にゃんともはや!のねこばなし
さて、舞踏会の日がやってくると、ねこっ皮は、そっと台所をぬけ出して、森にいきました。そして、水晶のような滝の水でからだを洗うと、隠してあった着物のうちから、銀の着物を出して身につけ、舞踏会へと急ぎました。 ――イギリスの昔話『ねこっ皮』より ある身分のよい家に女の子が生まれました。しかし、跡継ぎに息子が欲しかった男は赤ん坊の顔をいっさいみようとしませんでした。 それから…
当番ノート 第23期
When Where Who The Period, The Place, The Person あの時期あの場所あの人 【第八回:2013コペンハーゲン 】 2013年コペンーハーゲンのあの人はみんなの居場所に なっていた。 東京のせわしない時間とビルが立ち並ぶ中にあった会社で 一日は何時間だったかと問うくらい、働いていた頃。 沢山の大変と沢山の楽しいを共有したあの人は コペンハーゲンに2年間赴…
当番ノート 第23期
いのちと呼ばれるものは それ以前 青い光だった 暗い海の底にも似たところから それはやってくる 未だ形なきところにあるそれは いつの日か 新しい日の出を夢見て眠る 太陽の子ども それは 今なお 光を欲して蠢く 青き衝動 それは 遠いところを夢見て泣く 太陽の子ども 日の目を見たとき きみは泣いていた かなしみの井戸の底からでなく かつての海から 掬い上げられて その目に映る 光があまりにも眩しくて…
長期滞在者
「自分の」写真に使い始めたのは四年ほど前からだが、仕事(営業写真館のカメラマン)の写真ではもう十年以上デジタルカメラを使っている。最初はフィルム用カメラと違って繊細そうなカメラ(高価でもあった)を怖怖使っていたが、実際使ってみると案外頑丈だし、別に今までのカメラと同等の扱い(要するに手荒)をしても問題はないことがわかってきた。 僕が今仕事で使っているカメラは二台ともに十年選手である。最新のカメラに…
長期滞在者
仕事場の近くに住んでいる衣料品関係の仕事をされている社長さんが、友人から頂いたという古い書物の1頁を切り取ったものを持って寄ってくださいました。フランス語が読めないのでなにが記されているのか分からないのですが、その方の仕事観に響くことばが綴られている詩の一節なのだそうです。書物にしては、分厚い用紙に活版ですられた本文は、それだけでも重厚な表情があり、周囲が茶色く焼けているのも時間の経過が感じられて…
当番ノート 第23期
“メタゲーム”という言葉を知っているだろうか? トレーディングカードゲームというのは、市販のカードを買い集めてデッキと呼ばれる紙束を作り、対戦相手と勝負する遊びの総称だ。 日本だと遊戯王やポケモンのカードゲームが有名だろうか。 トランプで言うと、大富豪。あとはUNOあたりが近い。 僕が愛するMagicはそんなトレーディングカードゲームの元祖と言える。 実際のところは、仕事で…
当番ノート 第23期
When Where Who The Period, The Place, The Person あの時期あの場所あの人 【第七回:2012ニューヨーク 】 2012年ニューヨークのあの人は 混乱の中にある美しさと生み出す力を 思い出させてくれた。 東北で出会った東京在住のあの人は、ニューヨークのきらびやかな街に そっと現れた。初めて会ったのは宮城県の石巻、車の後部席で ぎゅうぎゅうになりながらだ…
Mais ou Menos
____________________ まちゃんへ ゲーム機を片づけ終えて、いよいよもうすぐ出発します。知らない場所や知らない人と会うのはとても緊張します。 でも、またこれから新しいことが起こると思うとワクワクする気持ちもあります。 ただ、まちゃんと離れるのだけが、寂しいんですが、一生会えないというわけじゃないので、あまり考えないようにします。 距離があってもインターネットがあるので、何とかなる…
当番ノート 第23期
千葉パルコのレストラン街のカフェにいる。とても驚いたけれど、千葉パルコが来年の11月に閉館する。高校時代から付き合いがある店だっただけに、とても残念だ。よく高校からの帰り道に、友達とパルコバスに乗って、千葉駅まで帰ったものだった。(註:パルコバス:千葉駅とパルコを往復している無料の送迎バス。赤と青の二種類のバスがある) パルコといえば80年代の渋谷だけれど、僕はその頃の渋谷を知らない。渋谷。と…
当番ノート 第23期
いま、僕たち家族は、引っ越しの準備をしている。いろんな事情から、この家を離れて、あたらしい家に引っ越すことになった。昨日も一日その準備をしていた。僕がいま暮らしている部屋は、僕にとってはまだあたらしい。僕はこの部屋に、何年住んでいただろう。東京で生まれて、父親と別れて、岐阜に来てから、僕たち家族は、何度か引っ越しをした。この家はいまの父親がちいさい頃から家族と住んでいた場所で、家自体はとても古い。…