体と心を持って 自分が 生きている ということに
違和感を持つようになったのは いつからだろう
自分が存在していることが こんなにも 心許ない
私は私のことが うまくわからなくて
自分が誰なのか 説明ができなくて 伝えられない
だから 訊かれることがなんだか 苦しくなって 逃げ出したくなる
健やかな正しさというものが 怖い
年齢 性別 容姿 国籍 家族 社会
そういうものから 切り離して 私は私でいなくなりたい
誰にも見つからないように 景色に溶けるように 透明になってしまいたい
誰の目にも写らず そっと遠くで ぼんやり 見守っているだけの