春はすこし怖い 2016.04.04 当番ノート 第26期 指先から光がはいってきて もう冷たくなかったとき 手のひらで背中をあたためるような太陽だったとき 冬が終わり春が近づくのを感じた 予感や期待を孕んで膨らむ 木の芽や花のつぼみたち まだ開かないでもう少し と思う間に 一斉にはじける おはようたくさんの歌 おはようたくさんの色 おはようたくさんの光 おはようたくさんの香り さわがしくあふれ出す 美しく柔らかで愛おしい 尊いもの 私はかがやきの前で立ち眩み 逃げたくなって そっと隠れて遠くから眺めている