当番ノート 第46期
わたしは文章を書くことが苦手なのかもしれない。というと、研究者として執筆を普段から行なっているのに、何を言うと思うだろう。 正確に言うと、自分のことについてじっくりと書き記すことが苦手だと思うのだ。SNS時代、自分の経験を語り、自分にある種のブランド性を付与していく人が影響力を持つ。それを羨ましいとも思いながらも、積極的にできない(と思っている)。 とは言えど、インターネット上には自撮り写真もメン…
当番ノート 第46期
こんにちは、どるこです。今回から2ヶ月間こちらで投稿させていただける機会をいただきました。1番初めの投稿ですので、私が何について投稿していくのか、及び投稿に関しての設定というか、前提を説明させていただきます。 まず、何について投稿していくかですが、何かテーマを決めると書きやすいといったアドバイスをいただき、私もそれなら面白くできそうだなと思いましたので、この2ヶ月間の投稿は1つのテーマに沿…
長期滞在者
梅雨明け早々の日本からこんにちは。 いろいろめんどくさ案件真っ只中。 日毎暑さが募ります。 タダではもらえぬアイスクリーム 暑さコラえて舐めてます。 そんな中、今頃ベルギー辺りは ちょうど良い乾いた空気の夏真っ盛りで、 みんなサマーバケーションを楽しんでることだろう、 と思いきや、あちらはあちらで猛暑続き。 ベルギーでも40度越えの極暑だとか。 (一瞬、日本の夏も捨てたもんじゃないとか思いかけた)…
当番ノート 第46期
2019年8月4日日曜日 晴れ。従兄弟の結婚式に参列した。 * 12時00分(挙式開始30分前)。 「信じられない! お父さん、この靴で参列するの!?」と、母が突然声を荒げた。(いつも通り)無遠慮な母の物言いに勃然としていた父の足元を見てみると、グレーのスリッポンスニーカーのようなものを履いている(念のため書いておくと、父は、ちょっとだけ……結婚式の知識がないだけだ)。 「30分あるし、一緒に靴を…
当番ノート 第46期
8月に入りずっと、肌がぺたぺたとしている。 空気は水を孕んでのろのろと重いし、 日差しは強く体の中も暑く このまま蛙にでもなってしまうんじゃないかと思う。 水族館に行くのが好きだった。 薄暗く長いエスカレーターを降りていくと 空気が徐々にひんやりとしていくのがわかる。 同時に少し生っぽい、潮の匂いを舌に感じる。 家族旅行で行ったちゅらうみ水族館の大きなガラスの水槽や 佐賀のうみたまごの色とりどりの…
当番ノート 第46期
まだ私は、他人と向き合う準備ができていない。だから誰にも会いたくない。それは目やにがついているからでも、鼻毛が出ているからでも、自分の息が臭いからという理由でもない。 朝、外に出て、呼吸のしづらい暑さに朦朧としながら、仕事に向かう。電車が来る直前に自販機で割高なお茶を買ってしまう。電車にしばらく揺られると寒暖差がつらくて目をつむる。 マンションの一室にあるオフィスに着き、いくつかmtgに参加する。…
当番ノート 第45期
絵を描いていると、テーマはなんですか、と聞かれることがたまにあるのですが、一貫したテーマはあまりなく、描くことによってなにかを目指すというよりは、描くことを続けていくことで自分とまわりとの関係をあぶり出しているようなところがあります。 美術系の大学にいっていたときに、とりあえず真面目な美大生だったし、内から湧き出るものはあるから、わーってなってつくってて、でも、わーっていうのを微妙にセンス良くなん…
当番ノート 第45期
いらっしゃいませ。 ここはアパートメントの中にある日常の中の非常口「ヴァーチャルスナック・モモコ」へようこそ。 出口はないけど、入り口も見えない人生へようこそ! はい、私は店長のミス・モモコ。 暑くて暑くて頭がぼーっとしちゃうわね! ぼーっとした頭でお知らせなんだけど、 残念なお知らせなんだけど、このスナックは立ち退きなの。 じゃっ、そんな感じで今回も最後までよろしくね! 前回のセクハラ問題もある…
長期滞在者
【始めに】本稿は、2014年に発表した記事を改編・再執筆したものです。 文中には性的な写真表現が含まれますことを予めご了承ください。 写真集としては大ぶりなB4サイズの上製本を、赤いベルベット生地が包み込む。その表紙には、金色で大胆に彫られた「Bible バイブル」という文字。装丁といい題名といい、挑発的と言っても良い出で立ちだ。 2014年に刊行された『Bible』。東京を拠点に活…
当番ノート 第45期
ある1人の少年と現在生活している私は、何かと自分の生活圏を彼の存在で掻き乱される日常にいた。それにしても、この少年と私は、いつから親しく関わり、一緒に生活を共にしているのか経緯が全くわからない。ただ、あの日 家の前に雨の中びしょ濡れの仔猫が捨てられていた事。その少年の幼い顔がどこか昔愛していた人の面影を連想させる事だけしか確かなものはなく、名前も 理由も得体の知れぬまま私の側にその少年は存在してい…
当番ノート 第45期
行きつけのカフェというやつがある。 いろんな仕事の山場を秘めやかに乗り越えてきたこの店こそ、アパートメントの全8話を締めくくるに相応しいと(そもそも家かここしかないのだけど)鼻息荒めに、今これを書いている。 今は昔、最初は普通の接客だったのだが、仕事が詰まってほぼ毎日通った時期があった。それからというもの入店1番、店長はじめ店員さんまでもが快活に「おつかれっすー」と言う始末。いらっしゃいませという…
Native Language