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3F/長期滞在者&more

Talking to myself

長期滞在者

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こころが環境の変化についていけないことってある。例えば、何かの前提が覆ってしまうときとか。2月はわたしにとって、何もかもがひっくり返って、なにがどうなってしまうのか、大嵐にのみこまれながら航海を続けているような一ヶ月になった。

かなり遅いペースではあるけれど、三十代に入ってから自分が「働く」ことにどのような価値を見出しているのか、どんなことを信じて働いているのかがわかってきた。社会人として第一歩を踏み出したときには見えていなかったことだけれど、わたしは共感できる信念がないと、うまく身動きがとれなくなる。「そこが大事なんじゃないの?そこがコアメッセージじゃないの?」って思っている部分が揺らいでいると思ったり、矛盾していると感じると、自分がどこに立っているのかわからなくなる。バランスを崩す。

もちろん、生きていたらずっと同じ考えに固執できないことや、価値観を大きく変えたり、信念を時代や状況に合わせて変えていかないといけないとは思う。フレキシブルでないと、それこそ生き残れない。とくに、ビジネスをつくっている立場ではそう思うのは自然なことだし、そうせざるを得ない状況や、常に変革していくことこそが価値ということだってわかってる。だけどね、わたしのこころは、その変化に追いつけないまま宙ぶらりん。ほんと、宙ぶらりんって言葉がしっくりくる感じ。Where are my feet? Where am I standing? What should I do next? What is my purpose here? How can I contribute to this situatuon? あぶくのような疑問がいくつも弾けて、目に飛沫が飛んでしみる。そんな気持ちで毎日毎日、時間を過ごしている。誰に、どんなことを話したら霧が晴れるのかもわからない。わからないまま進んでいくしかない、そんな感じで。

今できることをやるしかない、というのはもちろん自分でもわかっている。与えられた役割を全うするしかないし、状況を改善するために、コツコツやれることをやっていくしかない。日々はそういうことの繰り返しで成り立っているし、これまでもそうしてきた。今後も同じようにやっていくしかないけれど、わたしは本当にそれでいいのかな?そんな疑問が頭から離れていかない。自分にできることをやるしかないよ、と散々言い聞かせているけれど、ほんとは納得していないから、こんな気持ちなんだろうな。理解していることと、納得していることは違うから。

生まれてきてしまった疑問とどのように向き合うかは、とても大切で、次の行動の根拠になるから慎重に考えないと。実際、そういう状況におかれたとして、あなたならどんなことを考えて、どう行動する?会う人会う人、一人一人に聞いて回りたい。それくらい途方にくれている。

その一方で、今の状況が今後の自分の成長に関わっているということも感じている。どんな行動をとっても、その経験から得るものはあるはずで、それはきっと次の成長につながっている。同じところで頑張ることも、別の方向に向かっていくことも、どっちでもそこから吸収できるものはあるだろう。Uncomfortableな状況こそ成長には必要不可欠だし、この座り心地の悪さを経てしか、見えない地平はあるはずだから。ネガティブになりがちだったけれど、自分自身と話をすることで、不安を吐露することで少しだけ怖くなくなってきた、そんな気がする。

実際、2月は日記をつけられるほど気持ちが安定していなかったし、きちんと自分が感じている不安と向き合うことができていなかった。ちゃんとした食事も準備できなくなってジャンクフードや、食べるのをやめていたものに手を出してしまったり、食生活がひどく乱れていた。必然的に体調もすこぶる悪くて、仕事を休むことも少なくなかった。また日記を書こうと思えたり、スクリーンに向かって状況を分析したり、きちんとキッチンで日々のご飯や作り置きを用意したり、生活を良くしていくために動けるようになったくらいには回復していてきているということなのかな。不安に流されて、そこから自分で這い上がる方法を見つけ出すのもやっぱり大事ということか。(っていう乱暴な自己肯定?)

アップダウンは生きていたら避けることができない。もがいて、打ちひしがれて、途方にくれて、拗ねて、ふて寝してたら、いつしかまた立ち上がろうと思えるから不思議だ。なにせ、わたしがいくら拗ねてふて寝してたって、電車は時間通りに出発するし、コンビニの自動ドアだって普通に動く。なにも変わらずにまわりは機能する。だから、わたしが元気でも、元気じゃなくても、悩んでても悩んでなくても、大したことではないのかもしれない。それくらいの楽観的な気持ちで、あと少し様子を見ながら頑張ってみようか。そんな気持ちで3月を迎えられたらいいんだけど。

Maysa Tomikawa

Maysa Tomikawa

1986年ブラジル サンパウロ出身、東京在住。ブラジルと日本を行き来しながら生きる根無し草です。定住をこころから望む反面、実際には点々と拠点をかえています。一カ所に留まっていられないのかもしれません。

水を大量に飲んでしまう病気を患ってから、日々のwell-beingについて、考え続けています。

Reviewed by
山中 千瀬

2月が早く終わること嘆いてしまうけど、誰かの試練の月だったなら短くてよかったかもしれない。元気でも元気でなくても世界は動くけど、あなたが元気だと私はうれしい

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