入居者名・記事名・タグで
検索できます。

2F/当番ノート

私と家族①

当番ノート 第34期

1501651159198
今日は「家族」もしかしたら2回に分かれる気もいたしますが・・・

   まずは祖母から。*百花園を主に書くので母方は今回お休みします。
 百花園の七代目。江戸弁(私は違いが良く判らないのですが、どうやら言い回しが江戸弁らしいのです。)をあやつり、戦後焼け野原になり、野球場改修案が出た百花園跡地を署名を集めて再園にこぎ付けてくれた人です。大正最後の生まれ今日8月8日で91歳になる予定でした。しかし今年2月に癌が発覚し、尊厳死協会に登録し「ピンピンコロリと逝きたい!」と言っていた祖母に対し、家族総意で独居していた彼女の家での終末看護を施しました。3月下旬に行われた私の結婚式に短時間ながらも参列し、4月上旬に家族に看取られ他界しました。短期間の病床生活で子・孫・ひ孫にも適度な介助者生活を味あわせてくれ、近所の人にも適度に会い相手に自分の去る覚悟を与え、90歳の老婆のお葬式とは思えないほどの故人友人としての弔問を多数頂戴し。孫は勝手に「大女優のような去り際と幕の降ろし方」だと感動しております。
 また、江戸千家にて茶道の師範免許を修得していたので、長いこと茶道教室を開いておりました。私も幼い頃から祖母の教室に通い25年程続けていました。普段の私を知る人には感じ取られないお淑やかな趣味ですが、私もちゃんと師範免許を取っているのです、祖母亡き今もまだ同好会形式でお稽古を続けていてくれる社中の方と、ゆっくりとですが今後も続け精進していきたいと思ってます。
 祖母ほどの女優オーラ(凄かったんです)を私が出すことは絶対ありませんが。祖母の築いた様々な物をありがたく想い、私なりに活用していこうと考えています。ちなみに私の目指す女優オーラは村娘Cくらいが良いかと思ってます。

    父
 百花園の八代目。一級建築士の資格を持ちつつ、百花園の売店で墨田の街づくりのために、日夜NPOや子ども会・町会の事と関わり、イベント等の運営生活をしています。一番力が入ってないのが百花園業じゃないか??と思う節が出てくるくらい地域に身を投じる人です。様々な事への歴史や雑学に長けているので、小さな疑問は大概検索をかける前に一度父に聞いています、なぜなら以外に答えが返ってまた別の知識も入ってくるからです。墨田の歴史で知りたいことは、父に聞いたら大概返ってきますし、もし知らない事が投げかけられたら、仕事をほっぽり調べ上げると思います。
 地域超密着型の父は墨田の人との交流が手広くあり、私が墨田で何か動こうとするその先には、必ず父を知っている方が出てきます。態度の大きな私が、地域で干されないのもこの父が耕していてくれた土壌があればこそ!なんだとたまに思います。私も後生のために耕しておける人間になれるのか・・・

    母
 私が人生で一番凄いと思う人。医療ソーシャルワーカーとして30年以上働き、その後大学の教員として数年過ごしました。現在は対人援助職の方達のスキルアップ講座を企画する法人を立ち上げ、講座を通じて技術力向上を目指しています。そして、今も現場の医療現場のソーシャルワーカーに対しスーパーバイザーをしています。さほど儲からない百花園の収入でも子供四人が成長できたのは、正に母あればこそ。
 父と結婚し39年、四人の子供を育てつつ、研修会・勉強会に行ったり、趣味に時間も捻出したり、百花園のイベントを仕事終わりに手伝ったり。私だったら本当にどっかで壊れてる・・・って思ってしまう程忙しい子育て時間を過ごしていた母。大人になって自分を振り返ると、大して手伝いをしていなかった子ども達ばかりで。懺悔しか出てきません。
 また、私に医療・福祉などの問題や現状もいろいろ教えてくれ、百花園のようなある面で「都会とは思えない桃源郷」のような場所で、私が子育て支援や福祉の事に興味を持つきっかけやチャンスを与えてくれました。
 まさにスーパーウーマンです。

兄弟や伴侶の事はまた後日。

*百花園イベント情報*
8月24日~27日は「虫聞の会」夜20時半まで開園いたします。
売店前ではテーブルを出し、生ビールや軽食販売を致します。江戸の頃から続く虫の音を聞く粋なイベントお時間ありましたら是非ご来園下さい。
17時~放虫式
18時~行灯の点灯式 等参加していただけます。
https://www.tokyo-park.or.jp/event/2017/06/mukoujima-20170619.html

まどか

まどか

東東京にある、よく言う下町在住です。生まれも育ちも墨田区東向島。二十歳から実家を出て
大田区→スイス→白金
と移動して二八歳くらいから墨田に戻ってきました。今は家業のお土産物屋をしながら、墨田の飲み仲間とゆるゆるとでも濃密に地域の事やら、子育ての事やら(私は子無し)数ある土地で墨田区を選んでくれた人達が少しでも楽しく生活できれば良いかなぁ~と思いながら動いています。

Reviewed by
猫田 耳子

漱石が月を媒介としたように、「好き」を使わずとも伝えられる愛がある。

淡々と家族を紹介しているだけの文章なのに、彼女がそれぞれをどのように見つめ、またそれぞれが彼女をどのように想っているか、その関係性すら見えてくるのはわたしだけではないだろう。

これはきっと、愛の物語。

トップへ戻る トップへ戻る トップへ戻る