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2F/当番ノート

毎日が早すぎて、とっくに過ぎた適齢期。

当番ノート 第32期

「30過ぎたら、年取るの早いよ〜」

最近よく言われる、この言葉。これ以上早くなったら、あっという間におばあちゃんである。

オトナになると時間が早く過ぎるように感じる、っていうのは結構多くの人が感じているんじゃないかなと思う。小学生の頃の夏休み1ヶ月はすごーく長く感じたのに、今では1ヶ月なんてあっという間に過ぎ去っていく。過ぎ去る、という表現は何もなかったかのようで嫌だけど、その表現が合うくらいあ、っという間。もちろん物理的な時間の速度は変わらないし誰にとっても平等なのに、どうしてこうも変わったように感じられるのだろうか。

ネットで調べてみても、あれこれと色々と説はあるらしい。私が何となく「そうかもっ」て思うのをいくつか紹介すると、まず「脳へ蓄積できる情報量が年を取るにつれて減っていくから」つまり新しい情報が入ってこれなくなる故、新しい記憶は断片的に取り込むしかなくなる。その為に1日分の情報量が短縮されてしまうので1日が短く感じられるっていう説。何となくこれには納得しつつも、新しい情報を上書き保存出来ないのかなぁとも思うし、消したい過去の記憶や情報を消せたらいいのになんて思う。思い出は大事だけど、何だか荷物になってるみたいで嫌だなぁ。

あとは「同じことの繰り返しが増えるから」。いわゆる社会人になると毎日朝起きて仕事へ行って、帰って来てご飯食べて寝る、みたいなルーティンがある程度固定されるという人は多いだろう。刺激や変化が少ない事でマンネリ化の一種というか、脳は”いつものこと”をあまり重要視していないのかも。”いつものこと”は当たり前じゃないのに、大抵その”いつものこと”がなくなった時に気づくワケです。誰もが経験しているはずなのに、哀れなもんです。
逆に「発見が多いと時間が経つのが遅く感じる」という見方もある。今まで知らなかった道を通ると何だか時間がかかった気がして、帰り道は意外と短く感じたりする。先ほどの夏休みの感覚も同じで、子供の頃は知らない事が多くて毎日が発見の日々だった。何を見ても日々新鮮な気分を味わえていたんだろう。そう思うとオトナになって、知っている事のなかであっちこっちしてるだけのようだと気づかされる。継続はもちろん大切だって面もあるけども、新しい発見も出会いも、自身で探さなければ見つからない。そうだよ、だから合コンするんでしょ。だから街コンするんでしょ。そういうことでしょ。(行った事ないんだけど)

てな訳でアワウダミズハは数ヶ月前からずっとやって見たかった事を始めたって話に繋がる(前置き長めでお送りしています)。そう、バレエ始めました。バレーじゃなくてバレエ。バレリーナはやっぱり憧れ。ダンスやってる頃からきちんとやってみたくて、でも後回しにしていた基礎作り。「超入門」クラスは有り難いことにバレエのバの字も知らない私に一からカラダの動きを教えてくれる。しばらく運動もしていないので、足つりそうになるのを上手く隠しながらやっている。今の所「出来たっ!」という達成感には至っていないのだけど、すっごく楽しい。全然上手く出来ないしすっごくダサい姿を自分で見ながらやっていて、それこそが新鮮で笑けてくる。何だかそれが楽しい。オトナになってからは出来る事の中だけで生きてて、大した事ないくせにいかにカッコつけてたかが分かる気がした。そんな自分に「ダセーぞ、アワウダ」て言ってやるかのように、ダサささらけ出して新しい事をするってすっごく楽しい。マンネリな日々に嫌気がさしている方へオススメ。ダサささらけ出しましょ。カッコつけてかっこいいのはキムタクだけですよ。

タイトルは私が最近書いた曲の一部分なのだけど、そもそも”適齢期”ってどんなもんなのか、ひとまずグーグル先生に聞いてみることにした。[適齢期とは]…検索。

「結婚適齢期にある独身の男女の数を「結婚適齢期人口」と呼ぶ。
社会は多様であるが、そのそれぞれの文化によっておおよその結婚適齢期は決まっている。」(Wikipediaより)

●結婚適齢期…女性:27歳/男性:30歳 (ゼクシィより)

とまあ、目を覆いたくなる現実ばかりが目の前に広がっていた。そんな私は明日30歳になります。おめでとうワタシ。

粟生田水葉

粟生田水葉

粟生田水葉(アワウダミズハ)

1987年生まれ。東京都出身。

うたを作って歌っています。
たまにちょっと踊ります。
美味しいものと人が大好きです。

Reviewed by
猫田 耳子

たまに知らない人の脳を借りることがある。はじめて下町に降りたお嬢様、侵略してきた宇宙人、見るもの全てが新鮮で何を触っても楽しくて。

わたしたちの脳は厄介なことに気持ちも記憶も積み込まれていく一方で、意識的に空っぽになってみないとまるで世界の全てを知ったような気になってしまう。
ある程度生き抜いた先で空っぽになってみるのは怖くてちょっとダサくもあるけれど、そんなダサいワタシを今日も明日も愛していきたい。

ワタシがワタシを愛せるうちは人生常に適齢期。

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