い日には暖かい紅茶を。麹たっぷりのみそ汁を。
暑い日には常温のトマトジュースを。(常温も体温より低いので、満足できる温度です)

自然と身体に聞いてみると、自ずと食べるべきものは分かる。

古くからの理にかなっていることも多いけれど、
数十年程度の新しい習慣は意外と検証すると「あれ?」と思うところもあるので、
しっかり疑ってみたいところです^^

Lyie Nitta

Lyie Nitta

食卓研究家。
管理栄養士、中医国際薬膳調理師という新古東西の視点から食をとらえ、料理とその周りにある関係や文化も一緒に提案する。

レシピ開発やスタイリング、ライティングも手がけ、薬膳や調理•ローカルの商品開発レクチャーも行なう。

2014年、国産の植物をもっと活用できないかと国内リサーチをはじめ、薬草茶のブランド「tabel(タベル)」を設立。
同年12月に、ローカルの現在や薬草図鑑のウェブサイトも公開し、薬草のある暮らしや文化をつむぐコミュニティを育んでいる。

http://tab-el.com/

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