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2F/当番ノート

お一人様。

当番ノート 第28期

一人でご飯を食べたり、カラオケに行ったり、旅行をする。

という話を韓国の人に言うと、すごく心配される。寂しい目で見られがちだ。

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「お一人様」

という概念が、韓国にはまだ根付いていない。

 

韓国はご飯もみんなで食べるし、何かする時もみんなでしようとする。

外食しようとしても、一人では入れてくれないお店ばかりで大変である。

 

昔、吉野家の牛丼が進出してきたが、一人で食べるスタイルに対して、

文化的な抵抗があったようで、うまく馴染まず撤退していったと聞いた。

市場調査とタイミングは大事だな、と、ここから学べる。

 

固有の文化からか、「みんなと一緒」ということに安心感を持ち、外れることを嫌う。

そのせいで個性が見えにくい。ファッションについて言えば、みんな同じような格好だ。

美容師的にも同じヘアースタイルのオーダーばっかで、少々ガックリするときもある。

 

だが最近になってやっと、

一人でも食べれるようなスタイルのご飯屋さんが出てきたり

コンビニにもお弁当がやっと登場している。

 

お一人様ニーズが高まり、供給されている様子が街中に見える。

今なら吉野家はぜったいに流行る、と思う。来てくれないかな?笑

 

韓国のカロスキルにある美容室で働きはじめ、この近辺に住みはじめ、

年々、いろんな部分でちょっとずつ変わってきているのがわかる。

特に若い世代たちがどんどん変わってきている。

 

韓国が嫌いで海外に出て行き、いろいろと吸収して帰ってきてる若者だったり

自分の国に疑問を持つ若者たちが増えてきてるからかもしれない。

みんな同じではなくて、個人の意思も大切だと気づいてきている。

 

彼らのような考え方が増えていること、「お一人様」が増えていることはリンクしていると思う。

どんどん個性を出してくれる子が増えればおのずとヘアースタイルにも個性が反映されていく。

 

さまざなスタイルが流行り、スタイルの幅が広がれば美容師に求められるスキルも上がる。

美容師もそれに応えるためスキルを磨くので韓国の美容技術もどんどん上がっていく。

 

韓国の団結する力はすごいからこそ、ここに個も加われば最強の布陣になる気がする。

そのときが楽しみだ。

tomo

tomo

沖縄(高校まで)→福井(自動車部品を作る)→福岡(美容専門学校)
→大阪(美容師)→韓国(maruni hair 店長 ) 
1986年生まれ
大阪で美容師をしていつの間にか韓国で雇われ店長をすることに
言葉もわからないところからどうにかやってきて今を楽しもうと模索してます。

Reviewed by
大見謝 将伍

"「お一人様」という概念が、韓国にはまだ根付いていない。"

美容室で、同じヘアースタイルの注文ばかりが入ることと、「お一人様」の文化がどうリンクしているのか、美容師の一考察。

同じようなことを考えたことがあった。あくまで、マスメディアやネット、自分のまわりの韓国人を眺めながらではあったが、男性のヘアースタイルは、どことなく似ているなぁと。

「こういう髪型がイケてる」という、影響のスピードが凄まじく速いか、あるいは一度に影響する範囲がガッと広いのか、のどちらなのか。

もちろん、そういったブームのようなものは日本にもあって、例えば、渋谷に新宿と都会の街中を歩くような若者のスタイルには、やはり重なるものがある。「みんなと同じでなければハブられる」「都会にいる見栄を張れない」というネガティブからくる集団意識が根底にあるようにも見えなくもない。

とはいえ、集団によって行く者と、「我が道を」と個性に向かっていく者の比重を考えると、雑感ではあるけど、まだ韓国よりも枝分かれしているのかもしれない。これもどことなくだが、「八百万の神」の精神が、少なからずあるのが日本人だから、とも理由付けてみたくもなる。

ファッション(スタイル)というのは、一つの信仰であり、だけどナマモノであって、すぐに宗派が変わるものでもある。とぼくは認識している。と同時に、個性を出すためのパーツ(記号)であるとも思う。

ここは分岐点で、「個」があったうえでのファッションなのか、「個」を隠して「集団」に寄り添うためのファッションなのか、本人の意識で着こなし方が変わるし、後者はもしかしたら着こなせずに"着られている"状態とも言えるかもしれない。

話はだいぶ飛んでしまったが、そういったファッションと「お一人様」がどれだけ文化に普及しているかどうか、という視点は、日本人の感覚をそれなりに残しながらも、韓国で暮らし"続けている"からの見えるものだろうなぁ、と感じる今日この頃です。

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