当番ノート 第27期
はいけい 絵の中の女の子たち お元気ですか? わたしは元気です。 絵が描けるようになってもうすぐ一年。 また この季節が巡ってきました。 もう一度信じてみてもいいんじゃない? もう だいじょうぶだよ。 あたなたちがそう言ってくれた あの朝のこと、 今でもはっきり覚えています。 あの時、絵はまるで魔法のようだと思ったよ。 頭で考えても描けない。 この感覚と この心を信じて紡ぐ 不思議なちから。 また…
はてなを浮かべる
すべてが等しく切り分けられるべき? どうでもいいことをどうでもいいと、思う工夫をしなければ 思考はたやすく連れていかれる? 向上心って一種の病気? 柔軟でいようとすることが僕を弱者たらしめている? 他人にばかり測られすぎて参ってるのかな? 自分のルールばかり逞しくなっていくのか?…
当番ノート 第27期
告白をしたい、と思ったのです。 告白、と言っても、愛の申し出、秘密の暴露、取るに足らないこと、重大なこと、懺悔、様々あるけれど、そうではなくて、ただ告白をしてみたい、とそう思ったのです。 ようするに、嘔吐だ。誰もいらない、アタシの心の内容物を、あたりかまわず無分別にゲエゲエ吐き散らす。見て、綺麗でしょ、など言いながら、地面に散った吐瀉物をかき集め、そうして、三越あたりの包装紙で綺麗に梱包してから、…
長期滞在者
きのうころしたいちまんびきのライオン いちまんびきのライオン いちまんびきのライオン きのうころしたいちまんびきのライオン きょうはなんびきころそうか (『子どもに聞かせる世界の民話』より 「ヤギとライオン」) 雨が降ると一般的には商売あがったりだが、学校の図書館は一転大賑わいとなる。授業の終わりのチャイムがなるやいなや、外で遊ぶことのできない子供らが、わんさわんさと押し寄せて、芋洗い状態になる。…
当番ノート 第27期
出身地を聞かれると、愛媛県だと答える。福岡に住んでいた頃はそれだけで十分だったけれど、わたしは今、香川で暮らしているから、生まれ育ったのは同じ四国にある「愛媛」の「どこ」なのかというところまで、聞かれることが多くなった。 わたしの出身地は「愛南町」という町だ。その名の通り愛媛県の南部に位置しているが、2004年の合併で愛南町が生まれるまで、わたしが暮らしていたのは「内海村」という村で、自分の暮らす…
日本のヤバい女の子
【6月のヤバい女の子/夏服とヤバい女の子】 ●山姫 春が更け、衣替えの季節です。 夜でもぬるぬると重い、湿気に満ちた空気が透明な息苦しさになって体を喜ばせる。腕の内側を風がすり抜けていくのがおもしろい。 毎朝袖丈やら上着やらに悩んでしまってあわや遅刻の日々です。先週の日曜、衣装箪笥の中身をすっかり入れ替えました。 誰からも恐れられる女の子も夏の装いを楽しみにしているでしょうか。彼女たちも青い開襟シ…
当番ノート 第27期
少し、だけど遥か昔のよう。 僕は子どものころ、 クラスのみんなと同じになりたいと毎日もがいていた。 小さな集団が、あの時の僕の全てで、 そこに居場所を作るためには、 波風を立てずみんなに合わせる方法が 一番だとそう思っていた。 赤面症で、人前で失敗を犯すことの方が恐ろしく、 周りからどう見られているかを自分でも嫌になるくらい 意識していて、今、思えば自分で勝手に作り上げた 脅迫じみた固定観念と向き…
長期滞在者
日々、同じ時間に起きて、同じ時間に家を出る。そんな生活が始まって、もうすぐで三週間になろうとしている。そうしたルーティンがある仕事は、実のところ数年ぶり。 先月の今頃は、今後の生活がどうなるのかまったくもって不確定だったから、毎日が不安で仕方がなかった。熊本の地震でかなりナイーブにもなっていたし、それにこの家はよく揺れる。首都高に近いし、地下には電車が走ってる。そんな、常に地面が揺れているような感…
当番ノート 第26期
その彼は1人ユニットだが、3人を表す名前を付けていた。僕はその彼をよく知らないので、それが本名だと思っていた。「大橋鳥夫」と。即座に友人から完全否定された。鳥夫は「大橋トリオ」だったのだ。元々は3人組だったのか?とか、最初から1人でなぜトリオという名前を付けたのか、そもそも由来は何なのか?とか、もちろん調べる気は起こらない。自分はこのまま彼の音楽を聞かずに死んでいくのだろうか。 相川七瀬の「恋心」…
当番ノート 第26期
どうやってここへ来て なぜここに居て どうやって生きていくんだろう からっぽで何もなくて何も見えない 人との繋がりや社会の中では 自分が居てはいけないような息苦しさと不安を感じ 正しく健やかな人をみては 自分の愚かさが露になる ニュースは世界の理不尽さや悪意や混乱を伝え それが自分の中に育とうとする 失う恐怖と悲しみは私を飲み込み怪物になって 自分を守るために 言葉をナイフに変えて振りかざす 静謐…
長期滞在者
この連載のタイトルは「暁」と「人類学」という、二つの名詞からできています。どちらも何かと何かの「あいだ」に生じます。夜と朝のあいだに暁が現れるように、フィールドと母国のあいだ、生活経験と学問的概念のあいだ、他者と自己のあいだに人類学が発生する。 「あいだ」にあり続けることは、時に淋しく辛いことでもあります。不眠症者が朝の到来に怯えるように、フィールドで経験を積んだ人類学者ほど母国への適応に怯みます…
ギャラリー・カラバコ
ここはとあるアパートの一角にある、小さなギャラリー「カラバコ」。 白い壁に空っぽの額縁が無造作にならび、その下には題字だけが添えられています。 タイトルだけを頼りに、二人の作家が別々に文と絵を寄せ、2つが合わさった時に初めて作品が完成するのです。 01 桟橋 02 物差し 作品が届く時は何より楽しい瞬間なのですが、待っている2ヶ月間は、なかなか待ち遠しいものがありますねぇ。遠距離恋愛、みたいな。 …