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2F/当番ノート

なんでシンガポールでけん玉なのか

当番ノート 第26期

こんにちは、松尾健司と言います。

けん玉をやっています、シンガポールで。

どうしてけん玉なのか、どうしてシンガポールなのか。簡単に言うと、
せっかくシンガポールに交換留学に行くことになったし、自分の得意なけん玉を活かしてやろう!
ということです。

けん玉を始めたのは小学1年生の時で、小学4年生で4段を取得しました。もうかれこれ15年やっています。
「けん玉愛がすごいね」と思う方もいらっしゃるかもしれません。

でも最初は、留学まではけん玉が大好きというわけではなかったんです。もともとけん玉はやっていたわけですが、たまに手に取って遊ぶくらい。新たな技ができるようになるわけでもなく、昔取った杵柄でけん玉で漫然と遊んでいたという感じでした。
じゃあ、何でけん玉をやろうと思ったのか。

きっかけは「トビタテ!留学Japan」という文部科学省の留学推進のための奨学金プログラムです。
http://www.tobitate.mext.go.jp/index.html

その事前研修で、留学先で「日本発信プロジェクト」をすることになりました。けん玉が使えると直感的に思いました。せっかくならということで「シンガポールにけん玉クラブを作って、シンガポールにけん玉を広める」という大それた目標を掲げました。

自分はこの目標に全力を尽くす覚悟があるか。踏ん切りはついていませんでした。もちろん、けん玉で留学をより良くできるなと思っていました。クラブを作ったら、それだけで人とは違う経験ができるなと。
でも、一番の気がかりは
「自分はけん玉を大好きでもない。クラブを作っても、自分がけん玉を好きになれないなら、巻き込んだ人に対して申し訳ないな」
ということでした。

これをはっきりさせよう。

トビタテのプロジェクトリーダーの船橋さんに相談に行きました。何とか自分の中で納得させたい。
「とりあえずやってみたらいい。」この言葉で踏ん切りがつきました。
「巻き込んだ人をどうするかなんて、今考えても仕方ないな。せっかくの留学の機会やし、何も恐れずに、とりあえず、頑張ってみるか。」

そんなわけで、けん玉クラブを作るという決断は大きな決断でした。それからは準備に励みました。
去年の5月には帰省の際に、日本けん玉協会北摂支部に7年ぶりに足を運びました。圧倒的に子供たちが多いなという印象でした。切磋琢磨とけん玉を楽しむということを両立している素晴らしい環境だなと改めて思いました。

夏の暑い日に冷房も付けず、けん玉に熱中する日が増えました。すぐに汗タラタラです。
練習を始めるとけん玉に再び愛着が芽生えてきました。ついに7月にはけん玉ノートを作りました。

出発前にはクラブのけん玉として、日本のけん玉を12本購入しました。

けん玉クラブ創設への準備万端!

けん玉クラブ創設への準備万端!

この時はまだ知る由もありませんでした。シンガポールでけん玉が流行っていることなんて。

8/2にシンガポールに到着。意外なことに大阪の夏に比べたら、絶対大阪の方が蒸し暑い。タクシー運転手はばりばりのSinglish。何を言っているのか全くわからない。

シンガポールに来て、計画通りクラブを作りました。クラブは『けん玉それ自体を楽しむ、けん玉を通じて人々を元気にさせる』ということを理念にしました。
1回目の練習を8月26日に行いました。練習で最初に話す原稿を作って、練習をしました。とめけん(けんに玉を指す技)ができるようになった人もいます。
けん玉クラブEnリンク
https://www.facebook.com/Kendama.Club.En/

シンガポールに来たばかりの頃です。相変わらず暑い日、新しく出来た友達と遊びに行った時でした。子供たちが道でけん玉をしているのをたまたま見かけました。何でけん玉持ってんの?気になって、おもちゃ屋さんを見に行ったら、手頃な価格でけん玉が売られていました。

「流行っていると言ったって、大抵技術は自分の方が上やろう。曲がりなりにも15年やっているわけやし」
道でけん玉をしている子供たちを見ては、膝が使えていないなと頭の中で思っていました。
ある時、週末に子供たちが集まってけん玉をしているというスペースの存在を知りました。シンガポールの子供とけん玉で遊ぶっていうのもなかなか楽しそうやな。10月に行ってみることにしました。
そこはあるモールの4階のスペースです。エスカレーターを登りながら、どんな感じでプレイしているのかと気になりました。子供たちが10人くらい既に集まっていました。
「15年やっている俺ができない技を軽々とやってる!?」けん玉をやっている子供たちに聞いてみたら、まだ1年しかやっていないという子も多いのです。

最初は意味が分かりませんでした。何がどうなってけん玉がシンガポールに既に広まっているんや?
自分はけん玉を広める資格などなかったのです。自分は10年前のけん玉界に閉じこもっていたのでした。こんな時代錯誤の俺がけん玉を好きだと言えるのか。意気揚々から意気消沈。自分がいなくてもシンガポールではけん玉が発展しているし、発展していく。

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これから2ヶ月間、自分の留学生活についてけん玉を軸にして、綴っていきます。次回もよろしくお願いします。

告知 けん玉イベント”Kendama Fest! Japan X SG” (4/30まで、毎週告知していきます。)
今月末、クラブ主催でけん玉イベント”Kendama Fest! Japan X SG”を開催します!
https://www.facebook.com/events/1703933343182294/
4/30(土)、シンガポールにて開催予定です。日本、シンガポールのけん玉有名プレイヤーが参加します。フリースタイル大会、日本けん玉協会による指導会、座談会、けん玉団体パフォーマンス大会、向井六段によるパフォーマンスという内容です。
けん玉を見るのもよし、選手として参加するのもよし、けん玉の話を聞くのもよしというイベントです。是非、お越し下さい!!

松尾 健司

松尾 健司

けん玉歴15年。小4のときにけん玉4段を取得。交換留学先のシンガポール国立大学(NUS)にてKendama Club Enを立ち上げ活動中。4月30日にシンガポールにて、Kendama Fest! Japan X SGを開催する予定。
他に鉱物採集、語学、旅行を趣味にしている。

Reviewed by
青木 直哉

留学中というのは、場合によっては結構暇です。
急に予定をすっぽかされた日みたいに。
じゃあ、何しよう、と、思います。

出発のときもワクワクで、
まるで新しい学校に入るような気分になります。
まぁ、新しい学校に入るんですが。

じゃあ何をするのか。

「けん玉を広めてやろう」と思ったのが、この方です。

松尾さんは、意気揚々と、シンガポールへと向かいます。
だがしかし、そこで出会った現実とは。

新連載第一回です。

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