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Mais ou Menos #49 —裏でも表でもないわたしたちの往復書簡ー

Mais ou Menos

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今日は、病院お疲れ様でした。
まちゃんが新しく薬を飲み始めて、それがまちゃんの体にどんな影響があるのか心配だったけど、今のところ、気力が少しアップしたり、夜まで体力が持つ日があったりと、前よりは、少し体が元気になっているように見えます。
ただ、薬の影響で顔がむくんだり、体に水分が溜まり過ぎたりすることもあるみたいなので、そこが心配ではありますが、自分は見守るくらいしかできないので、見ています。あと、病院の付き添いくらい。
仕事が決まったので、少しホッとしています。次の仕事は、仕事も日常も、頑張り過ぎず、自分の状態を客観的に見られるくらいのスピードで生きたい。
つい、焦って早く行こうとしすぎたり、心配しすぎたり、何事にも度が過ぎる傾向があるので、それわかってるので、自分を止められるスピードで自分を歩かせたい。
あと、アウトプット、インプットもっとやれる時間を作る余裕を持ちたい。
いつも、ゆとりがない。それかあっても無気力か両極端なので、エネルギー使い果たしに注意。あと、食生活に注意。
なんか気をつけることばっかりやけど、まちゃんとこの前、名古屋で楽しんだみたいに自由に誰にも邪魔されない時間を過ごしたり、ただただゆっくり、好きな時間を楽しむ時間を作りたいね。最近の自分の課題であった自己肯定感を高めるプロジェクトも、自然に自分のことを褒めることができてきているような気がする。自分も周りの人も褒めまくって、過ごしていきたい。
また、近々行きたかった博物館の予定入れよう?
すごく楽しみにしています。

2018.11.6

P

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Pちゃん

今日もお疲れ様です。今週から新しい仕事が始まるね!私も少し安心です。
この数ヶ月、Pが今まで以上に自分自身のことを理解して、自分自身を受け入れるトレーニングをしていたことを横で見ていたので、次の仕事には希望が持てる気がしています。Pがより心を楽に維持できるといいんだけれど。

私は、まだまだ自分の体調に支配されています。薬は飲んでいるものの、毎日体はだるいし、モチベーションは低いまま。ただ、これは自分のホルモンバランスのせいだと思うように努めています。自分の本質じゃないんだって。今は、コートリルという薬を1日に3錠のんでいて、不足している副腎皮質ホルモンを補充しています。今週末から、併発している甲状腺炎の治療が始まる予定だから、また新しい薬が増えるので、それが少し心配ではある。幸い、10月の入院後、自分の体の不調の原因がわかって、病名もはっきりしたから、この日々の辛さのことをだらだらと考えることはなくなったけれど、やっぱりなんでこんなことになってしまったんだろう、と思うことはある。(意味のないことだとはわかっています)
ただ、出生時のアクシデントが、脳の病気に関与している可能性があると知って、そこから全てが始まったのかも、とも思います。胎盤剥離で、血液を大量にのみこんで、溺れたような状態で生まれたとき、一時的に脳への血液や酸素がとどこおってしまって、脳がダメージを受けたのかもしれない。そのダメージが長い年月を経て、少しずつ悪化したのが、今の自分じゃないかと思います。
生まれたときから、こうなるとは決まっていたのかも…。そう思うと人間の体ってほんとにすごいと思う。健康というのは、ものすごく繊細なバランスなバランスの上で保たれているんだろうね。

話は変わるけれど、無事にビザの更新が終わりました。今回は3年のビザが発行されたので、しばらく心配しなくても良さそう。入管で受けつけのために別行動していた1時間半くらいの間、私もPちゃんもそれぞれ色んなことを考えていたんだよね。Pと合流したとき、入管の中で号泣していたのを見て、普段、いかにPのことを難しい状態に立たせていたんだろうと、とても申し訳なかった。パートナーのビザ、病気、いろんな問題をPもずっと抱えたままだったんだよね。私は、自分のことで必死で、Pのことをもっとケアして、心配するべきだったんだとすごく反省したの。それと同時に、これだけ自分(私)のことを自分ごととして生きていてくれているPに、心から感謝の念を抱きました。

人と人が一緒にいるということは、パーソナルな事柄でありながら、とても社会的なことでもある。私たちが日々共にすごせるのは、ビザの更新という、極めて社会的な条件をのりこえているからなんだよね。それが、私たちの8年間、ずっと根底にある前提条件で、今後も避けられない事なんだよね。
こういうことを力を合わせて乗りこえてきたんだね。自分たちにとっては当たり前だけれど、これも尊いことだったのだな。

私たちは2人とも自己肯定感が低くて、つい自分たちが日々やっていることは“とるにたらないこと”と思いがちだけれど、日々の生きづらさや、一緒にいるためにのりこえなきゃいけないこととか、そういう色々をもっと高く評価しないとだねえ。私自身も、自分の体の中で起きていること、自分が日々のりこえている不調のことを、もう少し評価しなくちゃ。11月12月はそういうトレーニングをもう少し頑張ってみようね。

Maysa

2018.11.13

Maysa Tomikawa

Maysa Tomikawa

1986年ブラジル サンパウロ出身、東京在住。ブラジルと日本を行き来しながら生きる根無し草です。定住をこころから望む反面、実際には点々と拠点をかえています。一カ所に留まっていられないのかもしれません。

水を大量に飲んでしまう病気を患ってから、日々のwell-beingについて、考え続けています。

PQ

PQ

ゲームと映画が好きです。
国籍も性別もない。

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