こんばんは。今回も文章を書きました。毎回何かの嫌がらせみたいな文章を載せていて申し訳ないと思っています。でもなんとなくそれをやめられないんだ。だからもし読んでくれる人がいたら、なんかのきっかけで人の心を持ち、文字がタイピングできるようになった魚類、サンマだと思うんだけども、そのサンマが、一生懸命がんばってパソコンに打ち込んだ文章だと思って読んで欲しい。それが本当なら奇跡だと思う。実際には薄汚れた歯をもつ、まあまあ臭い男性が書いているが、それはなんとか忘れてタイピングができる奇跡のサンマが書いたと思って欲しい。それか言葉を覚えたばかりの天使みたいに目がくりくりしたかわいい幼児が書いたと思って欲しい。そう考えたらなんとか読み進められると思う。
後、海外旅行に行った話が書きたかったのだけど、実際海外旅行に行った事が無かったのでよく分からない部分が多く、分からない部分は主人公が記憶を無くした事にしています。
海外旅行
旅行はいつも私を寂しい人にする。それはなぜか。すごく恥ずかしがり屋で心配性だからだ。ナイーブなんだよ。毎日、霊のような行いしか出来ない。旅行先でもいつもと変わらず、私は誰もが行くような店に行き、どこでも買えるような品を霊のように買い、誰もが行くような飲食店で霊のように注文し霊のようにたまにご飯をモグモグポロリとこぼしたりしながら、またそれを拾ったりして、酒も飲まずに霊のように会計を済ませてホテルに行き、ホテルの中を霊のようにさまよう。
たまに誰かが話しかける。私はたった5つの霊的な言葉を発したのち、たった1つのさらに霊的な言葉を発する。
「今日はほんとにあったかいですね」
「仕事はまあなんていうか、今はしてませんでして」
「こんにちわはぁ〜。」
「娘がもうすぐ幼稚園なんですわ」
「いやぁ、ありがとうございまっす!」
最後に
「いや、ちょっとそれは分からなくて。詳しくないんですよ。ごめんなさい。」
霊のような私はいつも鮮やかなオレンジ色のカッターシャツを着ていた。派手な色が好きなんだ。そのシャツのボタンはプラスチックで小さく、黒いボタンだった。オレンジのカッターシャツに黒いボタンなんて、ありえない色の組み合わせだ。でも私の行く衣料品店にはそれしかオレンジの服が売ってなかったんだ。ボタンを付け替えるのは面倒だった。
私の住む世界には、霊的な人と、霊的でない人が半々くらい居る。もしかしたら最近は以前よりも霊的な人が増えているのかもしれない。早く霊的な人を脱しないといけないと心底思ってる。元気に、遠慮なくあいさつして、目をちゃんと見て、相手の人相や髪型を褒めて、リアルタイムに起こったちょっとした事、つまり5分前からおしりが痛い事などを話したりするんだ。今週は無理だから、来週から頑張りたい。
私はいつもそんな具合なんだけど、なんとなく海外に行ってみたくて、海外旅行に行った。今まで海を越えたことは無かったからすごく緊張していた。しかし結局海外でも、私は霊のような振る舞いをするだろう。
気付いたら私は既に海外の土地にいた。どうやら緊張しすぎて気絶し、記憶を失ったようだ。船着場の広場の地面に倒れていた。夕暮れだった。見覚えのない夕暮れ。未だかつてないほどに黄色がかったオレンジだった。見覚えのない石畳の路面、背後には中世のような町並み、と思いきやちらほら普通にデパートなどもある様子で、とにかく数々の建物が切り立った山にひしめきあっていた。記憶を失っていたが、目の前に濃い緑と黄色っぽいオレンジのハイライトの海があるから、私は船に乗ってここに来たんだと思った。なんとなくきっと、船に乗って旅行に来たんだと思った。しかし船の姿は見当たらなかった。今はたまたま船がいないだけだろう。
近くに黒いジャケットを着た太った小さなおじさんがいた。私を見ていた。すると緑色の皮膚の、爬虫類のような2メートルほどある人が2人私に歩いて近づいて来た。服を着てなかった。でもこの人たちは服を着てなくても、むしろ服を着てない方がちゃんとして見えるタイプの人達だった。顔はトリケラトプスをさらに平べったくして人的にしたような顔で、髪の毛は無かった。にこやかな顔で、どんどん近づいて来て私を見た。彼等は白目が無かった。ニコニコしていた。ザラザラして、黄土色が混ざったような黄緑の肌。肌の所々茶色くなっている。手で擦ったり抱き合ったりした場合、すごく気持ち良さそうだった。
そして黒いジャケットのおじさんがこれまたにこやかに、ようこそおいでくださいました、ホテルを案内しますと言ってくれた。ちなみに黒いおじさんの肌の色は、黄色めのサーモンピンクつまりクレヨンで肌色とされている色だった。
この3人は旅行ガイドだと思った。
旅行ガイドは3人一組で働くのだろうか。それとも誰か一人がガイドで、他の2人はただ暇だったから一緒にいる身内か親友なんだろうか。
爬虫類のような背がすごい高い2人は、ニコニコしながら何か言っていたが私は結構な具合に耳が悪く、(実際に聴力には問題が無かったはずなので、恐らく脳とか、性格の問題でうまく人の声が聞こえない事が多いんだけど)聞き取れなかった。でもありがとうございまっすと言った。
車に乗せてもらい、ホテルに連れて行ってもらった。爬虫類のような2人は車に乗らず、ここで別れた。ホテルは建物が密集している山の中腹にあった。坂道を車で登っていく。道中ガイドらしきおじさんとなにか話した気がするが記憶にない。奇跡的にとてもいいガイドさんが来てくれたのに、またしても私は相手の言葉を霊的な5つの言葉、その後さらに霊的な1つの言葉で返してしまった。相手の話も聞いてなかった。それと旅行に来た事はなんとなく思い出したが、自分が旅行する前に何をしていたのか思い出せない。
ホテルに着くと、ガイドのおじさんはもう居なくなっていた。お金を支払った記憶がない。もう支払っているんだろうか。明日もあのガイドさんたちに会うんだろうか。やはり記憶が無い。でもどうしようもない。とにかくホテルの部屋に入らないと。茶色く薄暗いホテルのフロントでチェックインし、鍵をもらった。フロントの人間の顔は唇から下しか見なかった。暗くてよくわからなかったが、思うにごく普通のアゴをしていたと思う。
ホテルのロビーを抜けると、庭、というかただの外みたいな草や木が生えたところに、コンクリートの廊下がカタカナのコの字のように草むらにセットされており、10メートルくらい進み直角に左に曲がったところに302と書かれた濃い緑のドアと303と書かれたこれも濃い緑のドアがあった。
そのドアのまわりは白いコンクリート壁に濃い緑のツタや葉っぱだらけだった。
ホテルの中にツタだらけの駐車場のついてないモーテルがあるような感じだった。
そして私の鍵の番号は302だった。
なんだか面白かった。ホテルの中にモーテルがあり、先ほどホテルの外はすごく夕暮れだったのに、ここは霧がかかっていてまるで早朝のような色、空気だった。1階なのに302と303なんだぁ。と思った。そして2階があるのかは、濃く白い霧が遮って分からなかった。
ただ一つ気になるところがあり、ドアの横、ランプが取り付けられていそうな場所に、頭部が割と大きめの茶色と黒と灰色の羽毛がオイルに濡れている鳥がとまっている。クチバシは鋭く黒かった。ランプの台座部分はあって、そこにランプのかわりにセットされている様子だった。
すごい気になった。ドアを開ける際、オイルをまとった頭部のいやにでかい鳥につつかれないか怖かった。
コの字になったコンクリートの廊下の行き止まりに、ホテルの管理室みたいなところがあった。ボタンが沢山あった。手榴弾などで軽く攻撃された基地か、かなり大型のオーブンで30分ほど焼かれたみたいな、適度に黒ずんだ汚れた管理室だった。帽子をかぶった、最初船着場で会ったような爬虫類タイプではない、管理人らしき普通のおじさんがいる。お爺さんになりかけのおじさんで、ズタボロの薄緑の帽子を被っている。渋い顔してる。たぶん年中毎時間渋い顔なんだと思う。
一瞬彼にあの鳥をどかしてもらうように頼んでみようかと思ったがやめた。きっと渋い対応をされるだけだろう。ここは海外なんだ。オイルをかぶった鳥をドアの横に、ランプのかわりにセットしておくのがこの国の普通なんだ。だからどかして欲しいなんて言ってはいけないだろう。
勇気を振り絞り、302のドアにそっと近づき、決してオイルをかぶった頭のでかい鳥と目を合わせないようにゆっくりと鍵を開けドアを開けた。鳥は私を攻撃しなかった。恐怖で血圧が乱高下し、腸が調子悪くなり、冷や汗が出たよ。
中はひんやりと涼しく、暗かった。ところどころ小さな照明があり、廊下があり、いくつも部屋があった。廊下も、廊下の壁も、部屋の中の壁も、全部石でできているみたいだった。ゴツゴツと凹凸があった。入る前に303のドアが右手にあったが、右側の空間にも廊下と部屋があり、303のドアの裏らしきものがあったため、302、303どちらのドアを開けても、結局は同じ空間に入る事になるようだ。なんかちょっとおかしい気がしたけど、でもまあそういう事はたまにあるかなと思った。
廊下、たくさんの部屋、それぞれの部屋にはドアのかわりにシルクのカーテンが垂らされていた。とても暗い。部屋の中にはオレンジ色の大きなベットと、ランプがあった。それ以外何があるかは外からは見えなかった。渡された鍵は開けたので、どの部屋を使ってもいいのだと考えた。廊下の先に女性の後ろ姿が見えた。奥の方にある部屋に入って行った。一瞬何か挨拶をして仲良くなりたいなと思ったけどやめた。結局霊的な会話で終わるだろう。あと暗いところで話しかけると高確率で性犯罪者だと思われると思ったから。
そんな事を考えているうち、私の数メートル先の廊下から突然男性が現れた。そしてその男性は女性を追っているような雰囲気で、忍び足で女性の入った部屋に入って行った。彼こそが性犯罪者もしくはただの犯罪者かもしれないと思った。何か事が起こっているのか気になり、私も忍び足にてその女性と男性が入った部屋に行き、シルクのカーテン越しに部屋の中を覗いた。誰も居なかった。今度はカーテンの隙間からもっと部屋の中を覗いてみた。誰も居なかった。
2人はどこへ行ったんだろう。
私は怖くて、引き返しそこから1番遠い部屋であろう部屋で寝ることにした。暗い部屋にちいさなオレンジのランプ。石の壁に大きなベット、机、テレビもあった。音が漏れるのが怖くてテレビはつけなかった。あの女性を追っていた様子の彼が犯罪者でない事を願った。犯罪者または性犯罪者であったのであれば、その標的を私にしないように願った。
翌日、私は一人で車を借りてドライブをしていた。ホテルがあったところから車でどんどん山を登ったり降ったりしていた。昨日ホテルで寝てから、今の今まで記憶がない。まあ特に大した事はしてなかったんだろう。気付いたら私は車を運転していて、切り開かれてすごく見晴らしのいい山のクネクネ道をドライブしていたんだ。すごい晴天。崖、谷の下に少し大きな川があるようだ。車を止めて崖の下の川を見ることにした。
川に、誰かの遺体が流れていた。白くて、人間の形をしていたのでそう思った。何と無くスキンヘッドなのか髪の毛が無い様子で、性別も分からなかった。流れの強い川。ずっと浮かんで流れている。透明ではなく色をつけたように本当に水色の、綺麗な川だった。
とてつもなく静かで晴れていて穏やかな気持ちだった。ただし血圧やら気圧やらなんやらの関係でわずかに気分がズレた場合には、一瞬で恐怖に変わってしまうような穏やかな気持ちだった。今だけでなく、しばらく何年も同じような気分で過ごして来た気がした。何も覚えて無いんだけど。車を運転して、ホテルに戻った。
依然霧がかっているホテル内駐車場のないモーテル空間の霧がかってツタだらけで横に頭部がいやにでかいオイルをかぶったような鳥が横にセットされたドアを何事もなく開け、部屋に戻った。部屋は昼間はけっこう明るかった。テレビをつけた。川に流れる遺体の事がニュースでやってないかなと思ったんだ。私はかなりアホだった。当たり前だが先ほど自分が見たものがテレビでやってるはずは無かった。逆にテレビでやってる事が自身に起こる事もあるはずがなかった。知ってる番組も無いのでテレビを消したが、何をすればいいのか分からなかった。とりあえず普通の人間であれば遺体を引き揚げ、警察に届けて、親族に知らせるくらいはしなければいけないと思ったのだけど、それはやめた。なぜならここは異国で、私は人でなしだったんだ。
今の今までご飯を食べるのを忘れていたと思うので、町に出て何か食べようと思った。そして機会があれば、いつか一番最初に会った爬虫類みたいな人にザラザラした黄緑の肌を擦らせて欲しいと思う。そして落ち着いたら、どこかへ帰りたいと思う。
ハイになった時
ある日すごくハイになった。予定通り夕飯を食べて、予定通り風呂に入れたんだ。そんな事はまず無い。1年に1回あるかないか。だからハイになった。
だから、
私は妻が作ってくれたポップコーンの開かなかったタネをアルミホイルの鍋から取り出し、綺麗だなと思いポップコーンの開かなかった油ぎった種を、数個手で掴み、両手でこすってその両手を塩と油だらけにした。トマトがキッチンの皿に4つ乗っている。素晴らしいと思った。トマトが4つ乗っててすごく素晴らしいと思ったんだ。
それから油ぎった手を、石鹸で洗った。その後、しばらくクネクネして、寝た。歯磨きはしなかった。予定には入れてなかったので別に良かった。
次の日は失敗続き。口も臭かった。でもそんな事もあるよねと思って寝る前に高度2000メートルから標高1000メートルの4つの山が正方形に並べられたそのちょうど真ん中のくぼみ、標高0の地点めがけ飛び降りる事を出来るだけ具体的にイメージしながら、少しいい気分になり寝た。