ここはとあるアパートの一角にある、小さなギャラリー「カラバコ」。
白い壁に空っぽの額縁が無造作にならび、その下には題字だけが添えられています。
タイトルだけを頼りに、二人の作家が別々に文と絵を寄せ、2つが合わさった時に初めて作品が完成するのです。
第6回は「影絵」
影絵をつくって遊ぶ戦時中の女の子のお話が、国語の教科書で取り扱われたとき、クラスで流行ったんですよね、影絵。
僕はそのお話の内容よりも、自分がうまく影絵をつくれないことの方が、かなしかったんだな。
昔の話です。これも。
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「影絵」
絵: 古林希望
文: カマウチヒデキ