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2F/当番ノート

占いのこと

当番ノート 第23期

yyy1

占いよ
その不確定なものよ

占いは、とてつもなく不確定なものですので
当たるか当たらないか、信じるか信じないか、というこだわりのことは飛ばしたいと思う。
納得させることは目的としない。

たとえば、地球がほかの天体と無関係ではないように
潮の満ち引き、四季のあらわれ、昼夜のうつろい、山の実り
それによって
そこに住む動物の繁殖期や植物の成長も影響を受けます。
そこにいる人間も無関係ではない、と占星術は考えます

星の動きによってラッキーが点数化されたり色が指定されるのも
1つの詩の解釈です。(即物的ではありますが)
しかし、あなたに最も影響があるのはその星があなたにどのように見えたか、で
とりあえず、ほんとうの星を見よう。
推奨は10分以上。もちろん、なんとも思わずに終えることもありますけど

しかも私は、どれが何座かなんてろくに知らないけどね

占いは大きく、2つに分けられます。

神託
統計学

統計はここに属する人はこういう傾向がある、といったものです。
(これを本当にデータにしたものなど見たことがないのですが)
性格や相性などがぼんやり測れます。
“火”にあてはまる属性と”水”に該当する属性は混ざらないだろうなあ、といった概念に基づきますが
「相性」は人それぞれによって「何をもってよしとするか」「何に価値をみるか」「こういう子かわいいよね。」の理想がありますのでなんともいえない。

それと、性格が分かる、ということはその人のよろこび、好きな食べ物、作りやすい家の間取りもだいたい予想されます。
こういう人はこういう事やりそうだよね~という憶測が基本なのですが。
インドではアレンジ・マリッジ(お見合い)がメインで
お互いが生まれた時に作ったホロスコープブックを交換して見て、会ったこともない相手の顔つきや身長、足のサイズやなんかを
何でもかんでも書いてある設定資料集みたいなこの本で確認して、そのまま結婚して結婚式の日に初めて顔を合わせたりします。
私はこれの本物を見せてもらったことがないけど、そのように聞いたことがある。
とりあえず、何につけてもホロスコープが信用されているのですが、これは
まわりの者がいちいちゴチャゴチャ意見をぶつけ合わないためにも一役買っているそうです。

さて、
もしあなたが大変な困難に直面した時
大切な選択がいかんともしがたいとき、
「おとめ座は1位!今日のラッキーアイテムはイエローのカーディガン」

「A型の人は几帳面」

ということがどれほど分かっても何の助けにもならないでしょうね。
そのとき必要なのが神託です。
これは、ランダムが基本です。

つまり、ある手順にそって道具を使ったら
なんの意味もないものが突然、意味を帯びて立ちあらわれる(ことにする)
というものです。
たとえば、

引いたカードの絵柄
棒の組み合わせ
神社で引き当てる紙
読めない字が書いてある石の組み合わせ

そこで、
たとえば、カードの絵柄の人に聞きます。
そうですね、
「どうして泣いているのですか」
とか。

棒の組み合わせをみて
渓谷に落雷が落ちるのを見たり

神社で引き当てた紙を見て
何者かに説得される

読めない字に
踊っている人を見たり

ええ、妄想ですよ
でもあなたの決意に、こうだと思い込むことがなかったとしたら、なにかを「決める」なんて
無数の可能性を削り絞って選ぶなんて、おそろしいこと、とても。
占わなくたって、自分は間違っていないと思い込まなきゃやってられませんよ。

それで、
何かを見てとろうとした時
だいたいの人には自分が見たいものしか見えない。
恋占い自体、素朴な希求は占いの白眉ではあるのですが、
その沼には際限がなく、いくらでもお金をつぎ込むし
気に入った結果や、心地いいことを言ってもらっても1,2回じゃ満足しないし、
とにかく不確定性で心を埋めようとしてもまあ、もともと無理なものです。
依存になる時は本人が不安要素を抱えていることに潜在的に気がついているものですからね
とにかく、占いが終結するのは、なにかを自分で思い込んだ時です。

映画「リアリティのダンス」で言っていたけど
「パパ帰ってくる?」
「心に聞いてみなさい」
(お母さんの胸に耳を当てて)
「あっ!帰ってくるって!もうすぐ!すぐ近くだ!」

みたいなセリフ、
本当の答えは心が知っている、というのは意識に上らないけど
潜在的に起こりうることに気がついてはいて、でも言語化されなかったり見えないことにしているもの、みたいな。たまに夢に違う形をとって出てきもする、
でもその実像を知るのって難しいよね。
マインド・トークという頭のなかの言葉を全部排除すると見えなかった微細な情報が見えるので
想定範囲が見えて、つまり上記でいうところの心の声が聞こえることがあるんだけど
それに自信を持つかどうかは、経験値もあるし、
まあでも、結局あてにならないけどね。
心の声にノイズが入ってこない人は瞑想の深みにいて、
突き詰めると未来を知る必要性がなくなっちゃってますからね。

じゃあ、今ここに3本のくじがあるとするね。

家の電気を全て消してお風呂に浸かってみて。

こう言って、

オー
オォー
オォーー

「飢えるほど愛しているのに、むなしい」

「わたしは感情を手放して、踊ります」

聞こえなかった。
もう1回、
もう1回、
目で追うだけじゃなくてちゃんと声に出して

オー
オォー
オォーー

「時は存在しない」

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くじを引こう

いや、燃やそう
今、

もしくは食べてしまおう、ポッキーなんだ実はこれは。

ごめんね。
うふふ、でも、

安売りしてはいけないよ、あなたは星のように美しい。

唐木 みゆ

唐木 みゆ

アニミズムや宗教のことばっか考えてるイラストレーターの、日々のフォークロアなど、なにか。

Reviewed by
はらだ 有彩

子供のころ、地方都市のデパートの最上階にある鄙びたゲーム・センターで貼り紙を見た。
「占い師募集。経験不問!初心者大歓迎!」

多くの女性誌の最後に星占いが載っていますね。
占いでは未来のロールモデルを垣間見る。AをすればBになる。CのためにはDをEする。
なぜBやDやEをするのか?それは渇望があるからです。Aが欲しい。Cになりたい。明日遠足がなければ、やきもきして天気予報をチェックする必要も、照る照る坊主を吊るす必要もない。欲しい未来が、イメージする人生が、楽しみにしている予定がなければ、絶対に検討のつかない未来のことなんて誰も考えないだろう。

唐木さんが文中で触れているアレハンドロ・ホドロフスキーの《リアリティのダンス》では、アレハンドロ少年の人生にみんなが作用しようとする。美しいブロンドでいた方がいいよ。痛みにも負けない真の男になるべきだ。結果として、アレハンドロ少年はそのどちらにもならなかった。ホドロフスキー監督になったのだから。美しいブロンドの美少年にも、屈強な真の男にもなりたくなければ、そのための助言はノイズでしかありませんね。だけど、すべての雑音を迷いなく遮断することがどれほどの人にできるでしょう。
それでもほんとうに自らがブロンドになるか、屈強になるかを選択するのは少年自身です。例えば、明日私は仕事場へ行く予定がある。そして、仮に、仕事場に行きたくないとする。行きたくないとしても、ここは行くべきだろう。そしておそらく行くだろう。社会人だから。関わっている人々に迷惑をかけるから。給料をもらっているから。自分で選んだ仕事だから。クビになるから。と、色んなアドバイスができる。できるが、ほんとうに行きたくなければ、そして実際に行かなければ、それらすべてのアドバイスや予言に拘らずただ「仕事場に行かなかった」という事実があるのみだ。

個人的な話で恐縮ですが、私は過去に2度、占い屋さんに占ってもらったことがある。
一度目は閑静な住宅街に建つ完全なる民家。作務衣を着た普通の中年男性は私を仏像がたくさんある部屋へ連れていき、私の周りをぐるぐるまわり、しばらく考え込んだあとでこう言った。
「この子は占いや祈祷がなくても一人で生きていけるよ」
二度目は阪急沿線の高架下にある喫茶店。ここでは守護霊を診てくれるという。ここでも中年男性が登場し、誕生日や名前などを記入した紙を前に一言、
「君には守護霊はいないので一人で生きていくように」
一人で生きていく。一人で生きていくとはどういう意味だろう。みんな一人で生きているのではないか。
今回の唐木さんの記事には、見たことのない占いが書かれている。私は浴室で、ひとりで、それをやりました。
こんな占いを私は今までやったことがない。私も新しい占いを考えてみたいな。
ポッキーを筮竹代わりに、チョコレートの溶け具合で明日のおやつを占って!/終

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