長期滞在者
「せかいいちおおきなイモをねがったらどうです?ふゆじゅうたっぷりたべられるし、このたねをうめて、みずをやって、まっているだけで、ほかにはなにもしなくていいんですから」 『ジェイミー・オルークとおばけいも』より 「お昼ごはんなあに?」「今日のお昼はじゃがいもよ。」じゃがいも?それが献立の名前ではないというごく当たり前のことに気付いたのはだいぶ大きくなってからのことだった。粉吹き芋でもポテトサラダでも…
当番ノート 第22期
Gâteau:ガトー。お菓子。男性名詞。 《La princesse Néfertiabet devant son repas》,2590−2565 BC. 焼き菓子に手を伸ばすNéfertiabet王女。 古代エジプトでは、埋葬用の壁画に、死者の食事風景が描かれた。 こんなにも昔から、甘いものは人々の心を掴んでやまない。 この世で最も儚げなお菓子は、六花亭の「六花のつゆ」だと思う。 蓋を開けた瞬…
日本のヤバい女の子
【9月のヤバい女の子】 ⚫︎なよ竹のかぐや姫(竹取物語) ----- 《竹取物語》 「今は昔、竹取の翁といふものありけり。」彼は野山にまじりて竹を取り、妻とふたりで暮らしていた。人生は穏やかだった。 男はある日竹やぶで光を放つ竹を見つけ、そして小さな女の子を見つけた。夫婦はよろこび、感謝して、自分たちで女の子を育てようと決めた。その日以来翁は竹やぶでたくさんの砂金を見つけ、どんどん富んだ。女の子も…
当番ノート 第22期
– – – – – – – – – – – ◆前回までのあらすじ 嘘のタカダノババ、嘘の映画、嘘の夏を書き、そして雪を軸に嘘の思い出を交えながら一足飛びに大学時代を振り返るわたしに、幻の姉が問いかける。「他には?」「他にって?」「他に、ここにはどんな嘘を書いたん?」わたしはおもう。嘘をつくことと、黙っていることは同じだろうか。 – – – – – – – – – – – ほんとうは、目をつむって…
長期滞在者
先日、仕事の休みの日に、ひっそりとした韓国料理店に足を運んだ。山間の人気が少なく、そこに店があることさえわからないような場所。以前より、連れの母がどうしても連れて行きたいと言っていたお店だった。冷麺と美味しいチジミをいただいた。 そこで、韓国からきたというお店のママさんと出会った。わたしは、基本初対面の人とはそれほど多くのことは語らない。だけれど、ものを言わなくても、なんとなく理解してくれる人とい…
当番ノート 第22期
車に撥ねられたが「大丈夫です」と言って起き上がり、カゴが凹んだ自転車を引いて帰ったのは10歳の夏だ。一人だった。 そう実は私、人間ではありません。 という話ではない。思うに、そのとき母や友人がそばにいたら大声で泣いたのだ。手を差し伸べられるまで地べたに倒れたまま立ち上がらず「車にぶつかった」という状況に合わせた悲惨さを、体感以上に体現したはずだ。 声に出すと、感情と感覚が増幅する。締め切り前など、…
当番ノート 第22期
#5 音とイメージ(2) 音と言葉を考えるとき、韻は大きな要素の一つだ。けれど昔ながらの詩歌の世界では日本語での押韻は欧米の言葉に比べ影を潜めている。古くは漢詩の頃から韻の文化は知られていて、日本語でもこれまでに多くの人が挑戦してきただろうし、昭和期にはマチネ・ポエティックという定型押韻詩を作ろうという試みもあったが、いずれも定着はしなかった。日本語は一つの子音に一つの母音という単純な音節構造のた…
長期滞在者
皆様はじめまして。クボと申します。友人に誘われ、このウェブマガジンに参加させてもらうことになって、私はすこし困っていました。様々な活動をされている方が日常的な思いや思考を綴る場所という説明を受け、さて、自分はここで何を書けるのだろうか、と。 この十年来、私は文化/社会人類学という学問をやっています。日々感じること、思うことの大半は研究とつながっていきます。例えばTVをつけバラエティ番組をだらだら…
当番ノート 第22期
去年の夏、うちのアトリエにある坪庭でイラガの幼虫(毛虫)が大量発生しました。今年もやつらはそこにいます。今年もこの季節がやってきましたね。 第5回となる本日は、絵のモチーフに多い星とプラネタリウムのイベントについて。 前回でも書かせていただいたとおり、個人的に描く絵、repairで描く絵もまずストーリーを考えてから絵を描き始めます。自分の中でストーリーを持ち、頭の中の辻褄を整えてから描かないと、や…
当番ノート 第22期
今から考えれば、僕にとって、それは偶然ではなく、必然としか思えない、出会いでした。 荒川修作 彼に出会わなければ、僕はこんな生き方を選ばず、人間らしく生きていたでしょう。 荒川さんに出会ったことで、僕の生きかた、世界に対する考え方は、根源的に変わってしまいました。 荒川さんは世界的な芸術家であり、建築家です。 大学の恩師が「有名な建築家の安藤忠雄だって、荒川修作には、逆立ちしたって、かなわない」と…
当番ノート 第22期
東北から台風直下の九州へ帰ってきました。 外がゴオゴオ、ガタガタとなる音を聞きながら、今日は記事を書いています。 神社での居候の話は、来週ちょうど高千穂の神社にてお篭もりをするので、その際にお話しようかと思います。 そのあたりから、作品への感情や考えの話も一緒に。 今回、東北では山形、福島、宮城とまわっていました。 震災の被害のあった場所もみながら、塩竈に立ち寄り、お寿司屋の若旦那を紹介いただき、…
当番ノート 第22期
Claude Monet 《Saint Lazare》, 1877. (修道院を改装したパリの科学技術博物館。交通手段の棟。) Voyage:旅。距離のある場所への移動。男性名詞。 Louis Antoine de Bougainville(ルイ・アントワーヌ・ドゥ・ブーガンヴィル)は、18世紀フランスの探検家。 1766年、学者達を連れて、世界一周の旅に出る。 マリーアントワネットが”Japon…