当番ノート 第64期
18歳のわたしへ 一人暮らしはしんどいです。最初は「わたしは自由だ」と誰にも止められずに、一人で思うように時間を使える生活に喜びをかみしめていましたが、その感覚が通り過ぎてしまってから一向にそれが戻ってくる気配はありません。わたしが望んでいたものは、こんなにも消費的で、軽々しい行為だったのでしょうか?言葉にできない、言葉にしたら身近な誰かでさえも傷つけてしまうであろうドス黒い感情が増幅し続け、それ…
Do farmers in the dark
今回もまた展示のお知らせすみません。9/5から10/1まで、新中野のgallery café NICCOにて絵を展示しています。 おおよそ8月に展示した絵を展示していて、8月にタイミングが合わなかった方はもし良かったら。前回から少し枚数は少なくなりますが、ボールペンの絵を30枚ほどとカラーの絵を15枚ほど展示しています。日ごとにお店が変わるシェアキッチンで、毎日営業時間が違うのでスケジュールを確認…
長期滞在者
色々と書きたいなと思うことはあるのだけれど、いざキーボードを前にすると、書きたいと思っていたことが手からこぼれ落ちていくような気持ちになる。たくさん書きたいことがあったはずなのだが、頭がまとまらない。 以前に書いていた時期は、二十代後半になってようやく働き始めたばかりの頃で、長く過ごした横浜や東京都内の空気から離れてまた千葉に戻った頃だった。それまでの環境と職場の環境とのギャップに戸惑いながら過ご…
当番ノート 第64期
18歳のわたしへ 借りたトムウェイツを聴きながら2号線のバイパスを走るのもこの2週間だけだろう。その後、わたしは仕事を辞めました。 永遠と思うほどに眠気と身体の怠さが続いていて、毎日指を折って数えて待ち続けた休みはただ寝るだけになっていました。行きたいところも浮かばず、今日あった仕事でのやりとりを脳内で繰り返し再生させてしまうので、力ずくでかき消すように貸してもらった映画を再生します。ベッドに横に…
当番ノート 第64期
18歳のわたしへ もうかれこれずっと眠いです。 起きているけれども、ふわふわ宙に浮いているようです。椅子にじっと座っているのであれば、目はただ開いているだけで、身体は静かに眠っているような、ちぐはぐな感覚がずっとあります。ただそこにいる、目を開いたまま眠っているわたしは、周りの人の声が急に迫ってきて、ふいにびっくりするのです。目を開いたまま、はっとする瞬間が何度もありました。 「あなたには合わない…
当番ノート 第64期
18歳のわたしへ ここのところ、毎日毎日どこかへ行っています。 様々なNPO法人の講演会、福祉分野のトークショー、はたまたまちづくりのお話などを聞きに行ったりしました。海の方へ向かえば、そこから個々に特徴のある島へお邪魔したり、山の方へ向かえばそこから田んぼを手伝わせてもらったりしました。 これは一人旅として、自分の生活圏外へ行って、手放しで楽しんでリラックスするというよりも、将来わたしはどうした…
長期滞在者
日々の生活で自分に課しているルールは特に何もない。 日々決まった時間に起きるわけでもなく、朝食に決まったものを食べるわけでもなく、同じ時間に排便をするわけでもなく、煙草は1日3本までというわけでもない。 ただ、唯一自分の中で決めていることとしては、夜にコーヒーを飲まないということだろうか。 コーヒーを夜に飲むと、眠れなくなってしまう。(若さのせいか、鈍感だったからか、中学や高校の頃は、母親が夜コー…
長期滞在者
「写真」は伝達手段としては非常に効率の悪い代物で、むしろ「伝わらなさ」そのものの比喩としての機能の方が上かもしれない。もちろん悲観的に言ってるのではなくて、「伝わる」という言葉の安売りに辟易しているからで、伝わらなさを考える契機として写真があって良いのでは、と思ったのだった。 写真というのはもともと言葉とは伝達される情報の種類や方法違うものだから、言葉では掬いきれないものも放り出す。それは言葉なん…
当番ノート 第64期
18歳のわたしへ。 とうとう友だちと喧嘩をしました。 12月、各駅停車。忘年会ということにして、なかなか目的地にたどり着かない電車を当然のごとく選んで市内へ行き、鉄板焼きを食べに行きました。心を許すまでは分厚めな壁をつくりがちなわたしは、待ち合わせ場所で誰かに会うまで、少し緊張していました。合流してからは、その日は普段は話さないような人とも一緒になってその場所まで向かいました。片手で収まりきらない…
当番ノート 第64期
18歳のわたしへ。 お元気ですか。 今日は4/2、わたしは香川に行ってきました。高松駅に降りた後、ひんやりとした改札口を抜け、駅の扉の方へ向かいます。開ききっている扉から、太陽の光とともに風がこちらに勢いよく吹いてきました。潮の香りがしました。 いつもGoogleマップで検索する係をしてくれる一人をあてにして、商店街だと思う方へ、こっちの方向やろとそこまで深く考えずに数人で向かう中、小さな川が流れ…
当番ノート 第64期
◯はじめに 仕事休みの日曜日。休みの日だから早く目が覚めるはずなのに、ここしばらく段々と目が覚めるのが遅くなってきている。今回ばかりは本当に限界かなと、少し前は心から強く思っていたはずなのに、いつの間にか以前よりマシな心地で、こんな状況にやっぱり何も思わなくなってきてしまっている。 時間をつくって会議に行けば、わたしよりも上の立場で、同じかそれ以上の時間を拘束されながらも、私生活もしっかりやってい…
当番ノート 第63期
「暮らしの中で得た実感を描いていく」ことをテーマに始めたこの連載もいよいよ最終回となりました。締めくくりにふさわしい実感とは…? 数ヶ月間ずっと忙しかった時期があり、買った消耗品が入ったビニール袋をそのまま床に置きっぱなしで暮らしていたことがありました。片づけなければ、という気持ちはあったので申し訳程度に袋ごとにジャンル分けしたりしなかったりで、ズルズルとついそのままに… つい最近になってようやく…